万引きで実刑を食らった女性の壮絶な半生 摂食障害を経て「窃盗症」になった

東洋経済オンライン / 2018年8月10日 17時50分

万引きをやめられなかった当時の様子を振り返る女性(写真:リディラバジャーナル)

私は盗むことを止められなかったーー。

生活に困窮していたわけでも、盗んだ物が必要だったわけでもない。何でもいいから盗みたい、そんな脅迫的欲求にかられ、来る日も来る日も盗み続けたという女性。窃盗症(通称クレプトマニア)という依存症に罹っていた彼女は2010年、逮捕されて実刑1年10カ月の判決を受けました。

しかし、当時彼女には子どもが3人おり、3人目はまだ乳飲み子でした。

出頭命令が届いたとき、彼女はある覚悟を決めていたと話します。それは、子どもを連れて、一家で国外に逃亡すること。その後、3年半におよぶ逃亡生活の末、日本に強制送還されました。

そんな彼女は、クレプトマニアに至る以前は摂食障害を抱えていました。実は、クレプトマニアになる人のなかには一定数、摂食障害を患っている人がいるのです。

何が引き金で摂食障害になったのか。それがなぜ依存的に窃盗を繰り返す状態に転換したのか。そこに至るまでにどのようなことがあったのか。女性にインタビューしました。

■あまりのショックから情緒不安定に

――万引きをはじめたきっかけはあったのですか。

きっかけは、18年前に現在の夫から「好きな人ができた」と言われたことでした。結婚する半年ぐらい前のことでした。

その後に関係性を修復したのですが、そのときはあまりのショックから情緒不安定になり、気づくと盗みをしていました。

当時住んでいたニューヨークのアッパーウエストサイドにあるグローサリーストアーに立ち寄り、手にした食料品を次々とジム用の大きなバッグに入れていたんです。

誰の目にも明らかな万引きをしていたので、お店の人に見つかり、そのお店には出入り禁止になりました。

――ほとんど無意識的に盗んでいたんですね。

スイッチが入ってしまうと次の瞬間にはもう盗っている、盗ることに全てを賭けているようでした。

今となっては恥ずかしいのですが、そのときは申し訳ないというような罪悪感はまったくなかったんです。

盗んでいたのは食料品が中心でしたが、とくに欲しかったり必要だったわけではないんです。とにかく「盗む」という行為自体にとりつかれたようでした。

■財布から500円玉だけを盗んだ

――ほかにはどんなものを盗っていたのですか。

アメリカに住んでいた頃、友人の紹介で入会したニューヨークの高級フィットネスクラブでクレジットカードを盗み、そのときに初めて警察に捕まりました。

フィットネスクラブのマネージャーもよく知っている間柄でしたし、友人も私のことをかばってくれたので、そのときにはすごく申し訳ない気持ちになりました。

東洋経済オンライン

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