2025年の主役もエヌビディア!? 7日のテック市開幕でAI株上昇?FOMC議事録、雇用統計で乱高下も!?
トウシル / 2025年1月6日 14時35分
2025年の主役もエヌビディア!? 7日のテック市開幕でAI株上昇?FOMC議事録、雇用統計で乱高下も!?
2025年初となる「トレンドマーケットスクールTOKYO」。
毎週、日本株や米国株の動きやその背景にある経済ニュースを投資初心者の方にも分かりやすく解説していますので、投資力や情報量アップのため2025年も注目していただけると幸いです!
2025年は巳(み:へび)年。投資の世界では「辰巳天井」といわれ、上昇相場が天井をつけやすい年といわれます。
実際、日経平均株価(225種)は2023年に前年末比28.2%、2024年に19.2%と2年連続で大幅上昇しており、さすがに2025年はどこかで大きな調整がありそうな気配もあります。
ただ前回、巳年だった2013年はアベノミクスの株価急上昇に沸きました。
米国株上昇を半ば国策にするトランプ氏が1月20日(月)に米国次期大統領に就任することもあり、少なくとも2025年前半は上昇相場が続く可能性が高そうです。
また、2025年の1月3日(金)のニューヨーク為替市場終値は1ドル=157円30銭台で高止まり。
2025年も円安トレンドが崩れなければ日本株も順調に推移しそうです。
そんな2025年初の1週間となる今週(1月6~10日)は米国で重要な景気・雇用指標が相次いで発表され、年始早々、非常に忙しい1週間です。
中でも重要なのは、8日(水)に公表されるFOMC(米連邦公開市場委員会)の議事録と10日(金)発表の米国の12月雇用統計。
8日に議事録が公開される12月18日(水)終了のFOMCでは追加利下げが行われたものの、2025年の利下げ回数の見通しが1回0.25%として従来の4回から2回に引き下げられ、米国株急落につながりました。
議事録でFOMC参加理事たちが予想以上に高金利政策の継続に積極的なことが判明すると、株式市場に動揺が走るかもしれません。
10日(金)発表の米国12月雇用統計の非農業部門新規雇用者数は前月比15.3万人増の予想です。
前回11月雇用統計は新規雇用者数が前月比22.7万人増と予想を上回ったものの、失業率が4.2%に小幅上昇。強弱まちまちの結果でした。
今回12月雇用統計も良過ぎず悪過ぎないことが株価にとって最良の結果でしょう。
1月2日(木)からスタートした米国市場では長期金利の指標となる米国10年国債の利回りが3日(金)に4.6%台をつけるなど金利が上昇しています。
金利上昇は株価の圧迫要因になるため、機関投資家が運用指針にするS&P500種指数はクリスマス明けの2024年12月26日(木)から1月2日(木)まで5営業日連続で下落。その間の下落率は2.84%でした。
しかし、3日(金)は前日比1.26%上昇と反発。
若干、軟調な展開となりましたが、利益確定売りによって上昇相場が一時的に小休止しただけの穏やかな雰囲気でした。
今週は2025年の株式市場が本格的に始動する1週間。
AI(人工知能)ブームやトランプ次期政権への期待感から年初の株高が続くことに期待したいところです。
週明け6日(月)の日経平均終値は前週末比587円安の3万9,307円 でした。
先週:USスチールの買収阻止命令で日本製鉄窮地!AI関連株が今年も相場を引っ張る!?
