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穀物メジャーや船舶リース大手など、5万円で買える米国高配当株5選!2025年2月権利落ち分を解説

トウシル / 2025年1月17日 7時30分

穀物メジャーや船舶リース大手など、5万円で買える米国高配当株5選!2025年2月権利落ち分を解説

穀物メジャーや船舶リース大手など、5万円で買える米国高配当株5選!2025年2月権利落ち分を解説

 米国の株式市場は世界最大の時価総額を持ち、建国当初から株価は右肩上がりの成長を続けています。その理由の一つとして、常に企業の新陳代謝が起こり、時代ごとに革新的な企業を生み出していることが挙げられます。

 米国株式の代表的な株式指数は、鉄道・公共事業以外の工業株30銘柄で構成される「NYダウ平均株価」、NASDAQ(ナスダック)に上場している全銘柄を対象とした「ナスダック総合株価指数」、NYSE(ニューヨーク証券取引所)とNASDAQに上場している大型株500銘柄を対象とした「S&P500種指数」があります。

 これらに採用されている企業は長期間にわたり利益を出し続け、株価も上昇し、配当を増配し続けている銘柄も珍しくはありません。

 そこで2025年2月権利落ちの米国株高配当5銘柄について解説します。

▼参照データ
• 株価…楽天証券のHPにて、日本時間2025年1月10日終値を採用
• 時価総額…楽天証券のHPにて、日本時間2025年1月10日時点の記載情報を採用
• 配当情報、決算情報…Investing.comのHPにて、日本時間2025年1月10日時点の記載情報を採用
• 為替:1ドル=158.00円で計算
※上記日付のデータで数値を抽出・算出しております。記事公開後の市況変動で数値が異なる場合がございますので、ご了承いただきますようお願いいたします。

 その前に、日本と米国の高配当銘柄への投資で、特に重要な三つの違いについて、お伝えします。

(1)米国株の配当金は、通常米国で10%、日本で20.315%の2段階、約30%の課税がされます。しかし確定申告で還付を受けることにより、日本株と同じように20.315%の税率と同じになります。

 ただし、NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)口座で購入した場合は、日本での利益・配当金はもともと非課税のため、還付を受けることはできません。この場合は米国で10%の課税のみとなります。

※米国市場で上場していても、国籍が米国籍企業以外の場合、配当金にかかる源泉税率は日本との租税条約によって異なり10%ではありません。

(2)米国株は日本株と異なり、権利落ち日が月末に集中していません。そのため、銘柄ごとに権利落ち日を確認する必要がありますので注意が必要です。

(3)米国株は日本円で買う円貨決済と、米ドルで買う外貨決済を選べます。日本円から外貨に替える為替手数料も積もれば大きな金額になるので、米国株を買い続けるなら売却時にも外貨決済で米ドルにしなければ無駄に手数料を支払うことになります。

 2024年に制度改正された新NISAは、つみたて投資枠と成長投資枠に分かれていますが、米国株も投資できる成長投資枠では、年間240万円を運用期間無期限かつ最大1,200万円まで投資が可能となり、制度期間も恒久化されています。

 とはいえ、米国株でNISAを必ず枠全部まで利用しなければいけないわけではありません。運用期間が無期限になったことにより、自分のペースで投資をすることができますので、無理のない範囲で長期投資の手段として有効活用していきましょう。

【2024年からの新NISA制度について、詳しい説明はこちら

米国高配当株1:モーリス(MC)

 企業、ファイナンシャルスポンサー、政府、政府系ファンドなど、多様な顧客基盤に革新的な戦略および財務アドバイスを提供する世界有数の独立系投資銀行です。

 あらゆる主要産業セクターにおいて、包括的かつグローバルに統合された財務アドバイザリーサービスを提供することにより、クライアントの戦略的目標達成を支援するとともに、経験豊富な専門家チームが、M&A(買収や合併)、資本再編、資本市場取引、その他コーポレート・ファイナンスなど、クライアントの最も重要な意思決定についてアドバイスします。

