大阪の「ゴミ処理場」に中国人富裕層が行く理由 大都市を訪れるリッチな訪日中国人の攻略法

東洋経済オンライン / 2019年2月20日 7時0分

ゴミ処理場?!

調べてみてわかったが、彼らの目的地は、有名なオーストリア出身の芸術家である故フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーがデザインした舞洲(まいしま)にある「ゴミ処理場」(トップ写真)だった。

「WeChatの芸術系のパブリックアカウントで読んだよ。お城みたいに芸術感があふれているし、観光客、というか日本人にもあまり知られていないようなので、いっぱい楽しめたわ」と彼女。

彼氏はライカとキヤノンのカメラを持ち、彼女と非日常の「舞洲ゴミ処理場」の写真を1000枚近く撮った。「戻ったら加工し、家族や一般の知り合いが見る朋友圏(WeChatのタイムライン)にちょっとだけ投稿し、芸術好きチャットグループにもアップしたい」と使い分けもあるようだ。つまり、友人、家族、同僚がみるWeChatでさりげなく記念写真を残し、いちばん自慢したい友達の間にはもっと詳細な写真を投稿するのだ。

■アート熱は高まる一方

このカップルだけでなく、若年富裕層の間で、美術館、展示会に行くアート熱がますます高くなっているようだ。WeChatのパブリックアカウントから旅行・ライフスタイル誌まで、「東京の美術館に行こう」という内容もどんどん増えている。

東京では根津美術館が既に定番スポットだ。外国人観光客からみると日本らしい要素である庭・木造・天井の低い部屋などが揃っているため、必ず足を運ぶ。

彼ら若い富裕層たちは、美術展を満喫し、そのあと東京や大阪で日本のファッションブランドの買い物を楽しんでから、日本でも話題になったカフェでお茶をしながら写真を友人と共有したりするのが定番だ。たとえばムンク展や、顔真卿展を見に行ったときにも、数時間に及ぶ待ち時間を楽しんだという。

先日、顔真卿展に行った日本人の友人は、「待ち行列の8割は中国人だった」とびっくりしていた。グッズなどもたくさん買い上げ、お土産として渡すと、友人たちには非常にメンツが立つようだ。さらに、金沢21世紀美術館やteamLab(チームラボ)のミュージアム、草間彌生美術館などのチケットをゲットするため何カ月も前からネットで代理予約してもらい、アート巡り旅をプランニングしている。なぜ、彼らは美術館、展覧会が好きなのか?

■買い物・観光から文化・芸術へ

文化・芸術に関心が高まっているのは、富裕層を代表とした中国人の若者が、マズローの欲求5段階でいうところの承認欲求を満たされ、自己実現欲求が少しずつ湧いてきているからだと見られる。「自分は絵を描けないかもしれないが、世界の名画を見る自分が好き」「できるだけハイレベルなアートセンスを取り入れたい」という心理が働いているといえる。

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