松屋と吉野家の「超絶進化」に見る牛丼の未来 空前の人手不足に、両社が模索する「打開策」

東洋経済オンライン / 2017年5月4日 10時0分

セルフサービス式に改装した本郷三丁目店。外観は通常店と変わらない(写真:記者撮影)

黄色の看板が目印の、大手牛丼チェーン「松屋」。東京都文京区にある本郷三丁目店が、およそ3カ月の改装期間を経て、4月24日に新装開店した。セルフサービス式の新型店として生まれ変わったのだ。

外観は従来の店と変わらないが、入り口には「セルフサービス店限定 メイン商品全品10円引き」の貼り紙があり、牛めしや定食など、ご飯がつく商品は従来店より10円安い。中に入ると、フルサービス型の従来店との違いは一目瞭然だ。牛丼店の代名詞であるU字型カウンターがなく、客席スペースが広く取られている。

入り口を入って左手にある券売機で食券を購入すると、「席でお待ちください。お冷やはセルフサービスとなっておりますので、ぜひご利用ください」という店員の声が店舗の奥から聞こえてくる。

■セルフ式松屋が目指すもの

入り口右手にはドリンクステーションがあり、無料の水・お茶のほか、コーヒーと生ビールのサーバーがそなえられている。コーヒーなら100円、生ビール小ジョッキなら150円を投入し、客自身がカップに注ぐ方式となっている。

食券を購入した時点で、オーダーは奥にある厨房に通っている。食券には呼び出し番号が印字されており、店内にあるモニターには「調理中」の商品番号と「出来上がり」の商品番号が表示される仕組みになっている。モニターを見ながら待つ様子は病院や調剤薬局のようだ。

数分すると、「◯◯番、牛めし並盛でお待ちのお客様」と店員に呼ばれ、「提供口」と書かれた奥のカウンターに商品を取りに行く。提供口の横には調味料がまとめて置かれていて、ドレッシングやソースはここでかける。

■セルフ式店舗が続々と誕生

食事後は、カフェのように「返却口」にトレイや食器を返却する。従業員は、基本的に提供口と奥の厨房にいればよく、接客のための移動は少ない。接客や商品提供のためU字型カウンター内を従業員がせわしなく動いていた従来店のイメージはない。

運営元の松屋フーズはこの本郷三丁目店と同様のセルフ式店舗を、主に既存店を改装する形で出店している。2016年9月~2017年3月にかけて、穴川オーツーパーク店(千葉県)、神松寺店(福岡県)、湘南台店(神奈川県)がセルフ式店舗になった。

松屋がセルフ式の実験店を出した狙いは、労働時間の削減や生産性の向上だ。多くの外食チェーンと同様、松屋でも従業員確保が課題となっている。

たとえば、生産性向上のために2017年3月までにグループ全店、約1000店の券売機を入れ替えた。ボタンの数が限られている従来型券売機からタッチパネル式券売機に変更することで、新メニュー導入時の券売機設定時間や、小鉢の種類を客に聞く時間が不要になった。

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