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中国消費セクター:2025年の展望

トウシル / 2024年12月20日 16時0分

中国消費セクター:2025年の展望

中国消費セクター:2025年の展望

「バズーカ」級の国内刺激策が必要、大手には海外開拓が有望

 中国では2024年もコロナ禍の長期化による影響が残り、人々の消費意欲の低迷が目立った。中国政府はすでに、地方政府債務と消費の両面からテコ入れ策を導入しているものの、BOCIは2025年も引き続き、政府がいつ、いかにして消費の回復に取り組むかが市場の焦点になるとの見方。仮に大型刺激策が導入されなければ、今回の裁量消費の下降サイクルは2010年半ばの類似期に比べ、さらに厳しいものになるとした。中国には依然、成長余力があるものの、今後はイノベーションの重要性がさらに増すとの見方だ。一方、中国の大手消費企業にとって、海外市場の開拓は比較的容易であるとの見解。イノベーション力の高さと海外展開に目を向け、安踏体育用品(02020)、申洲国際集団(02313)、海爾智家(06690)、トリップ・ドットコム(09961)、ポップマート(09992)を裁量消費セクターのトップピック銘柄としている。

 2024年には消費の回復が着実に進んだものの、市場予想より鈍いペース。一般的に、中国人消費者はコロナ禍前より、消費に対して理性的になった。BOCIは2024年の経済、雇用情勢を踏まえ、より多くの消費者がこの先、節約志向を強める可能性を指摘。2025年の雇用指標が微妙な数字である限り、消費の萎縮が続くとみている。

 2024年には下期に買い替え補助金政策が導入され、対象品目となった家電などの売り上げは前年同期比で好調に推移した。仮にこの措置が2025年に入って延長されなければ、対象品目の売り上げは年後半に鈍化する見込み。対象外の品目に関しては、このまま政府の消費支援方針が続く限り、下期に回復傾向を示す可能性があるという。

 BOCIによれば、現在の消費サイクルは反腐敗運動のあおりで高級品消費が萎縮した2013-15年と類似している。当時、高級品需要が回復するまでに要した時間は3-4年。BOCIは今回の景気サイクルはより厳しいとの認識であり、消費者はさらに節約志向を強め、小売事業者は現状への適応を迫られるとみる。

 政府がいかに消費の回復を図るか市場が注目する中、2025年の消費セクターの主要テーマとなり得るのは、直接・間接的な政策支援が期待できる家電と、同じく支援が期待できる旅行部門。それぞれ海爾智家とトリップ・ドットコムが代表的な恩恵銘柄となる。

 また、地政学リスクが存在するとはいえ、消費大手にとっては海外向けビジネスが有望。新興国での事業展開においては申洲国際集団、海爾智家、トリップ・ドットコム、ポップマートが有力銘柄となる。ほかにスポーツウエアの国内最大手、安踏体育用品も海外開拓を目指しており、これが同社株へのプラス材料となる可能性がある。

 一方、レーティング面の潜在リスク要因として、BOCIは原材料高騰による利益率の低下、消費者心理のさらなる悪化、購買力の予想外の低下、地政学的緊張による輸出および海外ビジネスの後退などの可能性を挙げている。

(Bank of China int.)

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