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新NISA「2年目枠」開幕買いは高配当株?増配予想で利回り4.5%以上の中小型株13選

トウシル / 2025年1月6日 17時16分

新NISA「2年目枠」開幕買いは高配当株?増配予想で利回り4.5%以上の中小型株13選

新NISA「2年目枠」開幕買いは高配当株?増配予想で利回り4.5%以上の中小型株13選

<指数パフォーマンス比較~バリュー株orグロース株どっち優勢?~>

2024年12月 中小型主要指数の月間騰落率

12月の中小型株ハイライト「売り減少=買い増加」

「外国人買い/個人売り」の珍しい構図が継続した11月のグロース株市場。その外国人買いは12月第2週まで継続したのですが、それを飲み込んだのが個人の売りでした。

 12月は節税目的の個人投資家によるロスカット(タックスロス・セリング)が出る時期。指数で唯一年初来マイナスの東証グロースでいえば、個別株ベースでも評価損の銘柄が多かったのは言うまでもありません。

 これらを損益通算のため、思い切ってロスカットする投資家が増えるのは年末の日本株の風物詩でもあります。個人の売りが多そうという意識自体は買いのブレーキにもなります。

 また、12月は1年で最もIPO(新規株式公開)が多い月でもあり、資金がIPOに分散する影響も。そのIPOも上がる株(需給が良い株)は際限なく上がる、下がる株(需給が悪い株)は際限なく下がる、そんな雰囲気でした。株は需給が全て、とはよく言いますが、IPOこそ需給が全て…。

東証グロース市場の売買動向

 節税目的の売りは、年内受渡ベースで執行する必要がありますので、その期限は「12月26日」でした。東証が開示してくれる東証グロース市場の投資部門別売買動向を見ると、そうした売りのピークは12月第2週(12月9日~13日)だったようです。

 12月第3週に「外国人買い/個人売り」の攻守が交替。外国人はクリスマス休暇に入る時期ですので、休暇前のポジション整理の売りとも推察されます。

 また、この12月第3週は年内最後の中央銀行イベントの週でした。18日(米時間)開催のFOMC(米連邦公開市場委員会)では利下げが決まりましたが、来年の利下げ見通し回数が2回に減るタカ派的内容で、米金利が上昇。これが外国人のグロース株売りの動機になった可能性もあります。

 一方、19日の日本銀行会合は利上げ見送り、日銀総裁会見も利上げに消極的な内容でした。中銀イベントが強い円安要因とはなりましたが、内需株だらけのグロース株には影響無く…。

 それでも、12月は昨年まで6年連続マイナスだったグロース250指数ですが、今年は終わってみれば月間トントン(厳密にいえばわずかにプラス)でした。終盤には巻き返す場面も。

 12月に東証グロース250指数が最も上がった日は「12月27日」で、この日の指数騰落率は+2.0%。何の日か?でいえば、前述の2024年の年内受渡最終売買日の翌日、つまり節税売りの期限が切れた直後の日(=実質新年相場入りの日)です。

 前年(2023年)も節税売りがタイムアウトした直後(12月28日)に、東証グロース250指数の騰落率は+2.3%を記録しています。個人の売りが終わるというのが、株価に与える影響はこれほど大きいわけです。売りが減るというのは、株価にとっては買いが増えるのと同じ効果です。

 また、直近2年でいえば新NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)というキーワードも浮かび上がります。新年受渡し初日(2024年でいえば12月27日)に新NISA枠が全回復しますので、成長投資枠の消化目的で何か買った個人投資家も多いのかもしれません(もしくは新NISAの買いが来ることを見越したヘッジファンドなど別の投資家の買い)。

 中小型株指数の12月の騰落率でいえば、バリュー株が優勢でした。プライム市場の小型バリュー株の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)スモールバリュー指数の同+4.2%がベストパフォーマンス。12月23日から年末ラスト30日まで6連騰を記録しました。

 割安株の宝庫とされるスタンダード指数も+3.0%と好調。割安な小型株でいえば、新NISAマネーの高配当株への流入期待に加え、TOBがあるかもしれないという漠然とした思惑も含んでいたのではないかと考えられます。

 12月はスタンダードから麻生フオームクリート(1730)大阪油化工業(4124)Eストアー(4304)に、プライムでも牧野フライス製作所(6135)などTOB材料が相次ぎました。

今月の銘柄アイデアは…新NISA2年目の開幕ダッシュ

 2024年も東証グロース250指数は4年連続の年間マイナス(マイナス8.8%)。これは旧東証マザーズ指数の算出が始まった2003年以降でも初のことでした。「止まない雨はホンマにあるんか?」な地合いが続いていますし、この間に日経平均株価が約1万2,000円(約50%)上がっていることを思うと「同じ日本株なのに不条理だ」といった心理的ストレスも蓄積しています。

 これほど長く出遅れている中小型のグロース株…2025年こそ大型株を上回る1年にできるのでしょうか?(現状は手掛かりとなりそうな材料は見当たらず)

 2025年も確実視されるのは、企業改革による自社株買いなど株主還元策の増強トレンドが続くであろうこと。一方で、1月から警戒感を強めそうなのが、20日(米時間)のトランプ米政権誕生による通商政策の不確実性。また、24日の日銀会合での追加利上げの可能性とそれに伴う円高懸念でしょうか。

