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増え続ける訪日外国人観光客、インバウンド関連株について学ぶ

トウシル / 2024年11月23日 8時0分

増え続ける訪日外国人観光客、インバウンド関連株について学ぶ

増え続ける訪日外国人観光客、インバウンド関連株について学ぶ

「クイズでわかる!資産形成」(毎週土曜日に掲載)の第56回をお届けします。資産形成をきちんと学びたい方に、ぜひお読みいただきたい内容です。

今日のクイズ

 今回は、インバウンド関連株について学ぶクイズを出します。

 インバウンドとは、訪日外国人観光客のことで、その数は年々増加傾向にあります。また、インバウンド消費の拡大によって、恩恵を受ける企業も増えており、それらの企業(銘柄)を、インバウンド関連株といいます。

 それでは今日のクイズです。訪日外国人の増加によって、インバウンド消費の拡大が続いていますが、その中身が変わってきており、モノ消費からコト消費に重点がシフトしつつあります。

 同じインバウンド関連株の中でも、コト消費へのシフトによって恩恵を受ける業種と、受けない業種があります。

 以下四つの業種【1】~【4】のうち、コト消費拡大の恩恵が小さいのはどれでしょう?

  1. テーマパーク
  2. ホテル
  3. 鉄道
  4. 百貨店

増え続ける訪日外国人観光客数

 訪日外国人数は、コロナショックで一時急減しましたが、今年大復活。2024年は、訪日外国人観光客数が、コロナ前のピークだった2019年を超えて、過去最高となる見込みです。

<訪日外国人観光客数:2003~2024年(1~9月)>

出所:日本政府観光局(JNTO)より楽天証券経済研究所作成

 これまで、中国からの観光客数の戻りが少なかったのですが、2024年は中国からの観光客が急増しています。

<国別の訪日外国人観光客数:2024年1~9月の累計>

出所:日本政府観光局(JNTO)より作成

正解

 コト消費の増加で恩恵を受けにくいのは、【4】百貨店です。

以下は、いずれもコト消費の増加で恩恵を受ける業種です。

  1. テーマパーク
  2. ホテル
  3. 鉄道

 訪日外国人による消費は、モノ消費からコト消費に重点が移りつつあります。高額品をたくさん買って帰る観光客はだんだん減少し、日本での経験を楽しむことに重点を置く観光客が増えています。

 モノ消費で盛り上がったインバウンド関連株は、あまり評価できません。百貨店は、足元のインバウンド消費増加の恩恵を受けていますが、長期的な成長が見込まれるわけではないと思います。

 そのため、これから投資するならば、コト消費で恩恵を受けるホテル、鉄道業、テーマパークなどの方が有望だと思います。

 一時、経営危機にあった宿泊・ホテル業は、これからの成長が期待されます。新幹線の利用率が高まるJR4社(JR東日本(9020)JR東海(9022)JR西日本(9021)JR九州(9142))にもメリットがあります。

 JRだけでなく、電鉄業は全般に観光・リゾート・ホテル業も展開していて、インバウンド増加の恩恵を受けています。例えば、ホテル業に積極展開している西武ホールディングス(9024)などにメリットが大きくなります。

2015年にインバウンド・バブル、2016年にバブル崩壊があった

 モノ消費にけん引されたインバウンド・バブルのピークは2015年でした。2016年には、買い物需要が一時急減して、インバウンド・バブル崩壊の年となりました。

 2021年には、コロナ禍でインバウンド消費が一時壊滅的な打撃を受けましたが、それよりももっと早い2016年に、訪日外国人によるモノ消費は一度大きく減少しています。

【1】2015年のインバウンド・バブル

 中国人観光客の爆買いにけん引されて、インバウンド消費が急激に拡大し、「インバウンド・バブル」が生じました。特に高額商品を売る銀座の百貨店などが、大きな恩恵を受けました。

 中国人観光客の爆買いには、実質「個人輸入」とみられる買い物が含まれていました。例えば、1人で高級炊飯ジャーをまとめて10個買うような観光客がいましたが、それは、中国に持ち帰った後に転売して利益を得ることが目的であったと考えられます。

【2】2016年のインバウンド・バブル崩壊と、2017年以降のブーム復活

 中国政府は、海外で購入した商品を中国に持ち込む際にかかる関税を2016年4月に大幅に引き上げました。その後、中国人による日本での爆買いは鳴りを潜めました。そのため、2016年は「インバウンド・バブル崩壊」の年となりましたが、その後も訪日外国人の数は増え続け、2017年以降、インバウンド・ブームが復活しました。

 それ以降、自分のための買い物が増え、日本製品の安全性への信頼が高いことから、化粧品、食料品、医薬品など自分の体に取り込むものがよく売れるようになりました。

 また、日本での体験にお金をかける「コト消費」も増加し、この頃からインバウンド消費の中心が「モノ消費」から「コト消費」へとシフトし始めました。その後、コロナ禍によるインバウンド消費の急減と復活がありましたが、「コト消費」へのシフトはそれとは関係なく、着実に進みつつあります。

 最後に、私の著書出版のお知らせです。

テクニカル・ファンダメンタルズ分析を詳しく学びたい方へ

 8月1日に、私の「株トレ」新刊が、ダイヤモンド社より出版されました。

2000億円超を運用した伝説のファンドマネジャーの株トレ ファンダメンタルズ編

 一問一答形式で、株式投資のファンダメンタルズ分析を学ぶ内容です。

 2021年12月出版の前作「2000億円超を運用した伝説のファンドマネジャーの株トレ」の続編です。

(窪田 真之)

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