ふたつの「もみ合い」が株価を拘束?
トウシル / 2017年4月24日 0時0分
ふたつの「もみ合い」が株価を拘束?
先週の国内株市場ですが、日経平均は週初の17日(月)の取引は年初来安値を更新してのスタートでしたが、その後は週を通じて下げ渋り&戻りを窺う動きを見せました。日経平均は5日移動平均線を回復、ローソク足も陽線が目立ちはじめ、特に17日の陽線が下げ止まりを印象付けるものとなりました。週末金曜日(4月21日)の終値は、前週末比285円高の18,620円でした。かなりムードは改善したと言えます。
さらに、週末(23日)に行われた仏大統領選挙の1回目の投開票が、無難な見通し(中道系のマクロン候補が首位でルペン氏と決選投票に進むこと)になったことで安心感が広がり、週明けの今週24日(月)の日経平均は18,890円と一段高でスタートしています。先週末からは242円ほどの窓を空け、19,000円台回復も視野に入ってきました。
(図1)日経平均(日足)の動き(2017年4月24日取引開始時点)
あらためて上の図1で足元の状況を確認してみます。
24日(月)が窓空けで大きく上昇したことによって、ローソク足が一気に25日移動平均線を回復し、5日移動平均線の方向もUターンを描くように切り返してきました。また、上値と下値を切り下げながら形成してきた下落トレンドもひとまず終了したことになります。
そのため、相次ぐ国内企業の業績動向を睨みつつ、戻りの目処を探ることと、25日移動平均線を維持できるかが今週のポイントになります。
図1の見た目では節目の19,000円や75日移動平均線が目先の目標になります。24日(月)の取引開始時点での75日移動平均線は19,100円ぐらいの水準になりますが、今週末からは国内の連休が控えていることもあって、積極的に上値を追う動きにはなりにくく、株価が上振れても長くは続かなそうです。
また、下の図2は先ほどのポイントの目安になっている25日移動平均線を中心とした日経平均のエンベロープです。
(図2)日経平均(日足)とエンベロープ
以前にも、ここ2年ぐらいの期間の日経平均はこの3%と6%が上値や下値の目処になることが多いと説明してきましたが、足元の動きも±3%内での推移になっています。ただ、エンベロープの向きが下向きのままであるため下振れへの警戒は残ります。よって、上向きに転じるまではこの範囲内でのもみ合いがメインシナリオになりそうです。
「またレンジ相場かよ」と言いたくもなりますが、中期的なシナリオが描きにくく、将来の期待も先取りしにくい相場環境では、どうしても視野が短期的になりがちになります。また、株価水準的にも動きにくさが感じられます(下の図3)
(図3)日経平均(日足)(2017年4月24日取引開始時点)
足元の水準は、今年に入ってから3カ月以上にわたって続いたもみ合いと、昨年11月下旬から12月あたまにかけて、トランプ相場の上昇が一服してもみ合った局面のふたつのもみ合いの間に挟まれている状況になっています。
(土信田 雅之)
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