優先席の劣悪マナーは看過できないレベルだ 若者も中高年も外国人も席を譲らない

東洋経済オンライン / 2018年2月15日 8時0分

京王線の「おもいやりぞーん」。吊り手も黄色で目立つようになっている(筆者撮影)

まだ夕方のラッシュには時間がある、ある日の京王線明大前駅。京王八王子行き準特急はラッシュ前といえほぼ満員の状態、初老の夫婦が優先席のある「おもいやりぞーん」近くのドアから乗り込むも、優先席はスマホに夢中の若者ばかりだ。

夫婦の女性は障害者で杖をついている。夫がドアに一番近いスマホの若者に「すみません、長い時間立っていられない身なのです、譲っていただけませんか?」と申し訳なさそうに言った。するとスマホ男は「オレだって疲れてんだ!」と大声を上げた。周りの乗客が一斉に注目したから、それほどの大声でけんか腰だった。それでもスマホ男はガンとして席を譲ろうとはしない。他の優先席のスマホに夢中の「健常者」もしかりである。

■優先席のモラルはまだまだ低い

実はこの出来事は、わが家族のことである。妻は脳梗塞の後遺症で左手と腰にマヒが残り、歩けるのだが長時間立っていることはできない。身体障害者手帳も所持している。スマホ男は周りの視線を気にしながら千歳烏山で席を立った。私の家内はその後に座り、黙って下を向いたままだった。冷たい世の中というより、ひどい世の中になったものだと思った。

以来、私は各鉄道会社の「優先席」というものを取材して、その現状を自分なりに把握した。以下は私の実体験によるもので、すべてがそうであるとは言い切れない。だが、私が見たところ、「優先席」を必要としている「交通弱者」に対しては、またまだ社会的なマナー、モラルが低いと言わざるをえないとの結論に至った。

私は今年72歳、東京都からシルバーパスを頂戴する年齢になったが、できるだけすいているときは一般席に座るようにしている。優先座席に座った場合でも、私より年長と思われる人や、明らかに障害のある人には必ず席を譲るようにしている。

ときどき、私の風体を見て席を譲られることもあるが、その時は素直に席に着く。ある若者に聞いた話だが「席を譲ろうとしても“年寄り扱いするな”と言われ、バツが悪かった」経験があると言う。こういうことがあると席を譲りにくいことも確かである。

■優先席はいつから登場した?

さて、この「優先席」はかつて「シルバーシート」と言われていた。このためシルバー世代の優先座席と思われがちだったが、身障者、妊婦など立っての乗車が困難な人たち全般にわたっての優先席ということで、現在のように「優先席」「おもいやりぞーん」などと呼ばれるようになった。

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