 株式公開以来、2023年12月31日時点で約360%のトータル・ストック・リターンを達成し、創業以来4兆4,000億ドル以上の取引のアドバイザリーを務めるなど、高い実績を上げています。

 時価総額は55億9,800万ドルで、日本円で約8,800億円となっています(1USD=158.00円換算)。  

事業の注目ポイント

 事業はアドバイザリーサービス事業の単一で構成されています。

 その中で、売上の中心は「米国事業(United States)」で、続いて「欧州事業(Europe)」、「その他地域事業(Rest of World)」となります。

 また、投資資産の中心は「米国事業」で、続いて「その他地域事業」、「欧州事業」となります。

 主要産業全般にわたる専門知識に基づく幅広いアドバイザリーサービスを提供しており、金融市場は本質的にグローバルであるため、モーリスは地域別ではなく、企業全体としての業績に基づいて事業を管理しているため単一事業としています。

モーリス(MC)の各事業が占める売上の割合
※直近の四半期決算(企業HPより)、筆者作成

競合他社

 競合他社として、投資銀行および資本市場のフルサービスを提供する世界的な企業であるジェフリーズ・ファイナンシャル・グループ(JEF)、自動化されたグローバルな電子ブローカーであるインタラクティブ・ブローカーズ・グループ(IBKR)、合併・買収、資本市場、財務再編、財務および評価アドバイザリーを専門とするグローバル投資銀行であるフーリハン・ローキー(HLI)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は昨年年初の水準を上回って推移しており、配当は横ばいで推移しています。

 直近の決算で会社側は、「当社のフランチャイズ、人材、幅広い専門知識はかつてないほど強固なものとなっており、当社は長期的な成長を推進する上で有利な立場にあります」と発表しています。

 12月だけでも、Loar Holdingsの追加公募増資、United Development Funding IVとReady Capitalの合併、IHS Holding Ltd.‘s保有のIHS KuwaitをZain Groupへの売却など数多くの案件を世界中で手掛けており、前回決算発表が10月だったことから次回も好調な決算とそれに伴う株価の推移が期待されます。

業績動向

 2024年10月23日開示の四半期決算では、1株利益は市場予想を上回り、売上は市場予想を下回りました。

 2024年第3四半期の収益は調整後ベースで2億8,070万ドルとなり、前年同期の2億7,770万ドルから1%増加しました。

 第3四半期の収益増加はM&A収益の増加によるもので、前年同期と比較してM&A以外の収益が若干減少したことによる影響は一部相殺されました。

 また、2024年度の最初の9カ月間での収益は調整後ベースで7億6,280万ドルとなり、前年同期の6億4,520万ドルから18%増加しました。

 2024年度の最初の9カ月間における収益の増加は、全ての主要分野における収益および取引完了の増加によるものです。

 業績は堅調で次回決算でも前年同期を上回る市場予想となっています。

 次回2025年2月5日に開示予定の四半期決算で、市場予想を上回る決算を発表できるか注目です。

注意点

 他のファイナンシャル・アドバイザリー・ファームとの強い競争に直面しており、アドバイザリー・マンデートを獲得できず、収益に悪影響を及ぼす可能性がある点については会社側も懸念点として発表しています。

株価動向、配当利回り紹介

配当:2.40ドル
配当利回り:3.24%
株価:71.44ドル(約1万1,300円)

 この銘柄、権利落ち日は2中旬の予定(権利実施は3下旬)です。

 配当利回りは110日時点で3.24%、株価は110日終値が71.44ドルでおよそ1万1,300円から購入できます(1USD=158円計算)。

 2023年からの最高値は80.49ドル、最安値は34.22ドルとなっています(終値ベース)。

米国高配当株2:グローバル・シップ・リース(GSL)

 固定金利による定期傭船契約に基づき、コンテナ船をコンテナ船運航会社にリースする事業を展開しています。

 世界的な船隊の主力である中型および小型コンテナ船に関して重点的に取り組んでおり、これら中・小型コンテナは急速に成長している主流レーン以外および地域内貿易を総じて担っており、その貿易量は世界的なコンテナ貿易量の70%以上を占めています。

