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「金」を動かすイベント目白押し。買い圧力強く、「原油」は上昇

トウシル / 2017年11月1日 15時30分

「金」を動かすイベント目白押し。買い圧力強く、「原油」は上昇

「金」を動かすイベント目白押し。買い圧力強く、「原油」は上昇

金を動かすイベント目白押し

 金相場は下落。ドルの上昇が嫌気されている。

 今週は材料が多く、それらの内容に一喜一憂しながら短期的に上下する展開になることになるだろう。ただし、何が本質的な材料かを見極める必要がある。ただし、目先はサポートの1,275 ドルを維持しており、崩れていない。

 この日はコンファレンス・ボード発表の10 月のCCI(消費者景気信頼感指数)が前月から大幅上昇、約17 年ぶりの高水準を記録し、10 月のシカゴPMI(購買部協会景気指数)も予想を上回り、6 年半ぶりの高水準となった。これらの指標から米国景気の堅調さが裏付けられ、ドルが買われている。

 さらにトランプ米大統領が公約に掲げる税制改革について「12 月下旬のクリスマスまでに実現することを期待している」と表明。法人減税の引き下げペースが遅れるとの報道については「政権は望んでいない」と強調したことも、ドルの買い戻しにつながったといえる。これらは金相場の重しになる。

 一方、10 月31 日~11 月1 日開催のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、政策金利は据え置かれる見通しだ。

 2日にはトランプ大統領が次期FRB(米連邦準備制度理事会)議長指名を発表する見通しであること、さらに3 日には10 月の米雇用統計の発表が控えていることもあり、目先は動きづらい。

 全般的には米国株が堅調であり、ドルが買われやすいのだが、それでも金相場は下げていない。押し目を買いたい投資家が多いということだろう。

 

非鉄は押し目買いが下値支える

 非鉄相場はおおむね堅調。LME (ロンドン金属取引所) 在庫は銅が増えたが、その他は減少した。

 アルミは2,150 ドルを維持して反発しており、基調はやはり強いといえる。2,180 ドルを超えると、上昇に勢いがつくだろう。銅は小動きだが、堅調さは維持した。6,680 ドルをサポートしていれば問題ない。ニッケルは急伸し、1万2,405 ドルまで上昇。高値を更新した。ここで急に値を上げるのも驚きだが、やはり強いのだろう。

 亜鉛も大幅続伸し、3,200 ドル台後半まで値を戻している。鉛は小幅反発だが、下げ渋っている。これらを見ても、非鉄相場は下がらなくなってきている。買い遅れや買いたい投資家の押し目買いなどが下値を支えているのだろう。

 

買い圧力強く、原油は上昇

 原油は続伸。10 月は月間ベースで5%超の上昇となった。上昇すれば、米国内のシェールオイル生産者による増産や米国からの原油輸出の拡大が想定され、これが原油相場を抑制するとの見方がある。短期的には買われすぎ感が強まっており、手仕舞い売りも出るだろう。しかし、高値を更新しており、買い圧力のほうが強い。

 一方、ブレント原油とWTI (ウエスト・テキサス・インターミディエート) 原油のスプレッドが7 ドル近くに拡大しており、米国の輸出業者にとっては収益機会が広がっている。

 OPEC(石油輸出国機構) の10 月産出量は、前月から日量8 万バレル減の3,278 万バレルだった。イラク北部の輸出が減ったことや、他の産油国が協調減産合意を堅持した。

 イラクが日量12 万バレル減と最大の落ち込み。政府軍が油田都市キルクークを掌握するなどことで、月半ばごろに同国北部の産出量と輸出が減少したことが影響したとみられている。

 減産合意の順守率は92%で、前月の86%から上昇。サウジアラビアの産出量が、OPEC目標を引き続き下回ったことや、景気後退に直面するベネズエラの産出量が一段と減少した。

 OPEC は11 月30 日の総会で、来年3 月までとなっている協調減産期間を延長する見込み。ただし、減産幅の拡大には踏み込まないようだ。

 いずれにしても、市場はようやく減産を正しく評価し始めているといえるだろう。このまま推移すれば、早ければ年内にもいずれ65 ドルから75 ドルの適正レベルに戻していくことになりそうである。

(江守 哲)

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