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2025年の日経平均、年末4万4,000円を予想する理由(窪田真之)

トウシル / 2024年12月30日 8時0分

2025年の日経平均、年末4万4,000円を予想する理由(窪田真之)

2025年の日経平均、年末4万4,000円を予想する理由(窪田真之)

 今日は、2023年12月28日に出した「2024年日経平均予想」のレビューを行います。それとともに、改めて「2025年の日経平均予想」をお伝えします。

「2024年の日経平均予想」振り返り

 最初に、私が2023年12月28日のレポートに出した「2024年の日経平均予想」をご覧ください。

2024年の日経平均予想(2023年12月28日レポートのグラフ再掲)

2024年の日経平均予想(2023年12月28日レポートのグラフ再掲)
出所:2021~2023年の日経平均はQUICKより作成、2024年日経平均は2023年12月28日時点の筆者予想

 上のチャートに示した「2024年日経平均予想」を作った理由について、2023年12月28日のレポートに、以下の通り、書いています。

2024年の日経平均予想の根拠を述べた部分:2023年12月28日「3分でわかる!今日の投資戦略」より、引用

 日本の景気・企業業績の緩やかな拡大が続き、2024年末に日経平均は3万7,000円まで上昇すると予想しています。ただし、年前半は強弱材料が対立して、乱高下が続くとみています。2024年前半は、以下の強弱材料が対立すると予想しています。

【強材料】
【1】日本および世界景気の緩やかな拡大が続く期待
【2】(米景気減速にともなう)米金利の低下


【弱材料】
【1】円高(米金利低下・日本の金利上昇により円高が進むと予想)
【2】米景気の冷え込みがきつくなる不安

 2024年後半になると、世界景気の緩やかな回復が続く中、日本の企業業績の緩やかな拡大が続くことを好感し、日経平均は上昇すると予想しています。

※レポート全文は、以下からお読みいただけます。
2023年12月28日:2024年の日経平均、年末3万7,000円を予想する理由

 続いて、上記グラフに、2024年の日経平均株価の実際の動きを加えたものをご覧ください。

2024年の日経平均:予想と実際の動きを比較

2024年の日経平均:予想と実際の動きを比較
出所:2024年の日経平均予想(赤のライン)は、2023年12月28日に出した筆者予想。青のラインは実際の日経平均推移

 2024年の日経平均は、私の予想を上回るペースで上昇しました。8月には、歴史的な急落・急騰があり、大荒れの年でした。

 私の予想で、世界および日本の景気の緩やかな回復が続くという見方は正しかったものの、日経平均は、予想とは異なる動きとなりました。7月4日に、私は年末の日経平均予想を4万2,000円に引き上げましたが、それも正しくありませんでした。景気・企業業績の見通しは正しかったものの、日経平均の予想は外した年となりました。

2025年の日経平均予想

 私は、2025年の日経平均は「前半、トランプ次期政権への不安で売られるが、後半に上昇して高値を更新する」と予想しています。1ドル=140円台へ緩やかな円高が進むものの、東証プライムの純利益は円高をこなして一桁台の増益が続くと予想しています。

2025年の日経平均予想:日経平均の実際の動きは2024年1月5日~2024年12月27日

出所:2022~2024年の日経平均はQUICKより作成、2025年は筆者予想

東証プライム上場3月期決算、主要841社の連結純利益(前期比)

出所:楽天証券経済研究所予想

 2025年は、日本株にとってどんな年になるでしょうか? 私は、米景気はソフトランディングに向かい、日本の景気・企業業績も緩やかな拡大が続くと予想しています。

 そうした環境下、日経平均は年末4万4,000円まで上昇すると予想しています。ただし、一本調子の上昇が続くとは考えていません。年前半は、大波乱が待ち受けていると思います。

 1月20日にトランプ氏が米大統領に就任します。かねてより予告している通り、対メキシコ、カナダ、中国など輸入関税を一斉に引き上げると、世界的な株価急落を招く可能性もあります。もし予告通りメキシコに25%の輸入関税を課すと、メキシコで生産した自動車を米国に輸出しているトヨタ、ホンダ、日産、マツダは大きなダメージを受けます。

 輸入関税を引き上げると、米国も無傷ではいられません。米国で生活必需品の価格が一段と上昇し、インフレ再燃、金利上昇、消費減退を招く可能性があります。そうなると、米国株も下がることになるでしょう。年初、トランプ・リスクとして、特に以下四つのリスクに注意が必要と考えています。

【1】米国による輸入関税引き上げ・米中対立激化リスク
【2】米インフレ再燃・金利上昇リスク
【3】米国によるパリ協定離脱のリスク
【4】不法移民強制退去に伴うリスク

 もう一つの心配事は、円高リスクです。2024年は円安がどんどん進みましたが、2025年は緩やかな円高に反転する可能性があると考えています。

 ドル/円為替レートを動かす最大のファクターが、日米金利差であることは変わりません。これまで長年にわたり、日米金利差が拡大すると円安となり、日米金利差が縮小すると円高になるトレンドが続いてきました。2024年は、米利下げ・日本銀行利上げによって、金利差は縮小しました。

 ところが、それでも2024年は円安が進みました。金利差が縮小したとは言ってもまだ金利差が大きく、ドル買い需要が大きく、円安が進みました。

ドル/円為替レートと日米2年金利差:2019年末~2024年12月27日

出所:QUICKより楽天証券経済研究所作成

 2025年はどうでしょう? FRB(米連邦準備制度理事会)がさらに利下げ・日銀が利上げして、日米金利差が縮小すれば、円高に反転することが考えられます。

 ただし、急激な円高は想定されません。FRBの利下げピッチは遅く、日銀の利上げピッチも遅くなる可能性があるからです。2025年は、日米金利差がもう少し縮小する中で、緩やかに円高が進むと考えられます。2025年末1ドル=140円くらいを想定しています。

 以上、まとめると、2025年前半はさまざまなリスクから、日経平均はショック安になることもあるとみています。ただし、年後半には、それらのショックを乗り越えて、景気・企業業績が緩やかに拡大する中で、日経平均は高値をとっていくと予想しています。

(窪田 真之)

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