 お客さまとパートナーシップを築き、柔軟なチャーターソリューションを提供することで、お客さまが資本や経営資源を他の戦略的優先事項に集中できるよう支援しています。

 時価総額は7億9,500万ドルで、日本円で約1,200億円となっています(1USD=158.00円換算)。 

事業の注目ポイント

 事業は「定期用船事業(Time charter)」の単一事業で構成されており、売り上げはこの事業のみとなっています。

 保有するコンテナ船は積載能力1万1,040TEUのCMA CGM Thalassaを筆頭に、9,115TEUのZIM NorfolkとZIM Xiamen、同じく9,115TEUのAnthea Y、8,603TEUのMSC Tianjinと2024年9月30日現在で68コンテナ船を所有し、これらのリースによって事業を展開しています。

競合他社

 競合他社として、世界各地のドライバルク商品の海上輸送を専門とするギリシャを拠点とする海運会社であるシナジー・マリタイム・ホールディングス(SHIP)、全ての主要なグローバル貿易ルートで貨物輸送サービスを提供する船隊および船会社のネットワークとして機能するイスラエルを拠点とする会社であるジム・インテグレーテッド・シッピング・サービシズ(ZIM)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は昨年年初近辺の水準で推移しており、配当は昨年増配しています。

 直近の決算で会社側は、「不透明なマクロ環境にもかかわらず、2024年を通じてコンテナ船傭船市況を大きく押し上げてきた要因は引き続き堅持されており、コンテナ量の伸びは健全で喜望峰周辺へのルート変更が求められていることから、平均航海期間が大幅に延長されたことで、世界の船隊供給は引き続き限界に達しており、キャパシティはゼロに近く、定期船オペレーターはキャパシティの制約を補うために船隊のスピードアップを余儀なくされています」と発表しています。

 また、相対的に品質が低く、効率性の低い船はますます増えていくとも予想しており、「それに対して質の高いコンテナ船の船隊を保有する当社は既存資産から今後も魅力的なリターンを得ることができます」とも発表しており、今後も堅調な業績とそれに伴う株価の推移が期待されます。

業績動向

 2024年11月11日開示の四半期決算では、1株利益は市場予想を上回り、売上は市場予想を下回りました。

 直近の決算で会社側は、「コンテナ海運は循環的な市場であり、優れたリターンを生み出す可能性がありますが、同時に慎重なリスク管理と忍耐も必要で、そのような状況下で当社は定期船業界の進化するニーズに向けた中型・小型船隊の建造と維持に長年注力してきたこと、そして一貫した財務規律が相まって当社は株主に重要な資本を還元できる立場にあります」と発表しています。

 また、2024年1月1日から2024年9月30日までの間に、合計32隻の新規傭船または傭船延長により収益が拡大しており、今後もコンテナの供給不足が予想されていることから同社の業績が堅調に推移する事が期待されます。

 次回は2025年3月5日に四半期決算の開示予定ですが、前年同期の業績を上回る数字を出せるか注目です。

注意点

 景気後退局面では、業界の資金調達がはるかに困難になり、強力なバランスシートと財務の柔軟性を持つ企業でないと大きなリターンが達成できないとの懸念点を発表しています。

株価動向、配当利回り紹介

配当:1.80ドル
配当利回り:8.02%
株価:22.04ドル(約3,500円)

 この銘柄、権利落ち日は2下旬の予定(権利実施は3上旬)です。

 配当利回りは110日時点で8.02%、株価は110日終値が22.04ドルでおよそ3,500円から購入できます(1USD=158円計算)。

 2023年からの最高値は30.12ドル、最安値は16.10ドルとなっています(終値ベース)。

米国高配当株3:シェブロン(CVX)

