「ボロボロにされた女性」が集う施設のリアル 多くは性暴力の被害者、加害者は身内

東洋経済オンライン / 2018年11月16日 11時10分

都内のはずれにある「社会福祉法人ベテスダ奉仕女母の家 婦人保護施設いずみ寮」(編集部撮影)

この連載「貧困に喘ぐ女性の現実」ではこれまで、大学生、精神疾患、離婚、ひとり親、非正規労働、パワハラ被害、DV被害、キャリアを認められない高学歴、単身の中高年――と、さまざまな悲劇を見てきた。今の日本は離婚や精神疾患など、女性が一度レールから外れると、貧困に転落し、なかなか戻ることができない社会になっている。

もはや誰もの目の前に、ウンザリする現実がある。この連載だけでも普通に学生生活を送りたいだけの女子大生がカラダを売り、ブラック労働や男性上司のパワハラから立ち直れなくて障害者になって苦しみ続けていたり、また精神疾患に悩む非正規労働者が生活保護を断られて自殺未遂なんてこともあった。

20年前だったら極めてマイノリティだった絶望的な風景が日常となってしまった。彼女たちは、このまま苦しいまま生涯を終えるしかないのか。筆者と編集者は課題解決のすべが見つからず、いつも頭を抱えていた。

われわれはその答えを求め、婦人保護施設「いずみ寮」の横田千代子施設長に連絡を取った。婦人保護施設、そして横田施設長は女性に特化した支援者であり、貧困などでボロボロになった女性たちを保護、支援するそのキャリアは30年を超える。日本は家父長制度から男性優位、男尊女卑が根づいている社会なので、賃金格差などで明らかなように女性たちのほうが生きづらい。婦人保護施設は生きづらい女性たちの、最後のセーフティネットとなっている。

【2018年11月21日23時15分追記】初出時、関係者に不快な思いをさせかねない記述があったため、本文の表現や写真を一部差し替えました。

■ごく普通の女性たちが、傷ついてたどり着く場所

東京都内のはずれにひっそりと立つ。最寄り駅はなく、深刻な被害を受けた性被害者、そして苦難から措置された女性たちを保護している施設だ。

「婦人保護施設は、根拠法が売春防止法。福祉の中では最もマイナーな存在で、一般の方々には売春に絡む特殊な女性がいるのではないか、みたいな感覚をもたれますね。実際はまったくそうじゃなく、ごく普通の女性たちが、傷ついて、傷ついて、結果的にはこういう施設にたどり着くといいますか。逆にたどり着けてよかったと思っています」(横田千代子施設長)

婦人保護施設は1956年制定の売春防止法と2001年制定のDV防止法が根拠法となって各都道府県に設置されている。全国49カ所しかなく、貧困や精神疾患などで自立して社会生活が送ることができなくなった、ボロボロになった女性が最後に措置される場所である。

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