上野御徒町、松坂屋の変身で「若返り」なるか パンダの赤ちゃんに続き新施設誕生で活性化

東洋経済オンライン / 2017年9月16日 8時0分

23階建ての高層ビルに生まれ変わった松坂屋上野店の南館跡地。高い建物が少ない上野御徒町にあって独特の存在感を放つ(記者撮影)

上野動物園のジャイアントパンダの赤ちゃん誕生で盛り上がる東京・上野。約250年の歴史を持つ老舗百貨店の松坂屋上野店も、お祝いセールを開催したり、関連商品を販売したりするなど、今夏は祝賀ムードに包まれた。

その松坂屋上野店の南館の跡地が11月、パルコや映画館、オフィスが入る23階建ての高層ビルに生まれ変わる。

■「まだ掘り起こせていない市場がある」

「まだ掘り起こせていない潤沢な市場がこの(上野)エリアには存在する」。大丸松坂屋百貨店とパルコを傘下に持つJ.フロント リテイリングの山本良一社長は、9月14日に開かれた記者会見でそう話した。同社は松坂屋上野店南館の跡地を、パルコなどが入居する複合ビル「上野フロンティアタワー」に再開発した。

11月4日にオープンする商業エリアは、1~6階にパルコ、7~10階にTOHOシネマズが入居する予定。百貨店の松坂屋が入るのは地下1階のみで、隣接する松坂屋上野店本館とは連絡通路でつながる。J.フロントにとって、2012年に連結子会社化したパルコと百貨店事業の連携は今回が初めてとなる。

12~22階はオフィスフロアとなり、すでに全フロアでテナントが内定しているという。ビルを保有する大丸松坂屋百貨店は、パルコやTOHOシネマズ、オフィステナントから賃料収入を得る仕組みだ。

松坂屋上野店南館の跡地の再開発は、松坂屋銀座店跡地に開発した「GINZA SIX」(ギンザ シックス)に続き、従来の百貨店モデルからの脱却を進めるJ.フロントの戦略を具現化したもの。大丸松坂屋百貨店や森ビルなど4社が共同出資した会社が運営するギンザ シックスも、入居するテナント店舗からの賃料を収益源とする。

J.フロントの山本社長は「(パルコではなく)百貨店という選択肢も経営的には十分可能性があった。ただ、伝統的な百貨店をやって本当にお客様に喜んでいただけるか。ターゲット層を拡大することのできる商業エリアを開発しようと考えた」と強調した。

■パルコで30~50代を取り込む

松坂屋上野店は東京メトロ銀座線の上野広小路駅に直結し、日比谷線やJR、都営大江戸線の最寄り駅からも徒歩3分圏内と、都内各地からのアクセスは抜群。ただ、土地柄もあって客は60歳以上のシニア世代がメインとなり、ほかの百貨店よりも年齢層が高い。

周辺にはアメ横や大型ディスカウントショップのほか、老舗の小売店や飲食店がひしめく。その一方で、若者が買い物できるような大型商業施設は少ない。J.フロントは、パルコを入れることで幅広い世代を街に呼び込む起爆剤となると判断した。

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