金の「安全資産」としての価値は消えたのか? 金利が上がるならGOLDを持っていても損?

東洋経済オンライン / 2018年8月3日 11時0分

金の価格が冴えない。もはや安全資産としての価値も消えつつあるのだろうか?(写真:つきあかり/PIXTA)

金価格が低迷している。4月半ばに1トロイオンス=1365ドルの高値を付けて以降、現在は1200ドル台前半で推移している。米金利先高観を背景としたドル高傾向を背景に、4月の高値からは10%以上も下落していることになる。

■「安全資産」としての「金の神話」は消えた?

しかし、結論から言えば、現在の金価格の水準は明らかに割安であり、いずれ大きく値を戻す可能性が高いだろう。現在の金価格が安値で推移しているのは、市場参加者の多くが金利と金価格の関係を正しく理解していないことにあると考えられる。

最近は「安全資産としての買い」が金に入らなくなっていることも、金相場の低迷の背景にあるといえる。米中貿易戦争や米欧の関税問題など、政治・経済における不安材料が目白押しのなか、投資家はむしろ金保有を減らしているのが実情である。

また、地政学的リスクの高まりにも反応が薄い状況にあることも金価格の低迷につながっている。イランのハサン・ロウハニ大統領が、米国の対イラン敵視政策を「あらゆる戦争の母」と批判したことに対して、アメリカのドナルド・トランプ大統領はツイッターで「絶対に、永久に、再びアメリカを脅迫するな」と応戦したことで、地政学的リスクが高まったが、安全な資産の逃避先とされる金への買いは膨らんでいない。

このような状況を裏付けるのは、世界最大の金上場投資信託(ETF)であるSPDRゴールド・トラストの保有高の推移である。保有高は7月16日には794.01トンにまで減少し、節目の800トンを割り込んだ。これは昨年8月以来の低水準である。その後は800トンをわずかに回復しているものの、投資家の金への関心が回復し始めているとは言い難い。

もっとも、近年は800トンを割り込むと、おおむねその水準が底になり、金価格も反転し始める傾向がある。金を手放してもよいと考えている投資家の多くは売り切った可能性もある。

一方、金は需要面にも不安を抱えている。二大消費国のインドと中国の通貨に対してドルが堅調さを維持していることがその背景にある。今年第1四半期の宝飾品需要は前年同期比で小幅な減少だったが、その中身を見ると、通貨の影響が大きかったことがわかる。インドの宝飾品需要は、自国通貨であるルピーの対ドルでの下落による、ルピー建て金価格が上昇したことで抑制された。これに対し、中国は自国通貨の人民元が対ドルで上昇したことで、需要は拡大していた。その結果、両国の需要動向が相殺される形で、結果的に第1四半期の宝飾品需要は小幅な減少にとどまっていた。

東洋経済オンライン

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