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2021~2023年の売却損をチェック!年内にやっておきたい税金対策

トウシル / 2024年12月21日 11時0分

2021~2023年の売却損をチェック!年内にやっておきたい税金対策

2021~2023年の売却損をチェック!年内にやっておきたい税金対策

税金という「コスト」を意識していますか?

 株式投資で利益を上げた場合、当然ながら税金がかかります。NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)口座であれば非課税となりますが、通常の口座(特定口座・一般口座)であれば配当金や売却益に対して課税がされます。

 実は株式投資をしていく上で、この「税金」と正しく付き合っていくことが極めて重要です。税金の知識をしっかり持つことにより、余計な税金を支払うことを防いだり、税金をコントロールしたりすることができるからです。

 税金は運用成果からマイナスされる、いわば「コスト」です。このコストをできるだけ最小化するために、税金の知識をしっかり身に着けることが必要なのです。

2021~2023年に売却損が生じていなかったか、および申告しているかを確認

 2024年のうちにやっておきたいこととして、まず2021~2023年の間に、株式投資で売却損が生じていなかったかどうかを確認してください。特定口座を使用している場合は、「特定口座年間取引報告書」の記載をみれば、それぞれの年ごとに売却損が生じていたのか、それとも売却益が生じていたのかが分かります。

 もし2021~2023年の間に売却損が生じている場合は、それぞれ確定申告により売却損の繰り越しをしているかどうかを確認してください。

 年間を通じて売却損が生じている場合は、たとえ源泉徴収ありの特定口座であったとしても、自らが確定申告をして損失を繰り越すことをしなければ、翌年以降の利益と相殺して税額を減額させることができないのです。

 源泉徴収ありの特定口座のケースであれば、確定申告にて売却損の繰り越しをしていないことが判明した場合、確定申告そのものをしていなければ、今からでも確定申告をすることで売却損の繰り越しができます。

 ただし、確定申告はしていたけれども、売却損の繰り越しをするのを失念していた、という場合は売却損の繰り越しをすることはできませんので十分に注意してください。

2024年の損益の把握

 次に行うのが、現時点での2024年の損益の把握です。損益には売却損益と配当金がありますので、その両方を把握します。

 売却損を確定申告により繰り越している前提でお話すると、2021年から繰り越している売却損があるかどうかでやるべきことが変わってきます。

 2021年から繰り越している売却損がなければ、2024年の損益がプラスでもマイナスでも特段対策をとる必要はありません。成り行きで年末まで過ごせば大丈夫です。

 もし2021年から繰り越している売却損がある場合、現時点での2024年の損益との比較をしてください。2021年から繰り越している売却損は、2024年までに利益と相殺しなければ切り捨てになってしまい、節税効果を享受できなくなるからです。

 2021年の売却損より、2024年の利益が大きい場合は、2024年の利益で2021年の売却損を全て相殺できますので問題ありません。

 2021年の売却損より、2024年の利益が小さい場合、もしくは2024年が損失の場合は、保有している含み益がある銘柄の売却により利益を実現させ、2021年の売却損と相殺できないかどうか検討してください。

 2024年に売却すれば、売却益は2021年の売却損との相殺分だけ課税されませんが、2025年以降に売却した場合、2021年の売却損が切り捨てになるので、相殺ができず課税されてしまうからです。

利益を翌年以降に持ち越すことができる「ウラ技」とは?

 最後に1点、利益を翌年以降に持ち越すことができるウラ技をご紹介します。

 自営業者の方など、国民健康保険に加入されている方の場合、株式投資による利益が大きくなると、その分国民健康保険料がアップします。

 源泉徴収ありの特定口座を使っていて確定申告をしなければ、いくら利益が生じても国民健康保険料には影響ないのですが、問題は過去から繰り越している売却損と相殺するために、2024年の利益を確定申告する場合です。

 例えば2021年の売却損100万円、2024年の利益120万円、といった場合は差額の20万円が国民健康保険料の増額に影響します。

 2021年の売却損100万円、2024年の利益500万円であれば、差額の400万円が国民健康保険料の増額に影響するのです。

信用取引を活用して国民健康保険料の増額を抑える

 2021年の売却損100万円、現在までの2024年の利益120万円というケースで考えてみましょう。

 今、含み益500万円を抱えている株をもっているとした場合、これを2024年中に売却すると、利益は計620万円となります。

 確定申告することにより、2021年の売却損100万円と相殺され、その分だけ売却益の税金は安くなりますが、一方で国民健康保険料の増額に影響する利益も大きく増加してしまいます。

 このケースだと、2021年の売却損100万円との相殺による節税額より、国民健康保険料の増加額の方が多くなってしまうのです。

 実はこれを避ける方法があります。それは「信用取引の空売り」を使うというものです。含み益500万円を抱えている株をそのまま2024年に売却すれば500万円が実現しますが、売却せずにそのまま保有し続けます。その一方で同じ株を同じ株数だけ空売りして、両建てにします。

 こうすれば、同数量の買いと売りのポジションが構築されるので、その後株価がどう動いても損益の変動はなく、売却したのと同じ効果が得られます。

 その後、2025年になってから現物株の売却と空売りの買戻しを行えば、利益を2025年に繰り延べることができます。源泉徴収ありの特定口座であれば2025年に利益を実現させて、これを確定申告しないで済ませれば、国民健康保険料への影響もなくせます。

(足立 武志)

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