 1876年、探検家の一団がカリフォルニアで石油を発見したことから始まった、世界有数の総合エネルギー企業です。

 原油および天然ガスの生産、輸送用燃料、潤滑油、石油化学製品および添加剤の製造を行うとともに、シェブロンの事業と業界を強化する技術の開発を行っています。

 石油・ガス事業の成長、事業活動における炭素の低減、再生可能燃料、炭素回収・貯留、水素、その他の新技術における低炭素事業の成長による低炭素社会を目指しています。

 時価総額は2,701億200万ドルで、日本円で約42兆6,700億円となっています(1USD=158.00円換算)。

事業の注目ポイント

 事業の中心は「ダウンストリーム事業(Downstream)」で、続いて「アップストリーム事業(Upstream)」となります。

「ダウンストリーム事業」では、原油の石油製品への精製、精製製品、潤滑油の販売、再生可能燃料の製造・販売、パイプライン、船舶、自動車、鉄道車両による原油および精製製品の輸送などを行っています。

「アップストリーム事業」では、原油・天然ガスの探鉱・開発・生産・輸送、液化天然ガス(LNG)の液化・輸送・再ガス化、主要国際石油輸出パイプラインによる原油輸送などで構成されています。

シェブロン(CVX)の各事業が占める売上の割合
※直近の四半期決算(企業HPより)、筆者作成

競合他社

 競合他社として、国際的なエネルギーおよび石油化学会社であるエクソンモービル(XOM)、原油と天然ガスの生産を専門とする企業であるカナディアン・ナチュラルリソーシズ(CNQ)、カナダを拠点とする統合エネルギー会社であるサンコア・エナジー(SU)、探鉱と生産会社であるコノコフィリップス(COP)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は昨年年初近辺の水準で推移しており、配当は昨年増配しています。

 株価の変動はあまり大きくなく、2022年の半ば以降は一定の範囲内で株価が推移しています。

 直近の決算で会社側は、「当社は好調な財務・経営成績を達成し、米国メキシコ湾における主要プロジェクトを始動させ、米国およびパーミアン・ベースンの生産量が四半期ベースで過去最高を更新したため、シェブロンの石油換算生産量は前年比7%増となり、今四半期は自社株買い47億ドル、配当金29億ドルを含め、当四半期の株主還元額は過去最高の77億ドルとなり、過去最高のキャッシュを株主に還元した」と発表しています。

 今後も堅調な業績が期待されており、それに伴う株価の推移株主還元が期待されます。

業績動向

 2024年11月1日開示の四半期決算では、1株利益・売上ともに市場予想を上回りました。

 直近の決算で会社側は、「利益は精製品販売におけるマージンの低下、および前年度の税制優遇項目がなかったことにより前年同期比で減少した」と発表しています。

 一方で、「今期にアンカー油田、ジャック油田、サン・マロ油田、タヒチ油田で主要プロジェクトを開始したが、これらのプロジェクトと2025年までの追加プロジェクトの開始を合わせると、米国メキシコ湾の生産量は2026年までに石油換算で日量30万バレルまで増加すると予想される」とも発表しており、今後の業績拡大が期待されます。

 次回は2025年1月31日に四半期決算の開示予定ですが、前年同期の業績を上回る数字を出せるか注目です。

注意点

 会社側は、既存および将来の原油・天然ガス開発プロジェクトから期待される純生産量の達成に失敗する可能性、計画中のプロジェクトの開発・建設・操業開始の遅延の可能性などをリスクとして発表しています。

株価動向、配当利回り紹介

配当:6.52ドル
配当利回り:4.33%
株価:153.14ドル(約2万4,200円)

 この銘柄、権利落ち日は2中旬の予定(権利実施は3中旬)です。

 配当利回りは110日時点で4.33%、株価は110日終値が153.14ドルでおよそ2万4,200円から購入できます(1USD=158円計算)。

 2023年からの最高値は187.79ドル、最安値は137.88ドルとなっています(終値ベース)。

米国高配当株4:ラザード・インク(LAZ)

 2人のフランス人兄弟が創業したニューオーリンズの小さな乾物商から始まり、現在では世界有数のフィナンシャル・アドバイザリーおよびアセットマネジメント会社となったラザードは、北米、南米、欧州、中東、アジア、オーストラリアで事業を展開しています。

 創業は1848年にさかのぼり、企業、政府、機関投資家、パートナーシップ、個人投資家など、世界中の多様なクライアントの複雑な財務および戦略的課題に対するソリューションを構築することを専門としてきました。

