フランスでも「EU離脱派」が大統領になるのか 極右ルペン失速、追い込む極左メランション

東洋経済オンライン / 2017年4月19日 8時0分

大混戦のフランス大統領選。極右ルペンや中道マクロンを追い上げる、左翼党のメランション候補(写真:AP/アフロ)

フランス大統領選挙が前代未聞の団子状態になっている――。

4月23日に行われる1回目の投票まで1週間を切り、フランス大統領選挙が大混戦だ。各種世論調査を見ると、11人の立候補者のうち、5月7日予定の2回目投票(決選投票)進出が射程に入っているのは、4候補。投票直前までデッドヒートは続きそうである。

「前例のない不確実さ」。4月11日付のフランスのル・モンド紙はこう伝えた。1回目投票で「誰を支持するか」を聞いた世論調査では、現在、極右政党「国民戦線」党首のマリーヌ・ルペン氏と、中道左派で無所属のエマニュエル・マクロン氏がトップ争い。これに最大野党の右派、共和党のフランソワ・フィヨン氏と、政治運動「不服従のフランス」をリードする極左派のジャン=リュック・メランション氏がこれに続く。政権与党である社会党のブノワ・アモン候補の支持率は低迷し、もはや蚊帳の外に置かれた感がある。

世論調査のプラットフォーム「POP2017」によると、15日時点ではマクロン氏が23%でリードし、ルペン氏も22%と僅差だ。フィヨン氏とメランション氏が追い上げて、いずれも20%とほぼ団子状態にある。アモン氏は8%にとどまる。他の世論調査でも、上位2人と下位2人の差が縮まっており、もはや”誤差の範囲”ともいえよう。

■上位2人による決選投票が濃厚に

大統領選は1回目で過半数を獲得する候補がいなければ、上位2人による2回目の投票が行われる仕組み。今のところ、抜きんでた候補が見当たらず、決選投票の可能性が濃厚だ。

大接戦となっているのは、上位2人の支持率の伸び悩みが一因とみられる。マクロン氏は、著名な経済学者のジャック・アタリ氏を介してフランソワ・オランド大統領に出会ったのを機に、政治の道を歩み始め、2014年には経済・産業・デジタル担当相に任命された。が、昨年8月に辞任を表明して社会党を飛び出し、現在は政策集団「前進!」を率いる。

マクロン候補は、欧州連合(EU)との関係では、「親EU」の立場を標榜。EU圏の経済・財政担当大臣ポスト新設などを唱える。社会党出身でありながら、法人税引き下げや公務員の12万人削減といった策も提唱しており、同氏いわく「左も右もない」立場だ。

何より39歳という若さを武器に、精力的な選挙戦を展開して幅広い層から人気を集め、一時は大統領の最有力候補とみられていた。しかし、ここへきて、その人気にもやや陰りが見える。「有権者とのコミュニケーションでつまずいた」(ル・モンド紙のフィリップ・メスメール記者)ためだ。1つの例が南米大陸にある仏領ギアナをめぐる発言である。ギアナでは経済停滞などに対する抗議行動が激化してゼネストへ発展。この問題に関連して、同候補はギアナが「島」ではないにもかかわらず、「島」と受け取られるような表現を使ってしまったのだ。

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