年末年始は市場参加者が減って少しの取引量でも株価や為替レートが乱高下しがちな時期ですが、先週の米国株や為替市場は非常に穏やかな展開でした。
今週の日本市場にも影響を与えそうなのは3日(金)、米国バイデン大統領が日本製鉄(5401)による米国の鉄鋼会社大手USスチール(X)買収を阻止する命令を出したこと。
これを受け、USスチールの株価は3日に前日比6.53%も急落。
日本製鉄は米国政府を提訴する意向のようですが、2025年6月末までに買収が完了しないと日本製鉄はUSスチールに対して約890億円の違約金を払う義務が生じる可能性もあり、週明け6日(月)以降、日本製鉄を含む鉄鋼セクターは株価が下落しそうです。
また、米国巨大IT企業の一角アップル(AAPL)が中国市場でのiPhone販売落ち込みで前週末比4.79%下落。全体相場の足を引っ張りました。
中国でのiPhone販売が収益源であるアップルは今後、トランプ次期政権と中国政府の貿易摩擦の犠牲者になる恐れもあります。
もしそうなれば、日本でもiPhoneなどに電子部品を提供する村田製作所(6981)や太陽誘電(6976)など多数のアップル関連株に売りが波及しそうです。
また、トランプ次期政権に参加予定のイーロン・マスク氏が率いる電気自動車のテスラ(TSLA)も2日(木)に2024年の世界販売台数が前年比1%減と初の減少に転じたことを発表して前週末比4.92%下落しました。
トランプ相場で2024年11月以降、急上昇してきたテスラ株ですがさすがに息切れ模様です。
その一方、2024年のAI(人工知能)ブームをけん引した米国高速半導体メーカーのエヌビディア(NVDA)は前週末比5.44%の上昇と、2025年も幸先のいいスタートを切りました。
米マイクロソフト(MSFT)が3日(金)、2025年6月までにAIサービスに対応したデータセンター建設に800億ドル(約12.6兆円)の巨額投資を行うと表明したことが上昇の原動力になりました。
同社や第2のエヌビディアとも呼ばれるカスタムAI向け半導体製造のブロードコム(AVGO)、データセンター建設に必要な電源・電子部品メーカーのスーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)、AIを駆使したソフトウエア開発で急成長しているパランティア・テクノロジーズ(PLTR)など、やはり2025年もAI関連株が米国株上昇のけん引役になるのは間違いないところでしょう。
一方、米国ではFOMCで利下げが続き、短期金利の指標となる政策金利の上限が9月以降、5.5%から4.5%まで引き下げられているにもかかわらず、長期金利の指標となる10年国債の利回りは4.6%台まで上昇しています。
これはひとえにトランプ次期政権が打ち出している減税など財政悪化・米国債発行増につながる政策や高関税政策によって米国内で物価高が再燃することへの警戒感によるものです。
実際、3日(金)、米国のISM(全米供給管理協会)が発表した12月製造業景況指数は、2カ月連続で予想を上回る伸びとなり、トランプ次期政権による好景気拡大を期待してか、これまで不振だった米国製造業にも持ち直しの兆しが出ています。
2025年は米国の長期金利の動向からも目が離せない1年になりそうです。
今週:エヌビディアCEO講演に注目!トランプ相場には「事実で売る」動きが出る!?
今週は年始早々、米国の景気・雇用指標の発表が相次ぎます。
1月7日(火)には、前回11月は予想を下回り3カ月ぶりの低水準だったISM12月非製造業景況指数、前回10月は予想を大きく上回り堅調だった11月雇用動態調査(JOLTS)の求人件数が発表。
8日(水)にはFOMC議事録の公表に加えて、給与計算代行会社オートマチック・データ・プロセッシング(ADP)社の12月民間雇用統計が発表。前回11月は予想をわずかに下回っています。
そして10日(金)には最重要の12月雇用統計や1月のミシガン大学消費者態度指数の速報値が発表されます。
米国景気・雇用指標に関しては、2024年後半以降、総じて堅調な結果が続いていることもあり、トランプ次期政権に対する期待感にかき消されて、あまり材料視されてきませんでした。
今週の重要指標に関しても極端な変化がない場合は株式市場が反応しない可能性もあります。
結果が良過ぎることで米国の長期金利上昇に拍車がかかることが一番の心配といえるでしょう。
指標以外で注目なのは7日(火)から米国ラスベガスで世界最大のテクノロジー見本市「CES」が開幕し、今をときめくエヌビディアCEO(最高経営責任者)のジェンスン・ファン氏が基調講演を行うこと。
ファン氏が絶好調なAI向け半導体販売の現状やAIの明るい未来を語ることが想定されるため、先週好調だったAI関連株の続騰に期待が持てそうです。
日本株でも、エヌビディア向けに半導体検査装置を独占販売していることで2024年は前年末比91.7%も上昇したアドバンテスト(6857)をはじめとした半導体関連株、ソニーグループ(6758)などゲーム関連株がにぎわうかもしれません。
先週3日(金)には米国議会下院の議長選挙で共和党のマイク・ジョンソン氏の続投が決まりました。
当初は政府債務の膨張に反対する共和党保守強硬派の造反で議長選出が危ぶまれましたが、トランプ次期大統領が電話で強硬派を直接説得して薄氷の選出となりました。
今後も共和党219議席、民主党215議席と過去100年で最も僅差にある米国議会下院がトランプ次期大統領の政策実行の足かせになる可能性もあります。
「うわさで買って事実で売る」という投資格言もあるように株式市場は期待先行型です。
1月20日(月)のトランプ次期大統領の就任式が迫る中、今後はトランプ相場で絶好調だった米国株に「事実で売る」動きが広がる可能性もあるでしょう。
とにかく2025年初の1週間がどんな値動きになるかは今後、1年の雰囲気を決めるかもしれないだけに注目です。
(トウシル編集チーム)
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