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円安なら株高、円高なら株安?ドル/円為替レートから日本株を考える(窪田真之)

トウシル / 2025年1月20日 8時0分

円安なら株高、円高なら株安?ドル/円為替レートから日本株を考える(窪田真之)

円安なら株高、円高なら株安?ドル/円為替レートから日本株を考える(窪田真之)

円安なら株高、円高なら株安になることが多い

 日本株の見通しを考える時、ドル/円為替レートの見通しも併せて考える必要があります。なぜならば、円安が進む時は株高、円高が進む時は株安になることが多いからです。過去2年は、特にその傾向が強く出ました。

日経平均とドル/円為替レートの週次推移:2023年1月4日~2025年1月17日

日経平均とドル/円為替レートの週次推移:2023年1月4日~2025年1月17日
出所:QUICKより楽天証券経済研究所作成

 ただし、「円安なら株安、円高なら株安」は、あくまでも「そうなることが多い」と言っているだけです。円安で株安が進むこともあれば、円高で株高が進むこともあります。

 もっと長い期間で、日経平均株価とドル/円の動きを比べてみましょう。

日経平均とドル/円為替レートの月次推移:2000年1月末~2025年1月(17日)

日経平均とドル/円為替レートの月次推移:2000年1月末~2025年1月(17日)
出所:QUICKより楽天証券経済研究所作成

 2000年以降の2025年で見ても、「円安なら株高、円高なら株安」になることが多かったことが分かります。

 実は、これは世界的に見ると、珍しいことです。世界各国の株価と為替を見ると、自国通貨が強くなる時に株が上昇、自国通貨が弱くなる時に株が下落する傾向があるからです。特に、対外負債の大きい新興国ではその傾向が強く見られます。

「円安株高・円高株安」となりやすい理由

 円安なら株高、円高なら株安になりやすい理由があります。

【1】 円安は日本の企業業績にプラス。円高は日本の企業業績にマイナス。
【2】 円安が進むと外国人投資家の買いが入りやすい。円高が進むと外国人の売りが入りやすい。
【3】 円安が進む時は米景気・世界景気が好調であることが多い。円高が進む時は米景気・世界景気が不振であることが多い。

 この中で、もっとも重要なのは、【1】です。日本株が、円安の時に株価が上がりやすいのは、日本企業が海外ビジネスを拡大させながら成長してきたこと、結果的に円安で業績が改善しやすいことと関係があります。

 日本の高度成長が終わってから、日本企業は内需より外需に依存して成長するようになりました。そのため、円安だと企業業績が改善、円高だと悪化する傾向が定着しました。

 21世紀に入ってからは、20世紀の時のように日本企業が輸出を拡大することはありませんでした。21世紀には現地生産・現地販売を拡大しながら海外ビジネスを拡大しました。

 海外ビジネスを拡大させて成長したのは、自動車・機械・商社などかつての輸出産業だけではありません。

 小売り(ファーストリテイリング:9983セブン&アイ・ホールディングス:3382)、食料品(キッコーマン:2801)、味の素:2802)・医薬品(武田薬品工業:4502)、金融(三菱UFJフィナンシャル・グループ:8306)、東京海上ホールディングス:8766)など、かつての内需産業も、欧米アジアに進出して海外ビジネスを拡大させました。

 海外ビジネスのドル建て利益の円換算額は、円安が進むと拡大し、円高が進むと縮小するので、円安だと株高、円高だと株安になりやすいことに変わりはありません。

2025年はどうなるか?

 私は、緩やかな円高が進む中で、株高が進む年になると考えています。米景気がソフトランディングする中で1ドル=140円台へ円高が進む可能性があると考えています。

 円高は企業業績にマイナスですが、米景気がソフトランディングする中で1ドル=140円台へ円高が進んでも、日本の企業業績は一桁台の増益を維持できると予想しています。

東証プライム上場、3月決算主要841社の連結純利益(前期比%)

東証プライム上場、3月決算主要841社の連結純利益(前期比%)
出所:楽天証券予想

 1月20日、ドナルド・トランプ氏が、米大統領に就任します。輸入関税など、世界景気に不安を与える政策を打ち出してくると、円高株安が進む可能性もあり、注意が必要です。

 私は、年初、トランプショックで日経平均が下がる局面もあり得ると考えています。ただし、年末にかけて、米景気がソフトランディングする中、日経平均は高値をとっていくと予想しています。

 明日、2025年に緩やかな円高が進むと予想する理由について、ドル/円を動かす三大要素に注目しつつ、詳しく解説します。

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(窪田 真之)

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