 内需の中小型株でいえば、関税引き上げや円高が直接的に業績影響を与えない企業ばかりですので、資金避難先になるような動きを見せるかどうかには注目です。

 確実視される日本企業の株主還元策の増強でいえば、自社株買いや増配ネタでのサプライズ度では、内部留保や政策保有株の多い大型株に軍配が上がるのでしょう。ただ、株主還元という大きなくくりでいえば、2024年に相次いだ「株主優待(主にQUOカード)ばらまき」による株価引き上げ策は続くことが想定されます。

市場別上場維持基準

 東証が市場再編に合わせて上場維持基準を見直しましたが、新しい基準の経過措置が2025年3月末で終了(3月末決算の場合)となります。基準を満たさない企業は、1年間の改善期間を与えられたのち監理銘柄に指定されます。

 先月(2024年12月)もさくらさくプラス(7097)京極運輸商事(9073)リビン・テクノロジーズ(4445)など株主優待の新設や増強で株価急騰した事例が相次ぎました。上場維持基準への対応策として、こうした動きが中小型株で増えそうです。

 流通株式時価総額(スタンダード10億円、グロース5億円)にしても、上場10年以上経過のグロース株に設けられる時価総額40億円にしても、未達企業がやれることは「いかに株価を上げるか」です。時価総額は「株数×株価」ですので、増資をして株数を増やすと株価が下がって目的は果たせません。

 株価が上がりやすい手法としてはかつては株式分割が主流でしたが、理論上は何も変わらない株式分割の神通力は衰えています。その中にあって、QUOカードなど人気の株主優待を(一時的にせよ)ばらまくというのが今のトレンド。「もしかしたら優待増強あるかも」なるカタリストが小型株を保有しておく意味となるかもしれませんね。

 さて、新年最初の銘柄ピックアップですが、今回は1月ということで新NISA枠復活の効果に注目したいと思います。NISA口座における成長投資枠240万円が2024年12月27日に全回復し、そのタイミングで日本株が大きく上昇したのは印象的でした。

 通常の株式投資の場合、「下がったら買おう」とか「業績を見てから買おう」といった基準で売買タイミングを計ります。ただ、新NISA口座を使った売買というのは少し異なるようです。

 日本証券業協会の資料によると、2024年の成長投資枠での買付額は1~3月が43,318億円、4~6月22,693億円、7~9月18,497億円でした。1~3月の買付額が他期間の2倍水準になっていることを思うと、タイミングではなく、「枠の消化」を目的として動く層がいることが考えられます。

 そうした層が好んで買い増してきた銘柄は、大型株でいえばNTTやJT(日本たばこ産業)、三菱UFJのような配当利回りの高い株。新NISAマネー流入でいえば、中小型株でも配当利回りの高い株に恩恵があると考えられます。

新NISA2年目開幕ダッシュに期待!高配当の中小型株
【条件】
(1)スタンダード、グロース上場
(2)時価総額100億円以上
(3)5日移動平均売買代金1億円以上
(4)今期増配予想、(5)配当利回り4.5%以上
※配当利回り高い順

市場 コード 銘柄名 予想配当
利回り
スタンダード 3205 ダイドーリミテッド 10.8%
スタンダード 4293 セプテーニHD 7.9%
スタンダード 9308 乾汽船 6.6%
スタンダード 287A 黒田G 5.9%
スタンダード 6677 エスケーエレクトロニクス 5.4%
グロース 9164 トライト 5.1%
グロース 2986 LAHD 5.1%
スタンダード 3299 ムゲンエステート 5.0%
スタンダード 6245 ヒラノテクシード 4.8%
スタンダード 3452 ビーロット 4.7%
グロース 202A 豆蔵デジタルHD 4.7%
グロース 3300 アンビションDXHD 4.5%
スタンダード 197A タウンズ 4.5%
※PBR1倍未満の銘柄に黄色の網掛け

 中小型株で配当利回りの高い割安株となると、流動性が低過ぎるというハンディキャップを背負った株が多くあります。スタンダード、グロース上場の高配当株でも、時価総額100億円以上あり、1日の売買代金が1億円以上はあるような銘柄のみを対象とします。その中で、今期が増配予想となっている企業をピックアップ。

 利回りトップのダイドーリミテッド(3205)については、2024年7月に1株配当を100円(前期は2円)に爆増させる計画を公表。

 新経営体制の発足に合わせた大胆な株主還元強化策で、さすがにこれ長くは続けられないでしょ?な配当水準ではありますが…会社側では2027年3月期まで3年間は100円配当を続けることを基本方針としています。また、株価次第では最大50億円の自社株買いをするとも。

 2位のセプテーニホールディングス(4293)については2024年12月期のみ配当性向100%とするため、同予想ベースの配当利回りが7.9%となります。2025年12月期以降は配当性向50%を下限とするようで、減配リスクには注意したいところです(減配しても高配当株ですが)。

 4位の黒田グループ(287A)は2024年12月に上場したばかりの直近IPO株。数年間の累進配当を想定するとしながら、IPO時から超高配当の価格設定とする優等生な案件です。ハイボラ仕様の株式市場。キャピタルゲイン狙いでの収益はブレそうな予感ばかりする中、手触りのあるインカムゲインは2025年も重宝されそうですね。

(岡村 友哉)

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