 時価総額は56億4,000万ドルで、日本円で約8,900億円となっています(1USD=158.00円換算)。

事業の注目ポイント

 事業の中心は「財務アドバイザリー事業(Financial Advisory)」で、続いて「アセットマネジメント事業(Asset Management)」となります。

「財務アドバイザリー事業」では、世界中の企業、機関投資家、政府機関、個人クライアントなどに戦略的アドバイザリー、M&Aアドバイザリー、事業再編・債務管理アドバイザリーなどに関する幅広いファイナンシャル・アドバイザリー・サービスを提供しており、「アセットマネジメント事業」では、株式・債券戦略、資産配分戦略、オルタナティブ投資、プライベート・エクイティ・ファンドなど、幅広いグローバル投資ソリューションと投資・資産運用サービスを提供しています。

ラザード・インク(LAZ)の各事業が占める売上の割合
※直近の四半期決算(企業HPより)、筆者作成

競合他社

 競合他社として、英国を拠点とする独立系グローバルアセットマネージャーであり、各種のアセットクラスにわたるアクティブインベストメントに特化するジャナス・ヘンダーソン・グループ(JHG)、個人や機関向けに投資管理および関連サービスを提供するバータス・インベストメント・パートナーズ(VRTS)、独立した投資運用会社であるインベスコ(IVZ)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は昨年年初の水準を上回って推移しており、配当は横ばいで推移しています。

 直近の決算で会社側は、「「財務アドバイザリー事業」において収益は今年1~9月期で約4割増加し、プライベート・キャピタルとの業務も拡大しており、「アセットマネジメント事業」においては当四半期も堅調に推移し、当社にとって持続的な収益源となりました」と発表しています。

 また、「ラザードの成長戦略は引き続き勢いを増しており、ビジネスと地政学的問題に対するラザード独自の洞察力は顧客に有益なサービスを提供し、長期的な株主価値を提供する上で、引き続き有利な立場にあります」とも発表しており、今後も堅調な業績とそれに伴う株価の推移が期待されます。

業績動向

 2024年10月31日開示の四半期決算では、1株利益は市場予想を下回り、売上は市場予想を上回りました。

 1株利益が市場予想を下回ったものの、株価への影響はほとんどありませんでした。

 直近の決算で会社側は、「「財務アドバイザリー事業」の純収入および調整後純収入は世界的に重要かつ複雑なM&A取引に携わってきたこともあって、2023年第3四半期比でそれぞれ39%増の3億7,100万ドル、41%増の3億6,900万ドルとなり、「アセットマネジメント事業」の純収入は2億9,400万ドル、調整後純収入は2億7,200万ドルで、平均AUMが拡大していることもありそれぞれ2023年度第3四半期を3%、4%上回った」と発表しています。

 第4四半期の決算では、1株利益・売上ともに前年同期を上回る予想となっており、今後も堅調な業績が期待されます。

 次回2025年1月30日に開示予定の四期決算で、前年同期を上回る決算を発表できるか注目です。

注意点

 相場状況の変化によって業績に大きく影響を受けやすい業種である点には注意が必要です。

株価動向、配当利回り紹介

配当:2.00ドル
配当利回り:3.99%
株価:47.30ドル(約7,500円)

 この銘柄、権利落ち日は2上旬の予定(権利実施は2下旬)です。

 配当利回りは110日時点で3.99%、株価は110日終値が47.30ドルでおよそ7,500円から購入できます(1USD=158円計算)。

 2023年からの最高値は61.01ドル、最安値は26.40ドルとなっています(終値ベース)。

米国高配当株5:アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)

 世界的な農業サプライチェーン・マネージャーです。

 より健康的な生活をサポートする画期的なソリューションの先駆者であるとともに、石油由来の製品に代わる革新的な製品で業界をリードする企業であり、食糧安全保障、健康と福祉、農業と食品バリューチェーンの持続可能性に関連する、世界的な需要に対応する比類のない能力を供給し続けています。

