100円業界のセリア、生き残る武器は「データ」 カリスマ社長の後継問題は一時棚上げだが…

東洋経済オンライン / 2019年2月12日 7時0分

きれいで明るい--ライバル社の店舗も同じように見えるが、品ぞろえは全く違う(写真:セリア)

今や私たちの生活になくてはならない存在になった100円ショップ。ただ競争激化に加え、コスト増大という苦しみが各社にはのしかかってきている。これを逆にチャンスと捉えているのが業界2番手のセリアだ。

セリアは2018年度第2四半期決算が10年ぶりの減益に沈んだ。株価は1年前の半値に下落しており、決して楽観できる状況ではない。が、河合映治社長は、こう強気の姿勢を見せる。

「(業界全体の)コスト増は利益率の低い企業に影響が出やすい。当社も赤字店舗は増えるが、利益率が高いので、他社のシェアを奪いに行けるチャンス。企業数はさらに減少していくことになるだろう。うちは最後まで生き残りたい」

■営業利益率は10%と大手では断トツ

100円ショップ業界は大手から順に、ダイソー(大創産業)、セリア、キャンドゥ、ワッツの4社で、ほぼ寡占状態とされる。ただし各社の利益率の違いは大きい。ダイソーは非上場企業のため不明だが、営業利益率はセリア10・3%、キャンドゥ2・6%、ワッツ2・0%と、大きな開きがある(ワッツは100円均一以外の事業も含む)。利益率の低い企業は、コスト増を吸収する余地が少なく不採算店が増えやすいことから、業界の淘汰が加速する可能性がある。

2017年秋に開業したイオンモール神戸南店。同じフロアにダイソーとキャンドゥが並ぶ珍しい光景が広がる。ある不動産開発業者は「100円ショップの集客力は魅力的で、どのショッピングセンターにも1店はあるのが今は基本になっている」と話す。一方で、大手4社の国内店舗数合計は、約6850店(2017年度末)と5年前から25%も増えた。「周囲に競合店が増え、何もしないでいると、既存店売上高を維持するのが難しくなってきている」(平岡史生・ワッツ社長)。出店余地がだんだんとなくなる市場飽和を指摘する声もあがっている。

加えて業界では、人件費や家賃、運送費、システム投資などのコスト増が各社に追い打ちをかけている。セリアが1月31日に発表した第3四半期決算は、ギリギリ減益を避けられたものの、株価は下落基調にある。業界3、4番手のキャンドゥとワッツの2018年度決算も営業減益で終わり、この数年減益トレンドから抜け出せていない。

そんな中、足元は苦しくてもセリアが生き残れると自信を持つ根拠は、同社がデータの扱いに長けていることにある。

セリアは業界で先駆けて、2004年にPOSシステム、2006年にはPOSデータを基にした発注の支援システムを導入し、現在はほぼ100%自動的に発注が行われている。データに基づいた品ぞろえが店舗の売上高を伸ばすと同時に、それまで1日がかりだった発注の作業時間を30分程度にまで減らした。ちなみに、当時常務だった河合社長が独自に生み出したこのデータシステムは、今も社長自身が調整を手掛けている。

■100%自動発注で1日分を30分に短縮

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