スズキがインドで今後も圧倒的に独走する根拠 成長市場で存在感を発揮すべく攻勢をかける

東洋経済オンライン / 2019年2月17日 7時0分

国内4輪販売やインドでの2輪・4輪販売で好調が続くスズキ(撮影:尾形文繁)

2月5日、スズキの2019年3月期の第3四半期決算発表会が開かれた。売上高は2兆8388億円(前年同期比4.2%増)だったが、本業の儲けを示す営業利益は2565億円(同1.3%減)とわずかながら減益となった。

増収の要因は、国内4輪販売とインドでの2輪・4輪販売の好調。これによって第3四半期決算としては過去最高の売上高を記録している。一方、営業減益の要因は新興国通貨安による為替影響と販売費用の増加となっている。

要するにスズキのメインマーケットで、商品はよく売れているが、その利益を削ってしまっている別の要因があるということだ。減益のインパクトを割合の大きい順に並べてみると、諸経費などの増加が52.8%、為替影響が31.4%、研究開発費が15.8%となっている。

■問題は諸経費の増加

為替はある種自然災害のようなものなので取り立てて言っても仕方がない。また研究開発費は、「100年に1度の大変革期」と言われる今ケチっていると未来がないタイミングなのでこれもやむなしである。

問題は諸経費だ。なぜ諸経費が問題なのかと言えば、発表内容全体のトーンから察するに販売奨励金の負荷が大きいように聞こえるからだ。

スズキの重要マーケットであるインドとASEANは今、アメリカの利上げの影響を受けて景気が減速している。ところが、その中でスズキはどちらのマーケットでも販売台数を伸ばしているのだ。「逆風の中でそれはめでたい」とならないのは、「諸経費」の大きな増加を見ると、自然に売れているのではなく、無理して売っているのがわかるからだ。

スズキは2017年の年初からインド・グジャラートの第1工場に600億円、第2工場に1000億円を投下して、順次新工場を稼働させている。ちなみに第2工場の稼働開始は2019年1月と最近のこと。新工場は可能な限り動かして業務に慣らす必要がある。そこでいきなり景気減速と言われても、タイミング的に生産調整はやりたくないのは理解できる。結果として、生産を維持するために、販売奨励金を積み上げたり、ローン金利の一部を負担したりしていると思われる。

同社の長尾正彦常務は「市場の過剰在庫を消化した」と説明しているので、販売店に押し込みすぎた在庫消化のための値引きなどで経費が増えたと考えられ、生産キャパ拡大の結果、売上高は確かに伸びたが、足元需要とのギャップのつじつま合わせに多大な費用を投入して減益になったと読み解くべきだろう。

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