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暗号資産の税制が変わる?税率ダウンを待つべきか、値上がりした今売るべきか

トウシル / 2025年2月8日 11時0分

暗号資産の税制が変わる?税率ダウンを待つべきか、値上がりした今売るべきか

暗号資産の税制が変わる?税率ダウンを待つべきか、値上がりした今売るべきか

暗号資産に係る税金はどうなっている?

 株式投資に限らず、投資の世界においては「税金」が大きな問題となります。なぜなら、税金というものは投資の「コスト」だからです。

 コストですから低ければ低いほどよいわけで、NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)であれば非課税で運用することができます。また、上場株式などであれば、20.315%の税率が課されます。FXや先物・オプション取引も、上場株式などとカテゴリーは異なりますが、税率は20.315%です。

 しかし、ビットコインをはじめとする暗号資産(仮想通貨)は、総合課税の雑所得として課税され、他の所得と合算し、累進課税により課税されます。

 そのため、所得が多い人の場合はマックスで約56%の税率(所得税・住民税合計)で課税されてしまうのです。

暗号資産の税制の取り扱いが変わる可能性が

 しかし最近になって、暗号資産の税制の取り扱いを変えよう、という動きが出てきています。

 先日の衆議院予算委員会において、金融庁は2025年6月末をめどに暗号資産税制について検証を行うとの発言が加藤勝信財務大臣からなされました。

 もしFXや先物・オプション並みの課税体系になるとしたら、どんなに利益を上げても20.315%の税率で抑えることができるのです。

 一方、足元では暗号資産の価格が大きく上昇していて、さすがにそろそろ天井なのではないか、という声も聞こえてきます。

 そうなると、「高い税率でもよいので今売ってしまった方が良いのか?」「税率が低くなるのを待ってから売った方が良いのか?」という悩みが生じてくるのです。

暗号資産の売却による税金シミュレーション1:今売却した場合

 それでは、暗号資産の売却による税金が、現状の税制と、FX並みの課税体系となった場合とでどのように異なってくるかをシミュレーションしてみたいと思います。

 なお、さまざまな条件を付すると分かりにくくなってしまうため、現状の税制においては所得額1,800万円以上4,000万円未満の場合の税率である50.84%(所得税・住民税合計)の税率を前提として計算します。

 例えばビットコインを1ビット保有しているケースで考えます。現在の価格が1ビット=1,500万円として、これを100万円で購入していたとします。

 すると、手数料などを無視して考えれば利益は「1,500万円-100万円=1,400万円」となります。

 これに上記の税率50.84%を当てはめると、税額は「1,400万円×50.84%=711万7,600円」となります。

 利益から税額を差し引いた手取り額は688万2,400円となります。

シミュレーション2:税率ダウンしてから売った場合

 では、もし現時点で暗号資産の税率がFXや先物と同様20.315%だとすると、税額はどのくらいになるのでしょうか?

「1400万円×20.315%=284万4,100円」となり、利益から税額を差し引いた手取り額は1,115万5,900円となります。(1)の場合より、格段に手取り額が増えることがお分かりいただけると思います。

 でも、現状は(1)の課税になりますし、もし税率が20.315%になるのを待っている間に暗号資産の価格が大きく下落してしまったら、「今売っておけばよかった…」ということになってしまう可能性も十分にあります。

 そこで、暗号資産の価格がどこまで下がったら、税率20.315%になるのを待って売却した方が有利か、を考えてみたいと思います。

シミュレーション3:税率ダウンする場合、いくらまで有利か

 利益から税額を差し引いた手取り額が(1)の額を上回るような金額を計算すれば、ビットコインの価格の下落がどこまでなら、税率ダウンを待ってから売却しても有利かが判別できます。

 ビットコインの価格が970万円の場合、利益が870万円、税額が176万7,405円ですから手取り額は693万2,595円となります。(1)の場合の手取り額688万2,400円より大きいです。

 従って、現状のビットコイン価格が1,500万円とすると、そこから40%下落してもまだ税率ダウンを待った方が有利、ということになります。

 なお、暗号資産の税率がFX、先物並みの20.315%になるかどうかはまだ分かりませんし、そうならない可能性もあります。

 そして、暗号資産は値動きが大きいので、今の価格から40%を大きく超えた下落となる可能性も十分あります。

 従って、税率が将来下がることを前提とした行動にはリスクが伴うことをよく理解いただいた上、ご自身で判断、決定されるようにしてください。

(足立 武志)

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