中国電力セクター
トウシル / 2017年6月22日 0時0分
中国電力セクター
6月22日
政府当局が「費用負担の軽減と卸電力値上げ」を発表、火力発電各社の追い風に
中国の国家発展改革委員会(NDRC)はこのほど、「一部の政府性付加費の取り消しあるいは低減と、電力卸売料金の構造調整に関する通達」を発した。この新たな政策方針は、石炭価格の上昇やDPP(直接電力購入)の広がりに伴う火力発電各社の利益低下圧力を軽減する見込み。電力卸売価格は2017年7月1日付で、省・市別にそれぞれ1MWh当たり1.7-19.9元引き上げられる運びとなった。
BOCIは従来型のIPP銘柄(独立系発電業者)が現在、17年予想PBR(株価純資産倍率)平均0.79倍の水準で取引されていることに言及し、この新政策がIPP全体の支援材料になると指摘。卸電力価格が1%引き上げられるたびに、17年に約8%の利益上乗せが見込めるとした。銘柄別では、華電国際電力(01071)に対する恩恵が最も大きいとの見方。その理由として、◇現在株価の低バリュエーション(17年予想PBR0.68倍)、◇同社が発電能力の40%強を置く山東省・河北省で卸電力価格の引き上げ幅が相対的に大きい――の2点を指摘している。
BOCIはまた、今回の通達を受けた市場の楽観的なセンチメントが風力発電など、再生可能エネルギー銘柄の再評価につながる可能性を指摘。同時に補助金支払い上の圧力軽減にもつながる見通しを示した。個別では風力発電銘柄2社、龍源電力(00916)、華能新能源(00958)の株価の先行きに対して強気見通しを継続している。この2銘柄の現在株価の17年予想PBRはわずか0.97倍、0.89倍。一方、17年の予想ROE(株価純資産倍率)は12.6%、14.1%の高水準にある。
なお、NDRCの今回の通達の目的は、企業コストの削減という主要方針を変更することなしに、火力発電各社の利益低下圧力を軽減することであり、通達のポイントは主に以下の2点となる。
◇7月1日付で、電力エンドユーザーに転嫁されている費用2種、「国家重大水利工程建設基金(NMWCCF)」「大中型ダム移民後期支援ファンド(LMRRSF)」を25%引き下げる。この削減部分を電力卸売価格の値上げに当て、石炭火力発電各社の利益低下圧力を軽減させる。◇7月1日付で、電力各社に課してきた「工業企業構造調整資金(SFSAIE)」の徴収を取り止める――。
(Bank of China int.)
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