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新NISAで中小型株!直近3カ月以内に大手が出資 TOB期待で売られにくい銘柄11選

トウシル / 2024年12月3日 18時10分

新NISAで中小型株!直近3カ月以内に大手が出資 TOB期待で売られにくい銘柄11選

新NISAで中小型株!直近3カ月以内に大手が出資 TOB期待で売られにくい銘柄11選

<指数パフォーマンス比較~バリュー株orグロース株どっち優勢?~>

11月の中小型株ハイライトは「久々に外国人参上!」

「トランプラリーどこですか?」月前半の中小型株は歯がゆい展開を強いられました。大接戦と目され、世界が注目した米大統領選は、ふたを開けてみると共和党のトランプ氏が圧勝。6日の東京市場では「トランプラリー」が加速しました。

 ただ、トランプラリーは米金利上昇、ドル高/円安となることから、内需株の多い中小型株は円安メリットを受けられず。中小型のグロース株でいえば、金利上昇を嫌うなんて解釈もでき、パッとしませんでした。決算発表シーズンを前にしていたこともあり、幕間つなぎ的に低位の材料株でデイトレするのがはやった程度でした(ベースフードやフルッタフルッタなど人気化)。

 ただ、月後半から雰囲気が変わってきました。先陣を切ったのは、グロース市場に上場する主力のカバー。決算発表を前に、一部米系証券の買い推奨レポート(目標株価3,900円と当時の株価の2倍以上!)をリリースしたことで急動意。

 そのカバーが市場期待を上回る好決算で、決算通過後に一段高となったのが印象的でした。カバー同様、決算通過後に良好な株価リアクションとなる銘柄が多くみられました。

 地合いが改善したことでいえば、月後半はトランプ氏の関税強化を宣言する投稿などもあり、「トランプ劇場」で振り回されることを市場が嫌悪。そうした場面では、(トランプラリーこそ無縁でしたが)トランプ劇場と距離を置ける日本の中小型内需株にお金が向きやすかったのかもしれません。

 11月は東証グロース市場がプライム、スタンダードの各指数をアウトパフォーム。東証グロース市場250指数は3カ月ぶりに月間プラスでした。肌感覚で「なんか良くなってきたかも」と感じる地合いには、データ上でも変化がありました。

 10月最終週から11月後半(開示分では11月22日時点まで)にかけ、東証グロース市場で外国人が明確な買い越し手口を残していたことが挙げられます。実に4週連続買い越しで、11月以降では3週連続で100億円以上の大幅買い越しとなっています。ここでの売り手は個人投資家。外国人が上値を買ってくれたことで、個人が戻り売りでポジションを軽くできたと想像できます。

 では、この間に外国人は何を買ったのか? これは、外国人が買い越しを続けた期間(10月第5週~11月第3週)に時価総額を増やした銘柄を調べると見えてきます。この期間で最も時価総額を増やしたのがカバー(当該期間の時価総額増加額は約680億円、期間騰落率70%)でした。

 その他、100億円以上増やした銘柄を挙げると、プレイド(同約260億円、67%)、GENDA(同206億円、11%)、トライアルホールディングス(同186億円、5%)、MTG(同160億円、27%)、アズーム(同116億円、32%)。ほとんどがこの間に決算発表し、決算発表前後で株価を大きく上昇させた銘柄でした。

 短期系の資金の可能性もありますが、決算を確認後にまとまった買いを持ち込んだ外国人…長くおざなりにされてきた日本の中小型グロース市場に関心が戻ってきたか?と前向きに捉えるなら、明るい兆しといえそうです!

新NISAで中小型株!今月の銘柄アイデアは TOBに思いをはせて…

 売買代金が激減(=人気が大幅低下)していた中小型株の市場ですが、(値動きが堅調化してきたからか)足元で上向いてきた点はポジティブ。東証グロース市場の1日当たり売買代金平均、10月が1,008億円と今年最低でしたが、11月は1,169億円に回復しています。

 そして、11月はプライム市場の小型グロース株は不調でしたが、グロース市場は相対的に好調に推移。良き流れで12月に入るわけですが…とりあえず12月は苦戦しやすいことから確認しておきましょう。

【12月】グロース市場の月間売買動向
単位:差引(億円)

 過去10年におけるグロース250指数(旧マザーズ指数)の12月の月間騰落率を見ますと、昨年まで6年連続マイナスでした。株にとって一番大きいのは「地合い」ですので、外部環境次第ではあるのですが、需給環境として「売りが強まりやすい」という独特の特性を持っているのが12月です。

 12月は節税目的の個人投資家によるロスカット(タックスロス・セリング)が出やすい時期です。含み損のまま保有してきた株を、損益通算の目的で年内に実現損益として確定(ロスカット)する投資家が増えます。

