日本人が知らないフィンテック大国の実像 あのインドで急速に進むキャッシュレス

東洋経済オンライン / 2017年12月8日 8時0分

世界最大のフィンテック・フェスティバル。会場は各国からの参加者で連日大盛況を見せた(筆者撮影)

シンガポールの金融当局・シンガポール通貨監督庁(MAS)が主催する、世界最大のフィンテックに特化した見本市、フィンテック・フェスティバルが先月、シンガポール・エキスポで開催された。2回にわたってリポートをお届けしよう。

フィンテックとは、金融(ファイナンス)とIT(インターネットなど情報技術)が融合した新しいビジネス業態。世界中で進みつつある動きだ。昨年開催されたフィンテック・フェスティバルの第1回は、60カ国から1万3000人が参加したが、今年はそれをさらに上回る大盛況となり、100カ国以上から約3万人が集結した。

シンガポール政府は、国としてフィンテックの育成に本腰を入れており、国際金融拠点としての競争力を強化して、アジアのハブとなることを目指している。会場では、各国からのスタートアップはもちろん、大手金融機関や投資家、政府関係者らが集まり、至るところで情報交換をする光景が繰り広げられた。

その場でビジネスチャンスを見いだそうとパソコンを広げて直接交渉をする姿も見られた。単なる展示会にとどまらず、協業の可能性や投資の機会を探り合うことができる場としてシンガポール政府が後押ししているだけあり、会場は熱気があふれていた。

■目立ったのはインド勢

とりわけ、今回目立っていたのはインド勢だ。実際に参加した“スタートアップ”の内、36%は地元シンガポールの企業だったが、次いで多かったのが17%のインド企業。3位のアメリカ企業が8%だったことをみても、インドがフィンテック分野で新たなスタートアップを次々に創出していることは明らかだ。会場を見渡してもインド人の多さが目立った。

インドのフィンテック革命の“震源”とも評されるムンバイで、セキュリティやプライバシー保護などにおける分野において、AIとブロックチェーンの技術を生かしたビジネスソリューションを提供するスタートアップ企業を立ち上げたインド人エンジニアの男性は、こう話す。

「フィンテック分野では今、社会貢献などをも成しうるスタートアップが続々と生まれています。われわれのスタートアップでも、女性起業家の支援につながる策を開発するなど、インド全体の経済が活性化する潮流を作っているという興奮があります。特にインドは、農村部など貧困層が多い国なので、新たなアイデアがゼロから生まれやすい土壌があるのです」

ちなみに、ブロックチェーンとは、インターネット以来の発明ともいわれ、複数のコンピュータで情報を共有し、相互に監視しながら外部からの侵入などを防ぐ高いセキュリティ機能を確保している。システム導入コストも飛躍的に安いために、中小企業や自治体などが簡単に導入できるという特徴を持っている。

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