東証1部「上場基準の厳格化」が与える巨大衝撃 降格企業が多数続出? 来年4月にも実施へ

東洋経済オンライン / 2019年2月25日 7時0分

残れるか残れないかで「天国と地獄」ほどの差を生み出しかねない(デザイン:山根 佐保/写真:gettyimages)

3月、東証1部上場企業にとって大注目の答申が、有識者会議から日本取引所グループによってなされる。有識者会議とは「市場構造の在り方等に関する懇談会」のことだ。

同懇談会は1月末までパブリックコメントを募集していたが、2月22日の月例会見で清田瞭CEOは「おおよそ90件の意見が集まった。それらの意見の分析を経て、3月末までに懇談会から答申をもらうスケジュールに変わりはない」と発言。清田CEOは自らの続投(追加の任期は1年)を含めた4月からの新役員体制を発表。「できるだけ早い時期に大きな姿(=新1部の選定基準など全体像)をお見せしたい」と自らの任期中に道筋をつけることに意欲を示した。

最大の注目点は「市場区分の見直し」だ。約30年間で2倍近くの2126社(外国会社2社を除く)までふくらんだ1部上場企業の絞り込みが真剣に検討されている。

1部上場は文字どおり「信用のブランド」である。会社の格付けや銀行の融資条件、新卒採用で有利に働く。そればかりではない。社員の住宅ローン借り入れなどでも1部上場企業の社員であるかどうかは融資審査で重要項目だ。

1部上場企業でなくなるということは、今まで得ていた信用を多かれ少なかれ失うことになりかねない。1部上場企業にとっても、1部上場企業で働く社員にとっても、これは一大事に違いない。

2月25日発売の『週刊東洋経済』は「東証1部 天国と地獄」を特集。さまざまな角度から東証1部に残れる企業を洗い出した。そもそも東証1部の社数膨張を招いた元凶についても徹底検証している。

■時価総額基準は500億円に収れん

焦点は、どんな基準で絞り込みをするかだ。最も有力なのは時価総額(株価と発行済み株数を掛け合わせた金額)基準である。来年1~3カ月の平均時価総額をもとに、早ければ同4月にも1部上場企業の絞り込みが行われる。

検討当初は1500億円、1000億円、500億円の3案のどれも有力とされた。どの案でも社数ベースでは半分以上が1部から脱落する一方、時価総額ベースでは約9割を維持できるが、現在では500億円の案に収れんしつつある。

1月末の時価総額で見ると、時価総額で最大なのはトヨタ自動車の約22兆円。以下、NTTドコモ、ソフトバンクグループ、NTTが9兆円台で続く。一方、最小は家庭用LPガス容器最大手・中国工業の19億円。ディー・エル・イー、ボルテージなどのベンチャー企業も約30億円台と小粒だ。

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