円先安観強まり、円ショート枚数が大幅増加。ポンドは再びショートへ。最新IMMレポート分析
トウシル / 2017年11月1日 11時40分
円先安観強まり、円ショート枚数が大幅増加。ポンドは再びショートへ。最新IMMレポート分析
IMMポジション推移(10/03~10/24)
円:円のネットショート、急拡大
CFTC(全米先物取引委員会、Commodity Futures Trading Commission)発表による10月24日現在の建玉報告によると、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)通貨先物市場において、投機筋の円のネット枚数(円の買い建玉と売り建玉の差)は、11万6,857枚のショートで、円の売り持ち残高が多く、ドル換算にすると約128億ドル相当の円の売り持ち(ドル買い持ち)状態になっています。
円のネットショート枚数は、前週比で15.4%(約17億ドル)も大きく増えました。
売買別では、買い建玉(円ロング)が前週比約9.2%増加。一方売り建玉(円ショート)は前週比約13.2%増加。ドル/円が7月以来となる114円台にのせ、円の先安観がいっそう強まったことが円ショートの急増の背景と思われます。買い建玉の枚数も増えましたが、売り建玉はその4倍も増えています。
IMM円 2015.10~2017.10
ユーロ:ユーロのネットロングは2週連続で縮小
- ユーロのネット枚数(ユーロの買い建玉と売り建玉の差)は8万3,504枚のロングで、ユーロの買い持ちが多い状況が続いています。
- ユーロ換算にすると、約104億ユーロの買い持ち(=約121億米ドルの売り持ち)。
- ネットロング枚数は、前週比7.7%減。
- 売買別では、買い建玉が前週比1.7%減り、売り建玉は3.9%増えました。
- 今回のレポートはECB会合の直前で、IMMでは様子見も多かったと思いますが、スペインのカタルーニャ自治州の分離独立問題が悪材料となってユーロの上値を重くさせました。
IMMユーロ 2015.10~2017.10
豪ドル:豪ドルのネットは4週連続で縮小。売り建玉大きく増える
- 豪ドルのネット枚数(豪ドルの買い建玉と売り建玉の差)は5万7,250枚のロングで、豪ドルの買い持ちが多い状況が続いています。
- 豪ドル換算にすると、約57億豪ドルの買い持ち(=約44億米ドルの売り持ち)。
- ネットロング枚数は、前週比7.4%減。
- 売買別では、買い建玉が前週比0.1%増える一方、売り建玉は前週比19.2%も増えました。
- 17日に公表されたRBA議事録が、「豪ドルの大幅な上昇は、成長を鈍らせる」と、「大幅」の表現を新たに付け加え、通貨高対する不満を強調。豪ドルの持ち高を減らすきっかけとなったようです。
IMM豪ドル 2015.10~2017.10
ポンド:再びショートに転換
- ポンドのネット枚数(買い建玉と売り建玉の差)は、1,485枚のショート。
- ポンドのネットロングは、4週間で終わり、再び売り持ちが多くなりました。
- ポンド換算にすると、約0.9億ポンドの売り持ち(=約1億米ドルの売り持ち)
- 売買別では、買い建玉が前週比9.2%減ったのに対して、売り建玉も前週比0.3%減りました。買い建玉の解消が、ネットショートに切り替わった主な理由です。
- BOEの利上げ期待でポンドをロングにしたものの、英国の指標をよく見ると元気がなく、利上げは1回こっきりで終わりそうだと、冷静に戻って買い建玉を落としたようです。
IMMポンド 2015.10~2017.10
(荒地 潤)
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