「ラルフローレン」が米旗艦店を閉店した事情 アパレル界の優等生に何があったのか

東洋経済オンライン / 2017年5月20日 8時0分

ラルフローレンはニューヨークの5番街にある旗艦店を4月半ばに閉店した(写真:ロイター/アフロ)

アメリカントラッドの象徴、ラルフローレンが苦戦している。先日、2013年にオープンしたばかりのニューヨーク5番街の旗艦店の閉店を発表。創業者のラルフ・ローレン氏に代わり、2015年11月に就任したばかりのステファン・ラーソンCEOは、5月1日付で退任した。1967年の創業以来、世界中の若者たちを魅了し続けてきたアメトラの旗手に何が起こっているのだろうか。

ラルフローレンの業績に陰りが見えたのは、実はここ最近のことだ。世界的にアパレル業界が苦戦するなかで、2011〜2014年度決算は増収増益と好調だったものの、2015年度は一転して減収減益に。5月18日に発表された2016年度決算も、売上高が66億5200万ドルと前年比10%減ったほか、営業利益も3億6500万ドルと前年から12%落ち込んだ。

こうした中、17日には、P&G(プロクター&ギャンブル)グループのビューティ部門のグローバルプレジデントだったパトリス・ルーベノ新CEO就任を発表している。

■敏腕CEOがわずか1年で退任

1代で帝国を築き上げた創業者兼デザイナーのローレン氏がCEOを退任し、ラーソン氏に舵取りを任せたのは2015年11月のこと。同氏はH&Mでキャリアを積み、オールドネイビーのグローバル・プレジデントとして業績を大幅に回復させた人物だ。

就任から半年後の2016年6月には、大規模な再建計画「ウェイ・フォワード・プラン」を発表。50店舗以上の不採算店の閉鎖、全従業員の8%にあたる1000人の正社員のリストラ、ECの強化などを進めてきた最中の退任だった。退任の理由は、ラルフローレンとのクリエーティブ面でのビジョンの違いが大きかったといわれるが、わずか1年半の短い“結婚”はラルフローレンの迷走ぶりを象徴しているといえよう。

5番街の旗艦店の閉店は、この再建計画の一環で、推定で年2500万ドルといわれる家賃が大きな負担となったといわれている。閉店に関する諸経費は3億7000万ドル(約412億円)かかるが、以降は毎年1億4000万ドル(約156億円)のコスト削減が見込める計算だ。2階にあった新業態のカフェ「ラルフズ コーヒー(Ralph's Coffee)」は、好評だったため、他店での継続・発展を模索するという。

ニューヨークのラルフローレンの象徴がなくなってしまったような印象を受けるかもしれないが、決してそういうわけではない。長い歴史を持つマディソンアベニュー867番地のメンズの旗艦店、同888番地のウィメンズの旗艦店は健在で、単純に3年前の状態に戻っただけともいえる。

東洋経済オンライン

トピックスRSS

ランキング