仏壇のはせがわがイオンにまで出店するワケ カリモク家具ともコラボ、「仏壇革命」を狙う

東洋経済オンライン / 2017年12月29日 8時0分

はせがわは今年10月イオンタウンおゆみ野に出店した。従来店にない敷居の低さが特徴だ(記者撮影)

仏壇はこれからショッピングセンター(SC)で買う時代かもしれない。千葉市にあるイオンタウンおゆみ野。ユニクロの隣に今年10月、仏壇・仏具最大手のはせがわが新店をオープンさせた。

明るめの照明。商品を見て歩くスペースもゆったりと確保した。入り口には線香やろうそくのギフト商品などを配置し、仏壇は側面や後方に陳列。目立つ場所にはカリモク家具と共同開発した家具調の仏壇をディスプレーし、伝統的な仏壇は一番奥に並べている。一般的な仏壇店のイメージを大きく覆す店舗づくりだ。

■敷居の低い店づくりにこだわる

「開店以来、商品の購入に加えて、供養に関する質問や相談に来るお客様がとても多い」と、植田和善店長は話す。入りやすい店の雰囲気もさることながら、普段の買い物で使うSC内の店舗だからこそ、気軽に立ち寄るのだろう。

敷居の低い店を目指し、接客方法にも気を使う。「いらっしゃいませ」など声掛けはするが、来店客にすぐ近づいて、つきっきりにはならない。服装もあまり堅苦しくならないようにと、植田店長はノーネクタイで店に出ることもある。

「線香1つ、ろうそく1つを気軽に買われる。少し考えたいといってお店を後にし、30分後に再び来店して仏壇を買っていただいたお客様もいる。従来の店舗ではほとんどなかったこと」(植田店長)。SC内という立地が、顧客の新たな購買行動を引き出している。

「おててのしわとしわを合せてしあわせ なーむ」と少女が唱えるテレビCMで知名度を上げたはせがわ。2代目社長の長谷川裕一氏が業容拡大に舵を切った。九州・山口県を足掛かりに関東、東海にも進出して店舗網を張り巡らせ、業界最大手の地位を確立した。売上高は200億円台前半から半ばをおおむね維持してきたが、消費増税駆け込み需要の反動減で193億円に落ち込んだ2015年3月期以降、200億円台を回復できないままでいる。

売り上げが伸び悩んでいる背景には何があるのか。和室のないマンションが増加しているなどの住宅事情や、供養に対する考え方の変化に伴って多様化した顧客ニーズに十分に対応できていないとみられる。

■新型店舗で仏壇店のイメージを覆す

打開策の1つが新たな店舗スタイルの開発だ。従来はロードサイド店が中心。家族が亡くなるという非日常的な出来事が起こったとき、明確な購入意思をもって来店する顧客を念頭においていた。だが、こうした「待ちの姿勢」だけでは限界がある。「供養や祈り、願いを日常生活に取り入れ、より身近なものにしていただくために新しい店舗づくりに取り組んだ」と、江崎徹社長は語る。ロードサイド店よりも小さい商圏で店舗も小規模ながら、高い収益性が得られるスタイルを確立したいとの狙いもあった。

東洋経済オンライン

トピックスRSS

ランキング