［穂高唯希さん］新NISA1年目を自己採点＆2025年の戦略を公開！

回答してくださった方：穂高唯希さん

▼プロフィール 　14歳で金融に興味を持ち、慶應義塾大学在学中、北京大学に留学。卒業後、大手企業に就職、入社当日セミリタイアを計画。給与の8割を高配当株・連続増配株に投資し、金融資産7,000万円を達成。2019年30歳でFIREを実現するまでを実況したブログ「三菱サラリーマンが株式投資でセミリタイア目指してみた」が注目を集め、同じような希望を持つ多くの人々から支持を得る。現在はFIREムーブメントの第一人者として新聞・TVなど多数メディアで取り上げられる。会社に縛られない生き方や、社会に貢献する公益投資など、新しい人生観を提唱。 ブログ：三菱サラリーマンが株式投資でセミリタイア目指してみた 著書：「本気でFIREをめざす人のための資産形成入門 -30歳でセミリタイアした私の高配当・増配株投資法-」、「経済・精神の自由を手に入れる主体的思考法 #シンFIRE論」 X：@FREETONSHA（フォロワー数約9万）

新NISA1年目！自分を採点するとしたら？

年前半は大胆に攻めて勝利、後半は暴落で損益を被った1年に

スピード：5段階中の4。しばらく様子見をして、夏ごろ、成長投資枠のみで新NISA（ニーサ：少額投資非課税制度）を始めました。結果的に好ましい時期に欲しい銘柄をきちんと買うことができました。

 

資金力：5段階中の5。満額の240万円をしっかり投資に行く力できたので不満はありません。

 

銘柄選び力：5段階中の4。そもそもの自分の投資方針が「配当積み上げ」を核とした方針。それにのっとり、株価低迷により配当利回りが9％近くまで高まったブリティッシュ・アメリカン・タバコ（BTI）に満額投資しました。2017年ごろから保有していた銘柄の買い増しです。減配リスクを念頭に置きつつも売られすぎている可能性に賭けてよい水準であると感じた決断です。

 

旧NISA対策：5段階中の4。特に大きな理由がない限り売らずにホールドしています。旧NISA枠で保有している銘柄は、配当を順調に積み上げており、非課税期間が終了するまではホールドし続ける予定。新NISAが始まってもスタンスは変わりません。

 

8月の暴落時の対応力：5段階評価の2。当時は信用取引をしていたので、暴落局面でリスクを軽減する必要性に迫られ、いったん売却した銘柄がありました。

 

総括：「みんながやってるから」に流されず、自分の信念を貫けた！

　2024年前半は、信用取引も活用して大胆に攻められたので、利益を大きく伸ばすことができました。年後半は、相場が横ばい気味であったため、信用取引を活用しても、後半の損益が低迷。

　ただ、現在はFIREしており、ある程度満足のいく資産額を保有しているので、以前ほど資産形成に注力する必要性を感じていなかったため、新NISAに対する期待感はさほど大きくはなかったと言えます。

　そもそも「多くの人と同じ行動をすることには慎重でありたい」という感覚が常にあるため、しばらく様子見をして、夏ごろにスタート。周りのみんながやっているから、と焦らずに自分の投資スタンスを貫けたので満足しています。

新NISA、2025年の戦略は？

「今」を存分に楽しむための手段の一つとして活用予定

　これまでと同様に、いろいろな投資手法を試したくなれば試す…など、自分の意向とマーケット動向に合わせて、臨機応変に枠を使っていきたいと思っています。ただ、2023年後半から2024年の秋ごろまでは、人生初の信用取引で攻め、成功と失敗の両方を経験し、一定程度の経験を積んだことで、自分のリスク許容度をあらためて知ることができました。それをふまえて、2025年は、「リスクをとる量の調整」をしていくのが課題です。

　私が「FIRE」を目指した理由にも回帰しますが、将来資産の最大化よりも、今現在の若い時期に、心おきなくお金も使いながら、人生を味わうことを念頭に置きたいと考えています。新NISAは非常にいい制度ですが、みんながやっているからといって歩調を合わせるつもりはありません。お金とは適切な距離感で、お付き合いをしていきたいと思っています。

2025年、新NISA枠で買う予定の銘柄

ブリティッシュ・アメリカン・タバコ（BTI）

　新NISA開始前から保有している銘柄です。高配当銘柄をしっかり保有することが「資産収入を増やす」というFIREの鉄則。現在は株価が低迷し、配当が9％超えと、配当力の高い銘柄になっています。今後も株価や配当利回りをしっかりと押さえつつ、高配当銘柄は新NISA枠かどうかにこだわらず、高配当銘柄を積み上げて、資産収入力を増やしていく予定です。

SBIホールディングス（8473）

　仮に株価が下押す局面があれば、下落理由を慎重に吟味する予定ではあるものの、積極的に買い増したい銘柄です。株主総会に出席したのですが、事業領域に優位性と独自性があることに加え、ありがちな株主総会とは一線を画した、会長の人生論や哲学などが熱く伝わるトークに感銘を受けてブログにもレポートを書きましたが、昨年から主力株の一角に据えていてよかった、と確信する機会になりました。

トウシル編集部が注目！穂高唯希さんのココがスゴイ！ 　取材や対談などで何度かお世話になっている穂高さんですが、どの取材を通しても、とにかく「自分で見たもの、感じたものだけを信じる」、という筋が一本通っていてブレない方です。今回も新NISAに湧く世間を尻目に「本当のところ、どうなのか」を自分で体感するまでは座して動かなかった、という、浮ついていない、ブームに流されない点がスゴイ。そして、「お金は貯めるものではなく使うもの。新NISAはそのための手段の一つにすぎない」と俯瞰（ふかん）している点も、感じ入るところがあります。 　もちろん新NISAは非常によい制度であることは確かなのですが、始める理由、続ける理由が「みんなやっているから」ではなく「その先にある自分の目標をかなえたいから」であってほしい、とトウシル編集部も考えています。

＞長期株式投資さん（配当投資の達人）の記事を読む！ ＞たぱぞうさん（米株メインの投資家）の記事を読む！ ＞りさぱんさん（優待メインの投資家）の記事を読む！ ＞HERE！穂高唯希さん（日本株メイン、FIREのパイオニア）の記事を読む！ ＞ミニマリストゆみにゃんさん（ミニマリストの達人）の記事を読む！

（トウシル編集チーム）