ドル/円上値重い動き。152円台へ下落
トウシル / 2024年11月27日 9時58分
ドル/円上値重い動き。152円台へ下落
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは154.20円
↓下値メドは152.65円
消費と雇用:コンサートなどの売り上げの大きさは、雇用の不安が少ない証拠である
米経済見通し:マーケットの懸念はインフレから雇用へ移る
金融政策:RBAとFRBの金融政策の非同調化が鮮明に
豪経済:ブロックRBA総裁「利下げする状況ではない。インフレが高すぎる」
NZ:RBNZ「インフレが想定以上のスピードで下落するリスク」で追加利下げ検討
前日の市況
11月26日(火曜)のドル/円相場の終値は153.11円。前日終値比1.11円の「円高」だった。
東京時間のマーケットは、トランプ次期大統領が中国、メキシコ、カナダに対する関税政策を発表したことに影響を受けてドル高に動いたが、海外市場ではサンクスギビング・デーの祝日前にドルロングを軽くしようとする動きでドル安になった。
2024年237営業日目は154.18円からスタートして、東京時間朝に154.49円まで円安に動いてこの日の高値をつけたが、前日の高値(154.72 円)には届かなかった。
トランプ次期大統領は、来年1月20日の就任第1日目にメキシコとカナダからの全ての輸入品に25%、中国からの輸入品には10%の追加関税を課す考えを示した。これを受けてカナダドルやメキシコペソ、中国人民元が売られ、リスク回避的な動きが強まった。特にメキシコペソは2%弱急落し、カナダドルも1%超下落した。この関税政策は、不法移民や違法薬物取引取り締まりのためにメキシコや中国との「交渉材料」に使うとの見方が多いが、日本や欧州も影響を受ける可能性は高く、マーケットは今後の展開に注目している。
海外市場では、明日(28日の)サンクスギビング・デーを前にドルのロングポジションを軽くする動きが見られた。ドル/円は前日の安値(153.90円)を抜けると、夜遅くには一時152.98円まで円高に動いた。この日公表されたFOMC(連邦公開市場委員会)議事録には、12月利下げを見送るような意見はなく、予想よりも「ハト派」的だったこともドル売り材料となった。
24時間のレンジ幅は1.51円。
このFRB(米連邦準備制度理事会)は、2024年11月6日と7日に開催されたFOMCの議事録を公表した。議事録では、多くの参加者が「急速な利下げに対して慎重な姿勢」を示したことが強調された。政策金利が物価や景気に与える影響の評価が難しくなっていることから、「徐々に緩和することが適切」との見解が示された。
11月のFOMCでは、全会一致で0.25%の追加利下げが決定された。これは9月に実施された0.5%の大幅利下げに続くもので、2会合連続の引き下げとなった。参加者は、高金利を維持することで景気にブレーキがかかる一方で、利下げを行うとインフレ再燃の懸念が高まることを指摘している。
また、労働市場の悪化リスクについては9月よりも低下したと判断されているものの、依然として注意が必要であるとの意見があった。
主要指標 終値
今日の為替ウォーキング
今日の一言
成功する投資家になるためには、世界で何が起きているか常に把握しておかなければならない。それが投資の難しさであり、面白さである – ジム・ロジャース
A Little Less Conversation
米国でインフレ上昇が確認されたのは2021年だが、当時のパウエルFRB議長は、「インフレは一過性の現象にすぎない」と米議会で証言して、利上げを否定した。その結果、何が起きたか。米国のインフレは一時9%近くまで跳ね上がり、FRBがいくら利上げしても、まだ完全に沈静化できずにいる。
FRBをはじめ世界の主要中央銀行が、インフレそのもの以上に警戒していることがある。それはインフレの「2次的効果(セカンド・ラウンド・エフェクト)」の発生だ。インフレの2次的効果とは、物価の上昇が人々の持つインフレ率の期待値を高めたり、賃金上昇を通じたりすることで、より広範なインフレを引き起こすことである。
2次的効果による物価上昇圧力が中央銀行の利上げ効果を打ち消すことで、需要後退のなかでのインフレ進行という「スタグフレーション」が起きる可能性がある。ところが、日銀は世界の中央銀行とは真逆に、日本人の頭からデフレマインドを完全に消去するために、インフレの2次効果を爆発的に発生させようと試みているのだ。これについては日銀がはっきりと、「(日本は)デフレ的なノルムを克服することが必要」と述べている。わかりにくい言い回しを使っているが、要は「現在の物価は将来も変わらないのではなく、さらに高くなる」という思考を持つように、日銀が政策を通じて日本人を洗脳するという意味だ。これが日銀が円安を放置して緩和政策の継続にこだわる理由である。
今週の注目経済指標
今日の重要ブレークアウトレベル
コーンチャート分析
(荒地 潤)
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