「株が現金より運用成績悪い」異常が示す予兆 アメリカで「キャッシュ」が魅力的になっている

東洋経済オンライン / 2018年12月14日 9時0分

景気悪化の予兆となるサインが出ている(写真:NicoElNino/iStock)

アメリカで、2年債の利回りと5年債の利回りが逆転し、景気悪化の兆しではないかと心配されている。

いわゆる短期金利が長期金利を上回り、イールドカーブ(利回り曲線)が右肩下がりとなっている。こうした長短金利逆転=逆イールドは、「市場関係者が将来的に金利が下がるとみている場合に起こる現象」(野村証券・証券用語解説集より)であり、これまでITバブル崩壊や不動産バブル崩壊、あるいはリーマンショックの前に見られた。逆イールドが起きてから2~3年後には景気後退が始まっている。

そういう意味では、金利が与える経済への影響は極めて大きいのだが、ここにきて「アメリカの投資環境に異変が起きている」とアメリカのメディアが報道している。たとえば、大手経済メディアの「ウォールストリート・ジャーナル」は、「市場の乱高下でキャッシュの魅力が増している」と報道した。

■今後、取るべき投資行動とは

キャッシュというのは、現金そのものや現金同等商品のことで、銀行預金や預金証書(CD)、半年以内に償還を迎える短期債券などがこれに相当する。金融商品のパフォーマンスを見ると、通常の投資環境では株式や中長期の債券のほうが、キャッシュに比べて圧倒的に高い運用益を上げているのだが、2018年はこのままいけばキャッシュのほうが結果的に高いパフォーマンスを稼ぎ出しそうだ。

今後、日本でもいつかは金利が上昇する可能性がある。全財産をタンス預金にしておく人はいないと思うが、将来の金利上昇に備えて、どんな投資行動を取ればいいのか。この1年間の運用成績などをチェックしながら、金利上昇が予想される金融市場では、どんな投資行動を取ればいいのか考えてみたい。

今年、キャッシュ同等物のパフォーマンスが株式や債券を上回れば、1992年以来28年ぶりのことになるそうだ。こうした背景には、アメリカの中央銀行に当たるFRB(連邦準備制度理事会)の政策金利引き上げがある。2016年11月に金利の引き上げを再開して以来、0.25%ずつとはいえ、すでに7回の利上げが行われ、この12月中旬のFOMC(連邦公開市場委員会)で、さらなる追加利上げが決まれば、2年で2%金利が上がったことになる。

■2018年、年初から上がったもの、下がったものは?

金利上昇の影響を受けて、ニューヨーク株式市場は大きく乱高下し、 アメリカ債などの債券価格も下落(金利は上昇)。さらに、金でさえも2018年は7%(金先物、COMEX)前後下げ、本来なら景気拡大局面では上昇するはずの原油価格までもが大きく下げた。昨年まで絶好調だった仮想通貨のビットコインも、ピーク時から8割も下落している。

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