アウディが見せた「EV」の圧倒的すぎる進化 e-tronは12気筒エンジンにも勝るほど静かだ

東洋経済オンライン / 2018年12月15日 7時40分

ついに「自動車は次のステップに足を踏み入れた」!?(筆者撮影)

アクセルを踏んで走り出した瞬間、「これまでのすべてのクルマが過去に追いやられた」と感じた。ついに送り出されたアウディのピュアEV(電気自動車)である「e-tron」は、筆者に今年試乗したクルマの中でこれが最も優れた1台であるということはもちろん、ついに「自動車は次のステップに足を踏み入れた」というような大げさともいえる思いを瞬時に抱かせたのだった。

要はそれほどまでに、e-tronの走りは強烈なインパクトを伴っていたのだった。

■次元の違う「新世代の乗り物」に感じられた

もちろん筆者はこれまでに、数多くのピュアEVを試乗してきている。そしてEVならではの魅力やクルマのよさは重々承知しているつもりだった。たとえば内燃機関を搭載せず、モーターだけで走るので、静かで滑らかで力強い加速が生まれ、これだけで並の高級車をしのぐ。さらにモーターの反応の速さや制御の巧みさで、車両の運動性能も飛躍的に高まる……といった具合である。

しかしながら、そんなふうにして認識していたこれまでのEVというものが、いわゆる内燃機関を搭載したクルマと意外に近かったのかも、とe-tronに触れたことでそう思えた。

なぜならe-tronは、筆者がこれまで試乗してきたEVとは段違いに違う次元にある新世代の乗り物に感じたからだ。

ではいったい、e-tronはどれほどに異次元のEVだったのか? それをリポートする前に、このクルマのプロファイルを見ておこう。

アウディe-tronは、アウディが用いるモジュラーアーキテクチャであるMLBと呼ばれるプラットフォームの派生版を用いている。が、その構造は通常の内燃機関モデルとは異なり、前輪と後輪の間の床板は95kWの容量を持つ高電圧バッテリーが敷き詰められている。このバッテリーは1枚のパウチセルを12枚で1組としたものを36組搭載しており、総重量は700kgに達する。さらに4つの冷却回路とヒートポンプを備えるサーマルマネジメントを搭載している。そしてこのバッテリーは強固なアルミ押し出し材のフレームによって囲われており、衝突などでの変形を防ぐ構造となっている。

そして搭載されるモーターは2つ。フロントアクスルと同軸上に最高出力約170馬力、最大トルク247Nmを発生する非同期モーターを搭載。さらにリアアクスルと同軸上に、最高出力約190馬力、最大トルク314Nmを発生するモーターを搭載する。そして1速ギアを備えた2ステージプラネタリーギアボックスが、ディファレンシャルを経由してアクスルに駆動力を伝える仕組みだ。前より後ろのモーターのほうが出力/トルクともに大きいのは、アウディのほかの縦置きエンジンモデルと同じで、AWDながらもスポーティな走りを実現するためでもある。

■航続距離は400km以上を実現

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