TX、利便性向上のカギ握る2大プロジェクト 東京駅や茨城空港への延伸構想、実現性は?

東洋経済オンライン / 2019年1月2日 7時10分

つくばエクスプレス(TX)は東京の秋葉原駅と茨城県つくば市のつくば駅を結んでいる(kawamura_lucy/PIXTA)

ある平日の夕方、つくばエクスプレス(TX)南流山駅には列車到着の度に、家路へと急ぐ人たちが次々とホームに降り立った。その多くがJR武蔵野線改札口へ向かう。当駅は快速・区間快速・普通の全旅客列車が停車し、JRへの乗り換え利用に便宜を図っている。

TX開業は、埼玉県八潮市や茨城県つくば市などの鉄道空白地帯を含む沿線地域の開発を促進した。そしてTXは、新たに既存鉄道路線との接続点に乗り換え駅として流山おおたかの森駅(東武野田線・千葉県流山市)や守谷駅(関東鉄道常総線・茨城県守谷市)などを設置したことで、JR常磐線の旅客流動に大きな変化をもたらした。

TXの運行主体は首都圏新都市鉄道、正式路線名は常磐新線で、その名が示す通り、混雑率が悪化していた日本国有鉄道(国鉄)常磐線を補完する路線として、1978年に茨城県が提起した「第2常磐線構想」を端緒とする。

その後国鉄分割民営化を経て、整備主体となる第三セクターに東日本旅客鉄道(JR東日本)が参加したうえで、運行を担う予定で検討が進められたが、結局、JR東日本は整備主体への参加を見送ることとなり、TXと競合関係となることが確定した。

TX開業後、常磐線の混雑緩和は一定程度実現したものの、JRにとっては常磐線の運輸収入減少の影響を受けることとなったのである。

■TXの利用客数は右肩上がり

JR常磐線からTXへの利用経路のシフトの傾向はデータで裏付けられている。国土交通省が作成した「鉄道ネットワーク整備の効果分析」によると、東武野田線江戸川台駅・初石駅・豊四季駅―JR神田駅・品川駅間の定期券の利用経路は、TX開業前の2000年はJR常磐線柏駅経由が100%であったが、TX開業後の2005年度は59%に減少し、さらに2010年度には33%にまで落ち込んだ。

一方、TX流山おおたかの森駅経由は2005年度に41%を記録し、さらに2010年度には67%にまで伸ばした。

TXの乗車人員は、右肩上がりで推移している。2018年6月に首都圏新都市鉄道が会社発足以来初めて公表した『つくばエクスプレス 中期経営計画(2018~2020年度)』では、2020年度の1日平均乗車人員は、2017年度比8%増の40万人の見通しが示されているが、徐々に成熟期を迎えることによって人口の伸びが鈍化し、近い将来にはピークに達すると予想する。

首都圏新都市鉄道はTXの未来図をどのように描いていくのだろうか。同社の小泉誠参与兼経営企画部長に話を聞いた。

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