今夜のFRB利下げは「スラムダンク」! 今回で利下げ終了も?
トウシル / 2024年12月18日 10時3分
今夜のFRB利下げは「スラムダンク」! 今回で利下げ終了も?
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは154.35円
↓下値メドは152.90円
M&A:「わが国にもっと投資して」というくせに,企業買収をしようとすると「外国人が国の資産を買うとは何事か」と文句をいう
給料:本当に重要なことは、給料アップが消費の強化につながるかどうかである
経済:破滅的な経済ナショナリズムと、建設的なローカライゼーションを区別する必要がある
中央銀行:政策は1年から1年半のラグがあることを理解するべき
南ア:ラマポーザ大統領が中国EVメーカー工場を誘致
前日の市況
12月17日(火曜)のドル/円相場の終値は153.54円。前日終値比0.61円の「円高」だった。今週初めは、FRB(米連邦準備理事会)の利下げペース鈍化の見方や日本銀行の追加利上げ見送り観測でドル高/円安が進んだが、この日は調整で円高に動いた。
2024年252営業日目は154.13円からスタートして東京時間朝に154.34円まで上昇したが、前日の高値(154.48 円)を超えることなく失速した。海外市場では日米の金融政策決定会合を控えてポジション調整と見られる動きで、未明に前日の安値(153.32円)を抜けて153.16円まで下落した。その後は153.50円前後まで戻して引けた。24時間のレンジ幅は1.18円。
スラムダンクとは、バスケットボールのプレイヤーがボールを高く掲げ、力強くゴールに打ち込む動作。 一般に最も確率の高いショットであることから、確実に実行することを指す表現としても用いられる。
今夜(日本時間19日明け方)にFOMC(連邦公開市場委員会)は政策金利を発表するが、マーケットは0.25%の追加利下げは「スラムダンク」だとして、関心は新たに公表される経済見通しとドットチャートに移っている。9月時点では来年4回の利下げが見込まれていたが、最近の米連銀総裁の発言からはその回数が減少する可能性も示唆されている。
日本銀行は明日19日の金融政策決定会合で、政策金利の据え置きを決定する見込み。国内需要の伸び悩みや海外経済の減速を考慮し、追加利上げは急がないとの見方が強まっている。2025年以降の利上げペースについての見解が求められている。
BOE(英中央銀行)は、19日の政策会合で、英国のインフレ指標が高止まりしていることを理由に政策金利の据え置きが予想されている。
ドル/円 サポートとレジスタンス、ブルベア転換点
レジスタンス:
155.03円 11/22
154.72円 11/25
154.49円 11/26
154.48円 12/16
154.34円 12/17
サポート:
153.16円 12/17
152.45円 12/13
151.80円 12/12
151.01円 12/11
150.90円 12/10
2024年 主要指標 終値
今日の為替ウォーキング
今日の一言
それぞれの個人には、この世でやるべき仕事がある。その仕事を見つけられるどうかが、生涯において最も重要なことだ - ナサニエル・ホーソーン
More Than A Woman
FRBが金融政策の運営において課せられている法的使命は「物価の安定」と「最大限の雇用」の達成であり、これはFRBのデュアル・マンデートと呼ばれている。
デュアル・マンデートを具体的な数字で示すならば、「物価の安定」とは、コアPCEが2.0%の水準だ。
PCE(個人消費支出)は、米国の家計が購入した財やサービスを集計した経済指標のことである。そのうち変動の激しい食品とエネルギーを除いた数字をコアPCEという。「雇用の最大化」とは、失業率がNAIRU(Non-Accelerating Inflation Rate of Unemployment:非加速的失業率)の水準で、FRBはこれを4.0%前後と見積もっている(10月失業率 = 4.0%)。
米国の労働市場は、ほぼ完全雇用の状態だ。「雇用の最大化」を達成したFRBの、次なる使命は「物価の安定」である。FRBの理想は、「失業者を出さずにインフレ目標を達成する」ことである。すなわち労働市場を動揺させることなくインフレ率を下げることだが、その実現は非常に困難だ。
11月のCPI(消費者物価指数)は前年比2.6%で、2022年6月のピーク時に比べて1/3以下になった。インフレ率はエネルギー価格の影響が大きい。しかし原油価格が今後も下落するという保証はないし、FRBが価格をコントロールすることもできない。一方で賃金上昇率は4.0%以上で高止まっている。賃金と物価の上昇スパイラルが起きる可能性は常にある。
FRBはインフレとの戦いに勝利できるのか?もしFRBがコアPCEに注目しているならば、決してそうとはいえない。しかしこれ以上高金利を維持することは景気を悪化させるリスクが高いとして、FRBは利下げの道を選んだ。つまり、今後のインフレ抑制は、金利ではなく、労働市場の大幅調整に頼るしかない。「物価の安定」という使命を達成するために、今度は「雇用の最大化」を犠牲にすることになるだろう。
今週の注目経済指標
重要ブレークアウトレベル
コーンチャート分析
(荒地 潤)
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