トランプ大統領の「本当の敵」は中国ではない 今後のマーケットの鍵を握る重要人物とは?

東洋経済オンライン / 2018年11月9日 8時0分

一方、フロリダ州以外でも「地殻変動」は起きていた。現行の区割りでは共和党は民主党より有利とされたにもかかわらず、共和党は州知事選で7議席を失った(現時点ではコネチカット州は未定)。共和党の故郷であるウィスコンシン州を失った心理的ダメージは大きいし、民主党が地方で躍進したことで、「水面下のオセロゲーム」は加速するだろう。

例えば、民主党はこれまでも、リベラル色が強くなったワシントンD.C.を正式な州に格上げしたり、保護領のプエルトリコを本国の政治に参加させることを目標としてきた。プエルトリコは徴兵が適用されるが、大統領選で投票はできてもカウントはされず、議会に採決権を持つ議員を出していない。民主党は大多数が民主党支持者のプエルトリカンの票を代議員としてカウントしたいのだ。

それだけではない。同党の最大の目標として、大統領選を今の共和党に有利な代議員総取り方式から、民主党に有利な「ポピュラーVOTE制」(一般投票)へ変えることを画策してきた。しかし今の「ゲリマンダー」のような選挙区割りでは到底、実現は不可能だった。だが、地方や州知事の椅子を一つ一つ取ることでオセロの四隅は変わっていく。この中間選挙で民主党はその糸口をつかんだかもしれない。

■「米中貿易戦争」にブレーキも?

そんななか、株式相場に目を向けると、市場を動かすアルゴリズムは上下両院のねじれを悪材料とは見ていない。そしてトランプ大統領と、下院議長に返り咲く予定のナンシー・ペロシ氏は、インフラ整備では妥協できるとの期待も生まれている。また、過去のパターンでは、共和党の大統領と共和党の上院、そして民主党の下院の組み合わせはレーガン政権以来となる(1981~1986)。この間の株価の平均年間上昇率は10.6%だ。さらに中間選挙後は株が上がるジンクスも健在。それらを踏まえ、選挙明けの7日の株式市場は大きく上昇した。

そして、すでにこの雰囲気を好感しているのがアメリカの金融ビジネス界だ。有力者からは米中の貿易戦争にもブレーキがかかることを予想した発言も出てきた。7日はトランプ政権を去った元ゴールドマンサックスのゲーリー・コーン氏が「トランプ大統領が中国との貿易赤字にこだわるのは、未開のアマゾン流域に住むエコノミストの教えを信じているからだ」と挑発的な発言をしたかと思えば、大手資産運用会社ブラックロック社のラリー・フィンク会長も「アメリカ国債を大量に抱える中国と喧嘩をしてはいけない」と再度けん制を入れた。

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