「データ苦手な人」には経営者になる資格がない これから「生産性向上」には逆風が吹き始める

東洋経済オンライン / 2019年3月8日 6時30分

全要素生産性は説明が難しいのですが、技術、ブランド、デザイン、工夫、教育などだと捉えてください。工夫とは、人と資本の組み合わせを変えたり、ビジネスモデルをいじったり、ビッグデータを使ったりすることを意味しています。

同期間のG7のGDP成長率は2.1%でした。そのうち、人的資本によるものが0.5%、物的資本によるものが0.9%でした。

2.1%の生産性向上の中で人的資本と物的資本では説明がつかない0.8%が、全要素生産性による生産性の向上で、全体の4割弱を占めます。

日本も、人的資本では他国に負けているわけではありません。とくに労働市場への参加率を高めてきたことによって、生産年齢人口が減っても、労働人口は増えています。G7の平均成長率0.5%に比べ、日本は0.4%です。物的資本の増加率もG7平均の0.9%に比べ、あまり変わらない0.8%です。

ではなぜ、日本の生産性が先進国最低になってしまったのか。その原因は全要素生産性にあります。G7平均の0.8%に比べて、日本はたった0.2%で、G7の中で最下位です。

■日本で全要素生産性が伸びない2つの原因

日本で全要素生産性が伸びない原因は2つ考えられます。

原因1:高齢化

1つ目は、環境の問題です。同じIMFの研究では、高齢化の影響があるのではないかという仮説を示しています。

生産年齢人口に対する高齢者人口の比率と、全要素生産性の向上率との間に、強い相関関係が見られるようになりつつあると指摘しています(ただし、データがそろっておらず、まだ十分な検証はできていないので、あくまでも仮説だとされています)。

私は、この説はかなり的を射ているように感じます。高齢になればなるほど、若い頃のように工夫ができなくなるのは、どの国でも共通している傾向です。以前の記事でも指摘したように、高齢者はデフレを好み、若い人はインフレを好む傾向があるという分析結果とも合致しています。また年齢が高くなればなるほど保守的になり、若い人のように変化を好まなくなるものです。

原因2:そもそも「苦手分野」だった

もう1つの原因が、そもそも日本では全要素生産性が相対的に低かったということです。このことを分析した研究も存在します。

日本の経営者は人を雇う、機械を買うなど、管理型の経営はうまいと思いますが、調査や分析に基づき、企業のあり方などに自ら進んで変化を起こすことが、とくに1964年以降あまりうまくなかったように見受けられます。

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