小田急「ロマンスカー」新ダイヤで沿線に明暗 喜びの海老名、通過の向ヶ丘利用者は「困惑」

東洋経済オンライン / 2018年3月16日 8時0分

2017年12月5日、小田急電鉄の大野総合車両所で報道公開された新型ロマンスカーGSE70000形(筆者撮影)

あす3月17日のダイヤ改正から運行を開始する、小田急電鉄の新型ロマンスカー70000形GSE(GSE: Graceful Super Express)。小田急電鉄大野総合車両所でこの車両の報道公開が行われたのは、2017年も年の瀬が近づく12月5日だった。大勢の報道陣で熱気に満ちる中、新型ロマンスカーが車庫から顔を出すと、報道陣のシャッターがGSEに向けて一斉に切られた。この日は鉄道系メディアだけでなく、テレビ・新聞各社も詰めかけ、車内見学会には長い順番待ちができていた。

GSE報道公開では小田急電鉄の星野晃司社長の囲み取材の時間も設けられた。多くの報道陣がGSEのコンセプトや導入の効果などに関する質問に終始する中、筆者は星野社長に、「2018年3月のダイヤ改正で初めて、出勤時と退勤時に町田駅・相模大野駅および海老名駅・本厚木駅に連続停車する特急が設定されるが、今後特に海老名駅・本厚木駅に連続停車する特急の本数を増やす考えはないか」という質問を投げ掛けてみた。

■長年特急が停まらなかった海老名

星野社長は「海老名・厚木の両市とも当社にとっては大切なまちであることから、特急の連続停車を決断した。ご質問の件については現時点では全く考えていないが、今後の状況を見て将来的に検討することもあるかもしれない」と海老名駅・本厚木駅に連続停車する特急本数の拡大の実現に含みを持たせた。

筆者は『「通勤ライナー」はなぜ乗客にも鉄道会社にも得なのか』(東京堂出版、2013年12月)の取材で小田急の担当者に特急の海老名駅・本厚木駅連続停車を直接提案した。以降、海老名市の担当者とも緊密に連携を取りながら、折に触れて特急の海老名駅停車の提案を社会に向けて発信した。同市は1981年から小田急に特急停車の要望を続けてきたが、長らく実現することはなかった。

しかし、ついに2016年3月26日、一部の特急が同駅への停車を開始した。特急の海老名駅停車に慎重だった小田急の姿勢が大きく転換したことを象徴する歴史的な日であった。小田急は公式的には、海老名駅の小田急線とJR相模線との間の「駅間地区」で進めている、タワーマンション、オフィス、商業施設などからなる大規模開発に合わせて、同駅への特急停車を決断したとしている。

ただし、海老名駅への特急停車は本厚木駅の特急の停車本数を減らした分を振り向けたことで実現したのであり、本厚木駅との連続停車は避け続けた。その理由として、連続停車とすると、相模大野駅・海老名駅・本厚木駅の順に停車するパターンの列車が生まれ、停車駅の面で快速急行・急行との差がなくなることが挙げられる。

■連続停車は利用客増の切り札だ

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