「データ苦手な人」には経営者になる資格がない これから「生産性向上」には逆風が吹き始める

東洋経済オンライン / 2019年3月8日 6時30分

書籍や本連載でも繰り返し強調しているように、日本のような大幅な人口減少問題を抱えている先進国はほかにありません。日本はまさに世界のどの国も経験したことのない、未知の世界に突入するのです。

このように先が見通せない時代では、経営者の果たすべき役割は大きくなり、同時に責任は非常に重くなります。人口が増加するという経営者にとっての追い風は一切期待できない状況が訪れるので、個々の経営者のスキルアップが不可欠です。

なぜならば、生産性を上げないといけないこれからの時代は、逆に、生産性が上げづらくなる逆風が吹き始めるからです。

国際通貨基金(IMF)がまとめている論文には衝撃的な事実が映し出されています。IMFの分析では、年代別に見ると40代の社員の生産性が最も高く、労働人口に占めるこの世代の割合が高くなればなるほど、その国の生産性が高くなるという結果が出ています。

日本では、2015年までこの世代の割合が増えていたので、ちょうど第二次安倍政権が始まったころから、生産性が上がりやすい状況にありました。しかし、これからはこの世代の占める割合が減るので、状況はマイナスに変わります。

40代の減少という逆風が吹き始めているので、生産性向上はそう簡単に進まなくなります。だからこそ、経営者の改革が必要で、彼らを突き動かす力強い政策が不可欠なのです。

■日本の経営戦略の問題点はどこにあるのか

日本が今どんな状況に置かれているのかご理解いただいたところで、次に日本の経営戦略のどこに問題があるのかを検証したいと思います。

IMFがまとめた、1990年から2007年までの各国の生産性を見ると、1990年には世界10位だった日本の生産性は、それ以降低迷し、ほかの先進国と差が拡大してしまいました。つまり、この研究の分析期間がちょうど、日本の低迷が始まった時期と重なっているのです。

この研究は、生産性の向上の中身を分析しています。生産性は3つの要素に分解することができます。

1つは人的資本です。これは人間の数、働く日数、時間の投入などで計算することができます。

2つ目は物的資本です。簡単に言うと、設備投資、機械などへの投資です。1人の社員に対して、どのくらいの資本を設備投資などに使っているかを指します。

3つ目は全要素生産性です。全要素生産性は、人間と機械の使い方だけでは説明がつかない要素のことで、簡単に言うと生産性を計算して先の2つの要素を引いた残りです。

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