シャープ、1部復帰で試される8KTVの本気度 韓国勢にどう挑む、有機EL戦略も注目集める

東洋経済オンライン / 2017年12月8日 8時0分

シャープが東京証券取引所1部への復帰を果たした。12月7日、東証で開かれたセレモニーで記念撮影に応じる戴正呉社長らシャープの経営陣(撮影:大澤 誠)

スタッフから木槌を受け取ったシャープの戴正呉社長は、やや緊張した面持ちで東京証券取引所の鐘をついた。

主力の液晶事業の不振で債務超過に陥り、2016年8月に東証2部へと降格したシャープ。12月7日、わずか1年4カ月で同1部への復帰を果たした。

現在、鴻海(ホンハイ)精密工業の後ろ盾のもと経営再建を進めるシャープの業績は、劇的に回復している。徹底したコストカットと高単価製品の強化が効き、2017年3月期には3期ぶりに営業黒字に転じた。

■ディスプレー事業が息を吹き返す

2017年4~9月期はさらに改善した。特に牽引したのがディスプレー事業だ。中国市場で鴻海の営業部員を動員した液晶テレビの大増販戦略が功を奏したうえ、収益性の低い韓国サムスン向け液晶パネルの供給を打ち切るなど採算最善策も効いた。その結果、赤字だった同事業の営業損益は163億円と黒字転換している。

4年ぶりの通期最終黒字化も見えてきた今、シャープはディスプレー事業に再び社運を懸ける。

東証一部復帰セレモニーのあとに行われた記者会見で、戴社長をはじめとした経営陣はそろいの真っ赤なキャップを被って現れた。中央には、「SHARP 8K」の文字が躍る。

現在、シャープが次の成長の柱の1つとして掲げるのが、「8Kエコシステム」だ。8Kとは、超高画質の液晶ディスプレー解像度のこと。現在放送されているフルハイビジョン番組の16倍、4K対応テレビの4倍の画素数(約3318万画素)を持つ。

すでに、中国や日本では8K液晶テレビを発売し、業務用ビデオカメラといった放送用や医療用、車載用にも品ぞろえを広げる構えだ。今後は鴻海の資金力をもって、米国や中国で合計約2.2兆円を投じた8Kテレビ工場が稼働することも決まっている。

ただ、とくに一般消費者向けの分野において、8K市場の成長は当面限定的と見る向きもある。

4Kテレビは現在普及期にあり、店頭価格は50インチで15万円を切る場合もあり、一般消費者が手を出しやすい価格に下がってきた。ヤマダ電機やドン・キホーテをはじめ、生産委託による格安4Kテレビの発売も相次ぐ。

対して、シャープが日本で発売した8Kテレビは現在100万円。一般消費者の手が出る価格ではない。さらに、8Kの普及には放送局側の投資が欠かせないが、現状は4K向けの投資で余裕がない。

4K・8K放送はともに2018年12月から衛星放送(BS)で始まるが、4Kの先にある8Kテレビが普及するには時間がかかりそうだ。

■有機ELで「日の丸連合」結成呼びかけ

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