大統領への「忠誠心」がない新国務長官の実像 かつてはトランプ氏を猛烈に批判

東洋経済オンライン / 2018年4月17日 7時0分

マイク・ポンペオ氏は、ネゴシエーターとしても未熟だと判断する筆者。その理由とは?(写真:ロイター/Leah Millis)

4月12日、米中央情報局(CIA)のマイク・ポンペオ長官は、国務長官を解任されたレックス・ティラーソン氏の後継者として指名承認の第一関門の米上院公聴委員会で証言した。

その様子をリアルタイムでつぶさに見たが、ポンペオ氏は落ち着かない感じだった。特にロバート・ミュラー特別検察官の「ロシアゲート」捜査について、上院民主党議員たちにいろいろ追及され、右往左往する場面が何度もあった。

ポンペオ氏は、上院議員たちから指名承認を得るための票取りに、あまりに熱心すぎたのかどうか、「愛想笑い」が多かった。国務長官という職責にとって、「愛想笑い」は最も不必要なものと言っていい。ことほどさように同氏が国務長官候補として十分技量があるかどうかという以前に、筆者には、ポンペオ氏の心の中を推し量ると、トランプ大統領への忠誠心が足りないのではないか、という印象が強かった。

せっかくトランプ大統領に新しい国務長官に指名され、その恩義があるにもかかわらず、トランプ大統領のために全身全霊で尽くすという真摯な忠誠心と決意が、ほとんど感じられなかった。それは国務長官候補として、まったくいただけない。

■弁護士としての実務経験も未熟

そもそも変わり身の早さが身上のポンペオ氏。2016年大統領選挙では、フロリダ州選出の上院議員マルコ・ルビオ候補を応援し、トランプ候補を猛烈に批判していた。そのルビオ氏については、同氏が有力上院議員としてテレビ単独インタビュー中に、カメラの立ち位置を外して、水ばかり飲んでいたことを、トランプ候補がユーモアたっぷりに話し、聴衆の喝采を受けたことがある。

今度はポンペオ氏が、「トランプ大統領に対して、はっきりモノが言えるのか、ただのイエスマンではないか?」と公聴会で追及されかかったとき、慌てて水を飲む姿を見せた。それは自信に満ちあふれたネゴシエーターとは似ても似つかず、やはりインタビューに緊張して水を飲む癖があるルビオ氏を想起させるものだった。

このポンペオ氏の自信のなさは、名門ハーバード大学ロースクールの名誉ある『ハーバード・ロー・レビュー』の81人の編集者の1人に入ることはできたものの、卒業後、ワシントンの法律事務所で税務弁護士として、2年半しか法律実務経験がなかったことと関連があるのかもしれない。

米国の法律家の世界には、「税務弁護士というのは、1カ月休暇を取ったら、役に立たなくなる」ということわざがある。米国の税法や各種の規制は、1カ月で大きく変化してしまうことがあるからだ。税務弁護士として2年半の短い実務経験では、ポンペオ氏が上院公聴会の百戦錬磨の議員たちに太刀打ちできなかったとしても不思議ではない。

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