ドル/円下落、153円台まで円高。トランプ氏指名の財務長官の発言が相場に影響
トウシル / 2024年11月26日 9時51分
ドル/円下落、153円台まで円高。トランプ氏指名の財務長官の発言が相場に影響
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは154.75円
↓下値メドは153.60円
選挙公約:選挙キャンペーンが実際の政策として実施されるとは限らない
中国製造業:価格低迷、生産低迷、成長低迷という破滅のループに陥る危険性高まる
インド:2026年に日本を抜いてGDP世界第3位に
GPIF:円安が収益増に貢献。外国株10%で、債券は5.5%
NZ:オアRBNZ総裁「年内あと2回(0.5%)利下げする」
前日の市況
11月25日(月曜)のドル/円相場の終値は154.22円。前日終値比0.57円の「円高」だった。
週明けのマーケットは、米財務長官に指名されたベッセント氏によって、トランプ政権下での経済政策の方向性がどのように変わるかが焦点となった。ベッセン氏の発言は、今後のドル円相場に大きな影響を与える可能性がある。
2024年236営業日目、週明けの東京市場は先週の終値(154.79円)から円高方向に窓を開けて154.17円からスタートしたあとさらに円高に動いた。米長期金利の低下を受けて先週金曜日の安値(153.97円)を下抜けして、東京時間昼前に153.55円まで下落した。
トランプ次期大統領が財務長官にスコット・ベッセント氏を指名したとのニュースがドル売り材料となった。同氏は貿易関税政策に対して消極的な姿勢を示しており、また財政赤字の抑制に努めると発言していることから、米国のインフレ抑制の期待が高まった。
ただ、通貨政策に関してベッセント氏は、「ドルの準備通貨としての地位を維持する」考えを示しているため、これがドル買い戻しの一因となって夕方に154.72円まで円安に動く場面もあった。24時間のレンジ幅は1.17円。
ユーロ/ドルは、ドイツの11月IFO企業景況感指数が冴えない結果となったことや、ECB(欧州中央銀行)の大幅利下げのリスクが高まっていることがユーロ売りにつながった。レーンECB主任エコノミストは「(欧州経済に)機敏かつ力強い対応が必要だ」と述べており、12月会合で0.50%の利下げをECBが行うとの見方が強まっている。一方、12月の日銀会合での0.25%の利上げ確率は約55%となっている。
主要指標
今日の為替ウォーキング
今日の一言
何であれ、怒りから始まったものは、恥にまみれて終わる – ベンジャミン・フランクリン
Cause We've Ended As Lovers
マーケットは1年以上も前から、「米国は景気後退に入る」と言い続けてきたが、それを示すようなサインはどこを探しても見当たらない。あったとしてもすぐに消えてしまう。経済データを見る限り、米国経済は、ハードランディング(景気後退)どころか、ソフトランディング(景気減速)も回避して、「ノーランディング」の実現へ進んでいるようだ。
パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、FRBが利下げを判断するためには、インフレ率の低下を示す確かなデータが必要だと強調してきた。CPI(消費者物価指数)は低下傾向を示しているが、その大部分は、エネルギーや商品価格の下落による一時的なものであり、FRBの政策と関係のないところで起きている。
米経済を考えるうえで重要なのは、フローよりもストックだ。新型コロナ終息後に見られた爆発的な雇用拡大がピークを過ぎ就業者の増加数(フロー)が鈍化しても、働いている人々の蓄積(ストック)された貯蓄と消費力を考慮する必要がある。
FRB内部では、中立金利の水準が議論となっている。中立金利(経済が過熱も冷えすぎもしない状態の実質金利)が、現在推計された2.5%から2015年当時の3.75%程度の水準に戻っているとするならば、現在の金利水準は、景気抑制的ところか、まだ「景気刺激的」である可能性がある。
実際、米国の政策金利はFRBが考えるほど「引き締め的」ではない可能性がある。名目中立金利はおそらく4.0%(実質金利2.0% + インフレ率2.0%)に近い水準と考えられる。現在のインフレ率が3.0%とすると中立金利は5.0%になるので、FF金利(政策金利)が5.3%では引締め的といっても、わずか0.3%程度に過ぎない。
今週の注目経済指標
今日の重要ブレークアウトレベル
タイムゾーン 分析
(荒地 潤)
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