5万円で買える日本株5選!NISAで長期投資なら、為替の影響を受けにくい銘柄を
トウシル / 2024年12月18日 19時0分
5万円で買える日本株5選!NISAで長期投資なら、為替の影響を受けにくい銘柄を
米金利0.25%の引き下げが確実か。日銀の利上げ可能性は?
12月4日の「10万円で買える日本株5選!残りのNISA枠を使い切るなら、内需株で為替変動に対応」に続きまして、今回は投資金額をもう一段引き下げて「5万円で買える日本株5選!」をご紹介したいと思います。
その前に17~18日にFOMC(米連邦公開市場委員会)、18~19日に日本銀行による金融政策決定会合が開催されますので、少しお話ししたいと思います。
12月に発表された11月の米雇用統計や消費者物価指数の結果を受けて、12月FOMCでは「0.25%利下げ」のコンセンサスがほぼ固まっています。市場は既に「2025年以降、FRB(米連邦準備制度理事会)がどの程度、利下げを考えているのか?」と先々の話に関心が向かっています。
一方、日銀会合に対しては、12月の0.25%利上げ実施の可能性は五分五分といったところです。
今回の日銀会合は議論が紛糾することから、19日の結果発表の時間は遅くなるでしょう(主だった中央銀行の結果発表は時間が決まっているのですが、日銀は未定なのです。私が知る限りですが、中央銀行の結果発表時間が未定なのは日本以外だと南アフリカ準備銀行ぐらいかと思います)。
9月の終了時間は11時45分、10月は11時41分で、ランチタイムに結果が伝わりました。9月、10月ともに「前回会合の方針を維持」という結果でしたが、「国債買入額の減額と利上げ」を発表した7月の終了時間は12時49分でした。
植田和男日銀総裁の体制になって最初の日銀会合となった2023年4月は「前回会合の方針を維持」を発表しつつ「金融緩和策のレビューを行う」ことを決定したことなどから12時53分に終了しました。植田体制となって一番遅い終了となったのがこの2023年4月です。
過去の植田体制での終了時間を整理しますと
(1)「前回会合の方針を維持」…2023年6月、9月、12月、2024年1月、4月、9月、10月
(2)「金融政策の変更など何かしらを決定」…2023年4月、7月、10月、2024年3月、6月、7月
となります。終了時間を平均しますと(1)が、11時50分、(2)が、12時31分となります。
つまり、11時50分を過ぎると「何か決定するのではないか?」「利上げ?」といった思惑が高まり、先物市場や為替市場がざわつく可能性があります。為替市場では「円安」が進み、先物市場では多少「円安に伴い買い」といったリアクションが見られるかもしれません。
市場関係者の関心が非常に高いことから、個人投資家も日銀会合の結果発表を受けて一喜一憂するかもしれません。ただ、ごく短期的な動きですので、個人投資家の方々は横目に見るぐらいがちょうど良いかと思います。
極端な話をしますと、12月に利上げしなくても、年明け1月もしくは3月、4月ぐらいには0.25%の利上げを実施するでしょうから、10年、20年の長い期間で投資を考えますと小さな話(誤差の範囲内)です。
著名なエコノミストやアナリストですら「五分五分」と分からない利上げのタイミングに神経をすり減らすよりも、12月利上げの有無にさほど影響を受けない成長性が期待できる中小型の内需株を調べている方がよっぽど有意義かと思います。
5万円で買える日本株5選!NISAで長期投資なら、為替の影響を受けにくい銘柄を
ということで、冒頭のお話に戻りますが、NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)で5万円ほどの少額投資を、比較的長めな年末年始休暇期間に検討してみてはいかがでしょうか?
年末に駆け込みでNISA枠を消費する必要がない点は、12月4日の「10万円で買える日本株5選!残りのNISA枠を使い切るなら、内需株で為替変動に対応」にてご説明していますので、そちらをご覧ください。
今回紹介する銘柄は、投資資金を5万円以内に設定して選びました。為替など外部環境の影響を受けにくい堅調な業績推移が確認できる内需株をベースに5銘柄を抽出しました。
銘柄名 | 証券コード | 株価(円) (12月18日終値) |
特色 |
---|---|---|---|
中広 | 2139 | 438 | 内需拡大に伴う地場求人件数増加に期待 |
アスコット | 3264 | 199 | 脱デフレで不動産に注目 |
アイスタイル | 3660 | 474 | 「@cosme」は今年25周年で会員数1,000万人突破 |
カナミックネットワーク | 3939 | 501 | 介護、医療DX化が追い風に |
鉱研工業 | 6297 | 475 | 国内地熱発電の拡大に期待 |
中広<2139>
岐阜県など中部地域を中心に地域密着型無料情報雑誌の広告枠の販売を展開しています。景気に左右される業態のためコロナ禍は厳しい状況でしたが、足元は持ち直しており、2025年3月期を含め2期連続で前期比10%超の増収増益を見込んでいます。
今後は「脱デフレ」が意識されることから、内需拡大に伴う地場求人の活発化によって広告枠増加が期待できるでしょう。今後、中部地域以外の関西、関東で広告件数が増加するか注目します。
アスコット<3264>
東京23区を中心にマンション開発や収益用不動産の販売などを展開しています。2025年は「脱デフレ」への意識が強まることで不動産など内需株に関心が向かうと考えます。
首都圏ではマンション価格の上昇に注目が集まっていますが、都心のテナント空室率も低下するなどコロナ禍のダメージは回復しつつあります。利上げ実施で不動産株にネガティブなムードはありますが、「脱デフレ」のポジティブなムードへの転換に期待します。なお、2025年9月期を含め2期連続で前期比10%超の増収増益を見込んでおり、業績は堅調に推移しています。
アイスタイル<3660>
化粧品・美容情報サイトの「@cosme」を運営しています。1999年にサービスを開始した@cosmeは今年25周年の節目を迎え、会員数は1,000万人を突破しました。月間訪問者数は1,780万人と20代から30代の女性の過半数に毎月利用されているなど圧倒的なユーザーを抱えています。
足元、好業績が続いており、2025年6月期を含め2期連続で前期比10%超の増収増益を見込んでいます。圧倒的なユーザーをベースに今後も堅調推移が続くでしょう。
カナミックネットワーク<3939>
子育て支援や、介護業務支援、医療介護連携支援などシステム提供を行っています。子育て支援はもちろんのこと、介護、医療に関しては「働き方改革」がようやく浸透したことでDX(デジタル・トランスフォーメーション)化が加速しています。
同社への引き合いが増加していることから、2025年9月期を含め9期連続で前期比10%超の増収増益を見込むなど、長い期間、安定した業績拡大が続いています。
鉱研工業<6297>
温泉や地熱発電の掘削などボーリング事業を展開しています。足元の業績は、2025年3月期を含め2期連続で前期比10%超の増収増益を見込んでおり堅調に推移しています。
日本の地熱発電の割合はわずか0.3%程度(2023年度)ですが、日本は2,347万kw相当を有する世界3番目の地熱資源大国です。
火山帯の多くが国立公園内にあるなどさまざまな障壁はあるでしょうが、クリーンなエネルギーで再生エネルギーの一つである地熱発電に、いずれスポットが当たると考えます。2025年中にスポットが当たるかは分かりませんが、注目したい銘柄と思っています。
(田代 昌之)
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