 これは、年末12月締めで税金を計算する個人投資家の行動に影響する話です。過去を見ても、12月は個人投資家が売り越しになる傾向があります。「個人が12月は節税売りをしやすい」というのは広く浸透していますので、買い手側が「節税売りが終わってから買っても遅くない」といった心理になる影響もあるかもしれません。

 この節税目的の売りには期限があります。年内の受け渡しとなる形で売却する必要があるので、売買の最終期限は12月26日(木)。また、節税目的の売りはロスカットです。現在含み損を抱えている投資家が多そうな株が売り対象ですので、「信用買い残が多い&株価が安値圏」といった銘柄に限る話。需給の悪そうな株は避けるのが無難といえそうです。

 そのほか、東証グロース市場250指数の12月パフォーマンスが悪い理由としては、IPO(株式の新規公開)が多いことが挙げられます。今年の12月IPOは17社で、そのうち12社が東証グロース上場の予定。

 IPOに資金が向かう(IPO株取得&初値以降のセカンダリー参戦)ことで、今上場している他銘柄の流動性が低下することが考えられます。IPOがいくら盛り上がろうが、指数に入るのは来年1月末ですので、理屈上は指数にマイナスといえます。

 12月IPOは26日の同日3社がピークで、27日が最終案件。IPOピークの26日が節税売りの期限でもあり、12月第4週のどこかで需給面で見た陰の極を迎えると想定されます。昨年は年内受け渡しの最終売買日(2023年12月27日)に大幅高で明確な底入れを果たしました。今年も前半は少し警戒、下がったところで拾う、これを基本スタンスとしておくのが良いのでは?

 さて、話は変わりますが、中小型株でもグロース株の見方を考え直させる大きな話題が11月末に飛び込んできました。11月29日に、グロース上場のウェルスナビを三菱UFJフィナンシャル・グループがTOBし、完全子会社化することが正式発表されました。

 先に報道があったため、発表日の29日にストップ高していましたが、その29日終値に対しても44%のプレミアムを付けたTOB価格に。ウェルスナビ自身がTOBに賛同の意見を表明しており、上場して約4年しか経過していませんが、TOB成立で上場廃止となりそうです。

 中小型株のパフォーマンスは今年も悪く、ウェルスナビも上場来安値圏で低迷していました。ただ、ニッチな分野ですでに高いシェアを持っていたり、自社に取り込むことでシナジーが見込める上場企業を買う動きは増加しています。

 グロース上場銘柄ですでに上場廃止となった事例では、例えばグッピーズが医療関連の人材サービスを手掛けるメドレーがTOB(プレミアムは86%)して上場廃止となりました。そのほか、ペイロールを米投資会社がTOB(同37%)、きずなホールディングスを同業大手の燦ホールディングスがTOB(同47%)し、いずれも上場廃止に。

直近で大手から出資を受けた中小型株
【条件】
(1)過去3カ月内に上場企業(傘下含む)と資本業務提携
(2)スタンダード、グロース上場
※時価総額大きい順

コード 銘柄名 時価総額(億円) 資本業務提携先
6034 MRT 4,111 伊藤忠商事
9556 INTLOOP 266 伊藤忠商事
6165 パンチ工業 109 ミスミグループ本社
5026 トリプルアイズ 104 GCジョイコHD
3653 モルフォ 91 ソニーグループ子会社
218A Liberaware 84 岡野バルブ製造
4398 ブロードバンドセキュリティ 66 IDHD
3541 農業総合研究所 60 NTT子会社
4412 サイエンスアーツ 47 楽天グループ、JVCケンウッド
6096 レアジョブ 38 学研HD
2999 ホームポジション 36 ケイアイスター不動産
※グレーの網掛けは東証スタンダード上場銘柄

 上場維持コストの上昇、公募増資による資金調達の難しさから、中小型株にとって上場の意義が薄れているとの見方ができます。そして来年3月末で上場維持基準の経過措置が終了します。そうした環境変化もあり、来年以降もTOBは増加しそうです。

 とはいえ、いつそうした発表があるのか?といったことは、内部の人にしか分からない話。こうしたカタリストも含んでいるという程度で見ていくしかありませんが…。TOBの手前でいえば、資本業務提携をしている場合が多いといえます。第三者割当増資などで大手企業に出資を受けるニュースも増えています。

 ここからTOBに発展するまでは時間もかかるでしょうが、最近の事例(過去3カ月以内に上場企業、もしくは傘下企業からの出資を受けたスタンダード、グロース銘柄)を挙げておきました。「TOBのニュースが突然出てきてもおかしくない会社だよね?」これだけでも、空売り抑止につながりますね!

(岡村 友哉)

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