マクロン大統領が抱える「深刻な3つの問題」 フランス大統領選挙の世界史的な意義

東洋経済オンライン / 2017年5月8日 23時0分

フランスはマクロン氏の勝利で「5年の猶予を稼いだ」にすぎない(写真:Best Image/アフロ)

フランス大統領選挙が終了した。予想通りエマニュエル・マクロン氏が勝利を収め、39歳の大統領が誕生する。EU研究の第一人者である遠藤乾・北海道大学大学院教授が緊急寄稿。今回の選挙結果の持つ「世界史的な意義」などについて分析する。

2017年はヨーロッパの選挙イヤー。3月のオランダに始まり、5月のフランス、6月のイギリス、9月のドイツ、そしておそらくイタリアがそれに続く。

■「世界の見え方が変わる大統領選挙」になった

その中でも、天王山がフランスだ。歴史のある民主主義国で、EUの中心国であるだけでなく、歴史的に政治の振り幅が大きく、国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン氏の躍進もあり、大統領選に注目が集まった。世界的にも、EU離脱を決めたイギリスの国民投票、アメリカのドナルド・トランプ大統領の選出に引き続く政治的なイベントであることから、なおさらである。

2016年のイギリス国民投票の時と同様〔東洋経済オンラインでの寄稿は3本。「英国はEU離脱で『のた打ち回る』ことになる」、ほかの2本はこちら(2)(3)〕、今回の選挙に際しては、フランスの田舎を回った。いわゆるフランス版の「ラストベルト」で見えてきたのは、地域、階層、世代その他多くの属性に沿って、グローバル化の下でフランス社会に走る深い断層だ(なお朝日新聞Globe紙におけるルポも参照されたい)。

今回の選挙は、そうした社会経済構造を背景に実施された。決選投票の結果は、中道「前進!」の若き指導者エマニュエル・マクロン氏が66.1%の票を得、33.9%のマリーヌ・ルペン氏を下し、任期5年の大統領の座を射止めた。

結果自体は大方の予想どおりだが、この選挙には大きな意味がある。やや大げさに言えば、「世界の見え方」が変わる選挙であった。ここでは、まずこの選挙を素のままで振り返ってみよう。そのうえで、なぜそうなったのかという背景、どのような(世界史的)意義があるのか考察し、今後を占う。

周知のとおり、2回投票制のフランス大統領選では、初回でいずれかの候補が過半に達しなければ上位2位が決選投票に臨む。第1回目では、11人が立候補し、22.23%が棄権する中、上記のマクロン、ルペンがそれぞれ865万6346票(24.01%)、767万8491票(21.30%)で勝ち残った一方、2大政党の候補であるフランソワ・フィヨン(共和派)とブノワ・アモン(社会党)が、20.01%と6.36%でどちらも決戦に進めず、急進左派のジャン=リュック・メランションが19.58%と躍進した。

■2017年大統領選の「3つの特徴」とは?

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