「ムダな洋服」をつい買ってしまう人の盲点 高額なうえに場所も取る、買い物の鬼門

東洋経済オンライン / 2017年3月21日 8時0分

大事なおカネをムダにしないために知っておくべき鉄則とは?(写真 : muku / PIXTA)

桜の便りが聞こえる頃になると、われわれの生活スタイルも春モードへと切り替わる。衣替えもかねて、春物の服を買おうと計画している人も多いだろう。同時に、決算セールや冬物処分バーゲンといった文言が店を飾る時期でもある。ついついサイフの口が開きがちだが、大事なおカネをムダにしないために知っておくべき鉄則を紹介しよう。

■バーゲンは「オトクの罠」の宝庫

「オトクには罠がある」。私がたびたび伝えている言葉のひとつがこれだ。特にバーゲンはこの「オトクの罠」の宝庫と言える。

行動経済学によると、人は1万円をもらった時の喜びより、1万円を損した時のダメージのほうをより強く感じるという。とにかく損をすることを嫌うのが人間のさがなのだ。

ところが、損をしたくない心理が、かえって損を呼び込むことがある。それが罠の正体だ。ネット通販の送料を払いたくないから一定の金額になるまで不要なものまで買ってしまう。1着だけ買いに行ったはずの服を10%オフになるからと言われ、合計3着買ってしまう。どちらも、もともとの予算よりも多くおカネを払わされているのだが、「無料」「割引」というフレーズに惑わされてしまうのだ。トクしたつもりでも、予定以上のおカネを使ってしまった時点で、明らかにそれは「しなくてもいい出費」、つまりムダ遣いをさせられたということになる。

こうならないためには、感情ではなく勘定で計算すること。送料無料や3着1000円といったいっけん得になりそうなもののために、いくら財布からおカネが出るのかを冷静に数字で確認するのだ。当たり前のようだが、買い物熱が盛り上がっていると、それができない人が意外と多いのではないだろうか。

ちなみに、筆者は『「3足1000円」の靴下を買う人は一生お金が貯まらない』という本を出しているが、えてしてセット買いは無駄な支出になる、1足でいいなら不要な2足はなるべく買うなという意味だ。

3という数字は人を迷わせやすい。2つは簡単に選べても、3つ目が無理やりのセレクトになりがちだ。そうして無駄な1足を買うくらいなら、本当に気に入ったデザインを3足のうち2足、もしくは3足全部そろえて買うほうが合理的だろう。

■50%オフの魔術に人はかくも弱い

われわれを惑わせる価格のマジックとしてよくあるのが、次の例だ。

大幅値下げと書かれたPOPに吸い寄せられ、そこにあったスーツの値札を何気なく見たとする。5万円という値札に「50%オフ」というシールが貼られていたのを見たとたん、「おお、半額じゃないか、これは安い!」と思ってしまう。5万円のスーツが2万5000円というのは確かに大幅値引きでオトクだ。しかし、隣に定価で2万円のスーツが並んでいたとしたら、どうだろう。こっちのほうが5000円も安く買えるのだが、やはり半額スーツのほうに手が出るのではないだろうか。この心理は「アンカリング効果」といわれる。2万5000円という価格が安いかどうかという判断ではなく、最初の5万円がアンカー(錨)になって、そこからの下げ幅が大きいことで「安い!」と感じさせられる錯覚なのだ。

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