 また、世界中の農家との関係や、他に類を見ない輸送、加工ネットワークなど、農業バリューチェーンにおける独自の地位を生かし、脱炭素社会をリードしています。

 時価総額は238億5,000万ドルで、日本円で約3兆7,600億円となっています(1USD=158.00円換算)。

事業の注目ポイント

 事業の中心は「農業サービス&油糧種子事業(Ag Services and Oilseeds)」で、続いて「炭水化物ソリューション事業(Carbohydrate Solutions)」、「栄養製品事業(Nutrition)」となります。

「農業サービス&油糧種子事業」では、商品の販売、商品輸送のサービス料、世界各地の加工施設で製造された製品の販売、および貿易に関する金融活動から収益を生み出しており、「炭水化物ソリューション事業」では、各地にあるトウモロコシおよび小麦の製粉施設で製造された製品の販売から収益を生み出しています。

アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)の各事業が占める売上の割合
※直近の四半期決算(企業HPより)、筆者作成

競合他社

 競合他社として、世界的な農業関連事業および食品会社であるブンゲ・グローバルSA(BG)、消費財食品会社であるコナグラ・ブランズ(CAG)、6大陸の100カ国に100以上のブランドを持つブランド消費者向け食品のグローバルメーカーおよびマーケティング担当者であるゼネラル・ミルズ(GIS)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は昨年年初の水準を下回って推移しており、配当は昨年増配しています。

 会計に関する不透明性から、株主がJuan R. Luciano CEOの解任を要求し、会社側も2023年度のForm 10-Kおよび2024年度第1四半期と第2四半期のForm 10-Qの修正に取り組むなどの内部問題と外部の市況環境の影響もあり、株価は昨年年初から下がり続けて現在は3割程度下落した水準で推移しています。

 一方で、2022年~2023年には1~2%台だった配当利回りが現在では4%近くまで上昇しており、リーマンショック時にも配当金の引き下げをしておらず、93年以上にわたる連続配当を記録している企業であることからも配当を目的として保有を検討してみてもよいのではないでしょうか。

業績動向

 2024年11月18日開示の四半期決算では、1株利益は市場予想通りとなり、売上は市場予想を下回りました。

 直近の決算で会社側は、「Wilmarへの持分投資に関連する4億6,100万ドルの非現金減損費用を計上したことなどで、第3四半期の税引前利益は1億800万ドルとなり、前年同期比で90%減少した」と発表しました。

 また、「農業サービス&油糧種子事業」では営業利益が4億8,000万ドルで、前年同期から43%減少しており、物流費の高騰、菜種の価格上昇による菜種搾油マージンの低下、世界的なバイオディーゼルマージンの大幅低下などが重なり業績が悪化しました。

 今後について会社側は、「最優先事項を内部統制と財務完全性と正確性を確保することとしており、各事業については明るい兆しが見えてきている」と発表しています。

 次回2025年1月28日に開示予定の四半期決算で、市場予想を上回る決算を発表できるか注目です。

注意点

 内部状況の改善の遅れによっては、株価の回復が遅くなる可能性がある点には注意が必要です。

株価動向、配当利回り紹介

配当:2.00ドル
配当利回り:4.01%
株価:51.09ドル(約8,100円)

 この銘柄、権利落ち日は2上旬の予定(権利実施は3上旬)です。

 配当利回りは1月10日時点で4.01%、株価は1月10日終値が51.09ドルでおよそ8,100円から購入できます(1USD=158円計算)。

 2023年からの最高値は89.65ドル、最安値は49.38ドルとなっています(終値ベース)。

■著者・西崎努氏の著書『やってはいけない資産運用 金融機関のカモにならない60歳からの資産防衛術』(アスコム刊)『老後資産の一番安全な運用方法 シニア投資入門』(アスコム刊)が大好評発売中です!

【要チェック】
 楽天証券「トウシルの公式YouTubeチャンネル」では、同筆者が執筆した「やってはいけない資産形成」のコラムを動画で視聴できます。

 また、リーファス社の公式YouTubeチャンネル『ニーサ教授のお金と投資の実践講座』では、同コラムの他にも動画でお金と投資の知識を学ぶことができます。

(西崎努)

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