「同和は怖い」という根も葉もない最悪偏見 「無知」こそが最大の敵である

東洋経済オンライン / 2018年10月16日 7時0分

同和地区の出身者との結婚に親戚が猛反対しています(写真:Fine Graphics/PIXTA)

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1年間付き合っている彼がいます。結婚話が進み、双方の家へのあいさつを済ませました。そのとき、彼が同和地区の出身者で、その地区で育ったことがわかりました。ご両親も筋金入りです。同和地区にあるかなり古い専用団地に住んでおられました。

私の住んでいるところは偏見が根強く、親戚は猛反対し、正直私自身も嫁ぐのは怖いです。子どもや親戚にどのような影響があるのか、いろいろ考えると、立ち向かう勇気がありません。でも彼が大好きでとてもつらいです。婿養子なども考えましたが、根本的な解決にはならないのかとも思います。どうすればよいか助言をいただければと思います。

匿名

■無知こそ最大の敵

私は「同和は怖い」といういまだに出回っている話が、根も葉もない迷信と偏見だということに、一人でも多くの人に気づいてほしいと切に思う者です。私もこの国で、マイノリティとして生きてきましたので、人権問題に関しては昔から、多くの人たちと議論を重ねてきました。その結論は、「無知こそ最大の敵」というものです。

それにしても、無知や善意の人たちが無意識に信じてきた迷信や偏見が、どれだけ多くの人を苦しめてきたことでしょうか。しかもそれは、無知とか無意識によるには、あまりにも残酷です。

「同和は怖い」といいますが、私は、迷信・偏見で人々を苦しめ、しかも苦しむ人の心情に何の想像力も働かず、何の罪悪感も持たない人たちのほうが、ずっと怖いです。

これだけだときれい事に聞こえるかもしれませんが、相手の個人的品性や価値観、人格を重視した判断をしましょう。

名著『サピエンス全史』(ユヴァル・ノア・ハラリ)に、私がぜひ、多くの人に読んでほしいと思った記述を見つけました。学者の研究の結果、ボスチンパンジーは20~50頭、ヒトならそのコミュニティや軍隊、その他の集団は、150人までなら1人の人が良好に維持・統率できるのだそうです。

古今東西、少数の特権階級が神話や虚構のヒエラルキーを作り、膨大な集団や見知らぬ人同士を支配するのに成功してきましたが、この150人限界説は、とてもわかりやすいと思いました。

私がここで、『サピエンス全史』の受け売りをさせていただくのには、深い訳があります。私の経験から、「同和地区」への偏見をなくそうという話になると、「理想論かきれい事、または建前論だ」という人が必ずおり、ここでも不毛な議論にすり替えられることを避けたかったからです。

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