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後味が良くない日経平均の年初来高値更新

トウシル / 2017年6月26日 0時0分

後味が良くない日経平均の年初来高値更新

後味が良くない日経平均の年初来高値更新

先週の国内株市場ですが、週末6月23日(金)の日経平均終値は20,132円でした。前週末終値(6月16日の19,943円)から189円ほど上昇し、週足ベースでプラスに転じたほか、6月20日(火)の取引では、ザラ場・終値ともにこれまでの年初来高値を更新する動きを見せるなど、株価水準的には堅調さを保った格好です。ちなみに、6月20日(火)の高値は20,318円、終値は20,230円でした。

(図1)日経平均(日足)の動き(2017年6月23日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

ただ、以降の日経平均のローソク足の並びを見ると、折角の年初来高値更新が少し後味の良くないものになっています。上の図1を見てみますと、年初来高値を更新した6月20日(火)から23日(金)のローソク足まで、4本連続で陰線(終値<始値)となっています。

とりわけ、20日(火)のローソク足は、上ヒゲが長い「塔婆(とうば)」になっています。お墓の傍に立ててある木の板の形に似ていることからこう呼ばれているのですが、「買い上がって高値をつけたものの、勢いが続かずに上げ幅を縮小し、終わってみれば始値とあんまり変わらない値段で終えた」ことを意味しています。

相場の天井圏で塔婆が出ると、上昇から下落トレンドに入る転換点として意識されることが多く、今回の場合も、その後に連続して陰線が出現という形になっています。とはいえ、23日(金)時点では5日移動平均線がサポートとして意識されているために下値も堅い印象です。

となると、引き続き今週もこの状態を維持できるか、また、5月からの日経平均は25日移動平均線から上放れして上昇した後、再び25日移動平均線の水準まで調整するというパターンが繰り返されていますので、足元も25日移動平均線まで調整して再び上昇に転じるのかがポイントになることが想定されます。

ただし、今週は国内企業の株主総会がピークを迎えます。この時期は機関投資家が株価に配慮をして売りを手控えるという経験則というか、紳士協定があるといわれています。基本的にはレンジ相場の継続が今週のメインシナリオになりますが、国内要因に限れば下値不安が後退するため、年初来高値更新をトライする可能性もありそうです。

また、下の図2はこれまでにも何度か紹介した、「線形回帰トレンド」です。起点は昨年11月9日の米大統領選挙時としています。

(図2)日経平均(日足)の線形回帰トレンド(2016年11月9日を起点)

(出所:MARKETSPEED for Macを元に筆者作成)

図2の見た目からも、全体的な方向は緩やかながらも右肩上がりで、上昇トレンドが継続していることが判りますが、最近の日経平均は中心線と+1σ(シグマ)のレンジの範囲内で動きそうな雰囲気になっています。なお、現在の中心線の水準は、ちょうど25日移動平均線の水準、−1σの水準は75日移動平均線とほぼ同じです。

また、同じ線形回帰トレンドでマザーズ指数も見てみます。

(図3)マザーズ指数(日足)の線形回帰トレンド(2016年11月9日を起点)

(出所:MARKETSPEED for Macを元に筆者作成)

先週末23日(金)のマザーズ指数は前日比で−2.84%の大幅下落を見せています。

ただし、上の図3の線形回帰トレンドで見ると、直近のマザーズ指数は+2σを超えていて、やや過熱感が感じられること、そして23日(金)の下落が下げ止まったのが+1σの水準だったことを踏まえると、足元の下落はまだトレンド転換ではなく、調整の一環であると考えることができます。

FOMC通過後も視界は晴れず?

(土信田 雅之)

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