イオン「食品スーパー改革」に踏み込む危機感 大規模化を捨て、「地域密着化」へ大胆に変化

東洋経済オンライン / 2018年10月11日 8時0分

スーパーマーケット事業の大再編に乗り出すイオン。足元の業績は好調で、今2019年2月期は営業利益ベースで過去最高を更新する見通しだ(撮影:尾形文繁)

GMS(総合スーパー)最大手のイオンは10月10日、スーパーマーケット事業の大胆な改革をブチ上げた。

北海道、東北、東海中部、近畿、中四国、九州といった全国6エリアの事業会社をエリア別に統合し、地域ごとにおよそ5000億円の売り上げ規模を有する企業を形成する。同時に、物流センターなどインフラ網も再構築することで、新たな競争力を生み出す狙いだ。

■「顧客ニーズに応えられていない」

2019年3月の中四国を皮切りに、2020年度までに各地域での統合を終える。経営統合した事業会社は全体で、2025年に売上高3兆1000億円(2017年度比30%増)、営業利益1100億円(同180%増)を目指す。

「全国にものすごい数のスーパーマーケットがあるが、いまは顧客ニーズに応えられなくなりつつあるところがほとんど。イオンは(新しい需要に応えるために)変革していく」。同日行われた今2019年2月期上期の決算説明会で、イオンの岡田元也社長はそう語った。

同社のスーパーマーケット事業は2000年度の3000億円から2017年度の3.2兆円へと、中核のGMS事業を上回る規模で成長。GMS事業をベースにした規模の大きさを生かし、物流センターやプロセス(加工)センターなどを集約化して運用することで”規模の利益”を生み出してきた。

だが今後の事業拡大について、イオンは危機感を募らせる。ここ数年は低価格志向に加え、嗜好の多様化、共働き世帯の増加による時短ニーズの高まりといった変化が起きている。加えて、コンビニエンスストアやドラッグストアなど異業種との競争も激化の一途をたどる。

こうした変化に対して、イオンは地域商品の発掘やエリア限定のPB(プライベートブランド)開発などを進めることで、地域の事情に応じたきめ細やかな運営を目指す。「スーパーマーケットの新しい運営を目指すためにも、5000億~6000億円の売上げ規模は必要。エリアごとに6~7つのかたまりとなって、地域に密着して、自主的にやっていく形に変えていく」(岡田社長)。

■生産性向上や物流網の再構築を推進

地域密着化と同時に、プロセスセンター・物流センターのAI活用による生産性向上や物流網統合・再構築を進める。イオンの藤田元宏執行役は「環境変化に自由に、自在に対応するために、われわれのインフラ網は大規模化・汎用化の対極にシフトする。その結果、専門化・適正規模化へと変革し、バリューチェーンの骨格を成していく」と強調する。

  • 前のページ
    • 1
    • 2
  • 次のページ
東洋経済オンライン

トピックスRSS

ランキング