「つみたてNISA」が盛り上がらない根本理由 金融機関の大半がほとんど「売る気なし」

東洋経済オンライン / 2018年1月12日 7時59分

最大800万円投資しても非課税の「つみたてNISA」が盛り上がっていない。個人投資家にはお得な制度のはずだが、なぜなのか(写真:ふじよ / PIXTA)

1月から、いよいよ「つみたてNISA(少額投資非課税制度)」が開始となった。既存のNISA(非課税投資枠が年間120万円まで)と併用はできないが、年40万円を上限に20年間(最大800万円)積み立てが可能で、その運用益に対しては一切税金がかからない。個人が資産形成をするにあたっては、とてもお得な制度のはずだ。ところが、すでに昨年10月に始まった口座受け付け状況は、あまり芳しくないと聞く。なぜなのか。多くの投資信託会社の中で、最もつみたてNISAを積極的に広めようとしているセゾン投信の中野晴啓社長に、つみたてNISAが今ひとつ盛り上がらない背景を聞いた。

■投資信託会社の担当者たちの発言

昨年のことですが、つみたてNISAの商品登録受け付けが始まったころ、金融庁から「投信会社と投信ブロガーの情報交換会を行いますので、来てください」という連絡を受けました。声を掛けられたのは当社だけでなく、同じ独立系ではレオス・キャピタルワークス、それ以外では野村証券、大和証券、ニッセイアセットマネジメント、ブラックロックなどといった、いわゆるメジャーどころの投信担当者が集まっていたのですが、大勢の投信ブロガーを前にして突然、「では、つみたてNISAに対する意気込みを、1社につき5分間でスピーチしてください」と言われたのです。

何の事前予告もなかったので、出席していた各投資信託会社の担当者もびっくりしていましたが、全てではないものの、多くの会社がその場で言っていたのは、「つみたてNISAについては、採算度外視で(口座を増やすように)頑張ります」ということでした。

「採算度外視で……」という言葉が、各投資信託会社の担当者の口から出てくるあたり、つみたてNISAに対する思いが如実に表れています。つまり、「つみたてNISAをどんなに頑張ったとしても、儲からない」という意識が強いのです。

確かに、つみたてNISAの対象となる投資信託は、「ノーロード」といって購入時手数料を取らないものしか認められていません。また、信託報酬率も、個別の銘柄を重視する「アクティブ型」であっても、かなりの低率でなければなりません。

販売する金融機関にとってみれば、投資信託の購入時手数料も、信託報酬に含まれる代行手数料も、非常においしい収益源です。しかし、その両者が稼げないようなサービスには、なかなか力が入らないと思います。担当者たちの発言にもあったように、表向きは金融庁に対して「つみたてNISAを普及させるために頑張ります!」と言っても、ホンネは「こんな儲からないサービスなんて、やっていられない」という意識が強いのです。これでは普及などするはずがありません。

■既存の金融機関は間違った投資信託の売り方をしてきた

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