ドル/円4日ぶり反発、155円台前半へ戻す
トウシル / 2025年1月29日 9時46分
ドル/円4日ぶり反発、155円台前半へ戻す
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは156.30円
↓下値メドは154.45円
米利下げ:FRBは利下げする必要ない。利下げで恩恵を受けるのはゾンビ企業だけ - シーラ・ベア元米財務省金融機関担当財務次官補
米インフレ:米中所得者層にとっての実際のインフレ率は「CPIの数字の半分程度」
データ重視:経済指標の大幅修正は、FRBのデータ依存を「疑わしい戦略」にしつつある
IMF:世界各国は財政支出を抑制するべきと警告
日銀:金融政策において「巧妙なトリック」は避けるべき
前日の市況
1月28日(火曜)のドル/円相場の終値は155.52円。前日終値比1.00円の「円安」だった。
2025年20営業日目は154.47円からスタート。安値も同じ154.47円で 東京時間夕方に155.72円まで上昇してこの日の高値をつけた。ただ前日の高値(156.25円)には届かなかった。24時間のレンジ幅は1.50円。
トランプ政権の関税政策がこの日のマーケットを動かす材料となった。米財務長官に承認されたベッセント氏は、米国への輸入品に対して一律関税(ユニバーサルベースライン関税)を課し、税率は2.5%から段階的に引き上げる案を提唱した。
これはトランプ大統領が半導体や医薬品、鉄鋼などに関税を課す方針とも関連している。2.5%の関税は輸入品価格を1.0%押し上げるという試算がある。
米国内のインフレが再燃するおそれが高まる中で、FRB(米連邦準備制度理事会)は今後の利下げにより慎重になるだろうとの見方がドル高につながった。また、米株市場が、中国のスタートアップ企業DeepSeek(ディープシーク)による低コスト生成AIモデル出現ショックから立ち直りを見せたことも、ドル買い戻し材料になった。
FOMC(米連邦公開市場委員会)は今夜(日本時間明日未明)、政策金利を発表する。
FRBの政策方針に対するマーケットの評価は短期間に大きく変化している。昨年の夏までは、「利下げしない」ことに批判が多かったが、今では「なぜ利下げしたのか」という意見が多くなっている。
パウエルFRB議長は利下げを決定した際に、その根拠として米経済の懸念要因を掲げたが、そのほとんどが実際には起きていない。雇用統計をはじめ、米国の経済指標のほとんどは堅調さを維持したままだ。米国のインフレ率は目標値を上回り、米長期金利が上昇する中でもダウ工業株30種平均は史上最高値を更新し続けている。
米国の経済成長がトレンドを上回るペースで拡大を続けている状況で、データ重視の政策を標榜するFRBが利下げするのはつじつまが合わないということである。FRBが政策ガイダンスをバックワード(振り返り)からフォワード(予測)方式に戻す可能性は低いとしても、データが今後も強いままならば、FRBは利下げの軌道を調整することになるだろう。
2025年 主要指標 終値
今日の為替ウォーキング
今日の一言
科学者は難しいことを誰にでも分かるように説明しようとする。しかし詩人はまったく逆をする
How Long
FOMCは、2024年12月の会合で政策金利であるFF(フェデラル・ファンド)金利の誘導目標を0.25%引き下げることを決定した。利下げは3会合連続で、FF金利の目標レンジは4.25%から4.50%となった。
この会合では、FRB内での利下げのコンセンサスが必ずしも強固ではないことが露呈された。クリーブランド連邦準備銀行のハマック総裁が金利の据え置きを主張し、反対票を投じたことが注目された。
パウエルFRB議長は会合後の記者会見で、政策運営が「新たな段階に入った」と述べ、今後の利下げペースについて慎重に進める必要があると強調した。特にインフレの進展を見守ることが重要であるとし、追加の利下げにはインフレの動向が大きく影響することを示唆した。
FOMCメンバーによる金利予想であるドットチャートは2025年の利下げ回数を従来の4回から2回に半減する見通しを示した。2025年末のFF金利の中央値は3.9%で、前回の見通しから0.5%ポイントの上方修正となったことで、利下げペースの鈍化が明確となった。
トランプ大統領の関税引き上げや減税政策がインフレを押し上げる可能性があるため、FRBメンバーが今後の経済状況に対する警戒感を強めたことを示した。
今週の注目経済指標
本日の重要ブレークアウトレベル
(荒地 潤)
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