10万円で買える日本株5選!残りのNISA枠を使い切るなら、内需株で為替変動に対応
トウシル / 2024年12月4日 18時0分
10万円で買える日本株5選!残りのNISA枠を使い切るなら、内需株で為替変動に対応
「米国の利下げ、日本の利上げ」の行方に注目
ついに師走に入り2024年も残り少なくなりました。トランプ次期大統領の一挙手一投足に市場がやや翻弄(ほんろう)されていますが、12月は日米中央銀行による「米国の利下げ、日本の利上げ」の有無に注目が集まっています。
日米中央銀行の結果発表次第で、為替市場はドルと円が上下に動く可能性がありますので、プライム市場の輸出関連銘柄は為替に翻弄されるでしょう。一方、グロース市場やスタンダード市場の内需株は、為替市場と関係が薄い業態が多いため、相対的に静かな推移となりそうです。
仮に為替が円安に振れても、外国人投資家の動きが鈍いため、今年の1~4月に見られたような「円安ドル高加速、大型株上昇で日経平均株価も上昇」という強い相場展開は想定していません。
大きなイメージは「円高ドル安に振れるとプライム市場の大型株は軟調、グロース市場やスタンダード市場の内需株は堅調で、円安ドル高であればその逆」といったところです。
慌てなくて大丈夫!新NISAは年内駆け込みの必要なし
そんな12月相場ですが、昨年までは、NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)の残った枠内で購入可能な低位株物色が話題になったことを記憶している方もいらっしゃるでしょう。これは旧NISAのお話で、新NISAは制度設計が少々異なります。
2024年1月から開始された新NISAの年間投資上限額は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円で、両者を併用すると年間最大360万円まで非課税投資が可能となります。
トータルで1,800万円が新NISAの上限金額となりますので、単純計算しますと360万円×5年で上限金額に達することとなりますが、新NISAは恒久化されましたので「20○○年までに枠を使う必要がある」という制度設計ではありません。
基本的に新NISAの制度は恒久化されていますので、年末に余っている投資枠を駆け込みで使わなくても、トータルで使える1,800万円用意する必要性はない、ということです。ご自身のライフプランに沿った投資を行うことが可能ですので、新NISAの場合、慌てて投資枠を使用するようなことは考えなくてもいいということです。
それでも今年中に残りのNISA枠を使い切りたい人は
NISAの投資枠を年内に使い切るメリットは、早期に投資元本を増やし、投資期間を長くすることで複利効果の恩恵を最大化できるという点です。
年間で非課税投資できる上限額360万円(つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円)は変わらないため、今年使わずに残した非課税枠を来年に繰り越すことはできません。「トータル1,800万円の投資枠を最短の5年間で使い切りたい」という方は、年内に残りの枠を使い切ることを検討した方が良いでしょう。
注意してほしいのは、この記事が「成長投資枠240万円の上限まで投資をしましょう」という主旨ではないということです。来年以降、5年以上かけてゆっくり投資枠を消化すればいいお話ですので。今回は「成長投資枠240万円がまだ残っていて、12月に何か少し投資しようかな」といった方向けのお話です。
今回紹介する銘柄は、投資資金を10万円以内に設定して選びました。12月は17~18日にFOMC(米連邦公開市場委員会)、18~19日に日本銀行による金融政策決定会合がそれぞれ開催されますので為替が上下に動く可能性があります。
円安ドル高になれば輸出関連銘柄の一角が買われるかもしれませんが、それではNISAの根本的な考えとは異なる「短期的な賭け」みたいな状況になってしまいますので、為替の影響を受けにくい堅調な業績推移が確認できる内需株をベースに5銘柄を抽出しました。
銘柄名 | 証券コード | 株価(円) (12月4日終値) |
特色 |
---|---|---|---|
ケアサービス | 2425 | 837 | 超高齢化社会で通所介護サービスが堅調 |
じげん | 3679 | 529 | M&A積極的で業容拡大に期待 |
鎌倉新書 | 6184 | 542 | 終活サービスで業績は堅調推移 |
カーブスHD | 7085 | 833 | 元気なシニアをターゲットとした戦略が奏功 |
コスモスイニシア | 8844 | 823 | 脱デフレで不動産業が見直される展開に |
※HDはホールディングスの略
ケアサービス<2425>
東京23区を中心に通所介護サービスを展開しています。働き方改革の一環で通所介護サービスの日曜日の稼働は休止しましたが、業績は好調に推移しています。2025年3月期を含め3期連続で各利益は10%超の増益を見込んでいるほか、連続増配も行っており、労働環境の改善に努めるだけではなく、しっかりとした業績も残しています。
なかなか注目が集まりにくい業態ではありますが、超高齢化時代の中必要な業態ですので中長期的な成長が可能と考えます。
じげん<3679>
求人や不動産情報の検索サイトを運営しています。働き方改革や最低賃金の引き上げなどが影響して求人市場は活況。業績は好調に推移しており、2025年3月期を含め3期連続で各利益は10%超の増益を見込んでいます。
M&Aも積極的に行っており、2024年8月に保険情報サイトの保険マンモスを連結子会社化しました。今後もM&Aを活発に行う方針を掲げておりますのでさらなる業容拡大に期待します。
鎌倉新書<6184>
葬儀や仏壇、相続など終活に関連する日本最大級のポータルサイト「いいお墓」を運営しています。市場の関心が向かいにくい業種ではありますが、超高齢化社会の日本では引き合いは徐々に増加すると考えます。
派手さはありませんが、業績は好調に推移しており、2025年1月期を含め4期連続で各利益は10%超の増益となっています。大幅な増収増益期待は低いとみていますが、市場環境を考慮しますと、中長期的には右肩上がりの業績推移が期待できると考えます。
カーブスホールディングス<7085>
シニアの女性をターゲットとしたスポーツセンターを展開しています。2025年8月期の店舗数は2,000店舗ほどを見込んでおり、会員数もじりじりと増加しています。堅調な業績推移で、2025年8月期を含め5期連続で各利益は10%超の増益となっています。今後は、男性向け店舗など新規ビジネスも検討しており、拡大するシニアマーケットを背景に業容拡大も期待できます。
コスモスイニシア<8844>
分譲マンションや収益マンションの販売のほかホテル事業などを展開しています。マンション価格高騰やホテルの客室単価の上昇などが影響して、足元の業績は好調に推移しており、2025年3月期を含め3期連続で各利益は10%超の増益となっています。
今後は、日本銀行が徐々に利上げをする可能性が高まっており、「脱デフレ」が意識されつつあります。インフレの時代となれば不動産価格の上昇も期待できることから、同社も見直されると考えます。
(田代 昌之)
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